【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 上げ潮に乗る"世界首位級"の半導体素材株!
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「上げ潮に乗る“世界首位級”の半導体素材株!」 ●二極分化の動きをみせる半導体関連 私は半導体株を情報カードに記入し、普段でも持ち歩いている。なぜこんな面倒なことをしているのかといえば、昔から情報カードを使い慣れており、持ち運びにも便利だからだ。ふと思い出した際に、キャリーバッグから取り出すと記憶に埋もれていた銘柄なども確認しやすく重宝している。このカードを見ていて、最近、少々違和感を覚えることがある。 半導体関連がまちまちの動きになっていることだ。 大別すると、上昇力の強い銘柄と、そうではない銘柄の二極極分化が目立つ。通常あるテーマ、業種が上がり始めると、多少の違いはあるものの一斉に同じ方向に動き始める。半導体株もかつてはそうなっていて投資しやすかったのだが、いまはセクター内でかなりの違いがある。 信越化学工業 <4063> [東証P]やレーザーテック <6920> [東証P]、ディスコ <6146> [東証P]など、これまでの人気主力株が残念な動きになっているのに対し、住友ベークライト <4203> [東証P]や東京応化工業 <4186> [東証P]、イビデン <4062> [東証P]、SUMCO <3436> [東証P]、扶桑化学工業 <4368> [東証P]、ソシオネクスト <6526> [東証P]などの値動きは問題ないどころか、騰勢を保ち続けている。 この違いはどこから生じているのか? 正直なかなか解明できなかった。というのは、半導体ウエハ最大手の信越化学が下げ、SUMCOが上昇していたからだ。両社ともにウエハが主力製品なのだから、株価は似た動きになってよい。しかし、そうなっていないのは、実は信越化学にはウエハの他にもう一つ大きな経営の柱がある。塩化ビニールだ。信越化学は同製品でも世界首位だ。ところが、それが米国の住宅需要回復が遅れて苦戦に陥っている。市場はそれを問題視しており、株価が上がらない。こういうことになっており、ウエハ需要に問題があるわけではない、となる。 ●世界トップ企業が目白押しの半導体素材関連 こんな観点から半導体株を見ると、製造装置関連株は上がりにくくなっているものの、 素材関連株は強い。こうなるため、今回は改めて半導体株、それも素材関連株に目を向けたい。 そこで、まずは住友ベークライトだ。なんといっても魅力的なのは、この会社は半導体封止材で世界首位なのだ。それに素材類は最先端半導体用だけでなく、汎用性の高い半導体にも使われており、用途は多彩だ。しかも、しつこいが「世界首位」なのだ。株価は週末新値に進んだところなので、目先は下押す場面もあろうが、その後また浮上が見込める。 東京応化工業はフォトレジストに強い企業。そして、この会社もこの分野では世界首位級だ。フォトレジストとは光に反応して特性が変化する液体材料。シリコン基板に紫外線などを照射することでパターンを描く工程などで使われていて、前述したように世界首位級なのだから、株価も期待が持てることになる。 イビデンはどうか。こちらはICパッケージ基板で世界首位。従来のインテル向けだけでなく、エヌビディア 向けにも需要は拡大中なだけに、株価の押し目は見逃さないようにしたい。 そして、半導体ウエハ用研磨材で世界首位のフジミインコーポレーテッド <5384> [東証P]を。株価は上昇を続けていたが、いまは目先やや軟調。だから拾い場になる。 世界首位が4社続いたので、最後に首位ではないものの半導体ウエハ用研磨剤に強く、豊富な実績と高い信頼を得ている扶桑化学も魅力的だ。実はこの会社にはもう一つ主力製品があり、こちらは世界首位だ。それはなにか。リンゴ酸になる。世界シェア5割を制するグローバルニッチトップ企業だ。 2025年8月15日 記 株探ニュース