富田隆弥の【CHART CLUB】 史上最高値を更新も、乱高下は覚悟

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コラム

「史上最高値を更新も、乱高下は覚悟」

◆世間がお盆休みの最中に日本株は大躍進。日経平均株価は8月13日まで怒涛の6連騰で、史上最高値を一気に4万3451円まで伸ばした。この6連騰ではソフトバンクグループ <9984> [東証P]など指数への寄与度が高い値がさ主力株が上昇しており、裁定買い(先物取引に伴う現物買い)が活発に入っていることが推測される。

◆「裁定買い残」は7月18日時点で1兆2466億円まで減少し、裁定買いが入りやすい状況になっていた。8月8日時点では1兆7658億円と3週間で5192億円増加。今週の株価の上昇ぶりをみると、裁定買い残は2兆円付近まで膨らんでいる可能性がある。

◆8月14日に日経平均株価は625円安とさすがに一服を入れた。8月4日安値の3万9850円から6日間で3601円(9%)上昇しており、当然の一服といえる。ただし、日足チャートは「宵の明星」を描き、騰落レシオ(25日:13日時点155%)や平均線総合カイ離率(同30.6%)、RCI(順位相関指数)などテクニカル指標の過熱ぶりを踏まえると、調整は少し長引く可能性もある。

◆今後も裁定買いが続くのならば、日経平均株価を4万5000円方向へさらに押し上げるのは難しくない。ただし、2兆円台の裁定買い残は4月4日(2兆0337億円)以来の水準となり、ここからは逆に裁定解消売りを誘う展開になる可能性もある。そうなると、ヒヤリとする急調整を伴いかねない。

◆熱いサマーラリーになったのは喜ばしいことだが、米国のNYダウやナスダックのチャートにも過熱感が漂う。相場であれば折に触れ調整を挟み、行き過ぎた相場には反動が生じるのは常であり、「山高ければ谷深し」という相場格言もある。ここは冷静に「高値は追わず、様子見、利食いを忘れずに」を心掛けたい。

(8月14日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

株探ニュース

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