株価指数先物【寄り前】 +2σが心理的な抵抗として意識される
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大阪9月限ナイトセッション 日経225先物 42770 +150 (+0.35%) TOPIX先物 3074.0 +15.0 (+0.49%) シカゴ日経平均先物 42845 +225 (注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比) 14日の米国市場はNYダウ、ナスダックが小幅に下落した一方で、 S&P500は小幅に上昇。7月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.9%上昇と市場予想(0.2%上昇)を上回る伸びとなり、インフレ懸念から売りが先行した。ただし、12日発表の7月の米消費者物価指数(CPI)の結果に加え、前日のベッセント米財務長官による利下げの可能性が高いとの発言によって、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに踏み切るとの見方は根強く、売り一巡後は下げ渋る動きとなった。 S&P500業種別指数は小売、銀行、医薬品・バイオテクノロジーが上昇した半面、耐久消費財・アパレル、家庭用品・パーソナル用品、商業サービス・用品の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、アマゾン・ドット・コム、マクドナルド 、JPモルガン・チェース 、キャタピラー が買われた。一方で、スリーエム 、ホーム・デポ 、シスコシステムズ 、セールスフォース が軟調。 シカゴ日経平均先物清算値は大阪比225円高の4万2845円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比60円高の4万2680円で始まった。直後につけた4万2520円を安値に切り返し、米国市場の取引開始後には4万2890円まで上げる場面もみられた。ただし、その後は4万2710円~4万2870円辺りでの保ち合いを継続しており、4万2770円でナイトセッションの取引を終えた。 シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになろう。ただし、節目の4万3000円やボリンジャーバンドの+2σ(4万3100円)が心理的な抵抗として意識されやすく、同水準の突破を見極めたいところである。一方で、節目の4万2500円での底堅さがみられると考えられ、オプション権利行使価格の4万2500円から4万3000円でのレンジを想定する。 前日の下落については過熱を冷ます調整との見方であるが、+2σを割り込んできたことでリバウンド狙いのロングを入れにくくさせた。米国ではPPIの結果を受けてインフレに対する警戒が改めて広がっていた。また、米サンフランシスコ連銀のデイリー総裁は、9月のFOMCで0.50%の利下げは適切でないとの見解を示したと報じられていることもあり、米国での過度な利下げを織り込む動きに対する反動も警戒されてきそうだ。 もっとも、日本時間の16日にトランプ米大統領とロシアのプーチン大統領による首脳会談が行われる。地政学リスクが大きく後退する可能性があることで、ショートについても仕掛けにくいだろう。そのほか、トランプ政権は経営不振に陥っているインテル との間で、米政府が同社に出資する可能性について協議していると、関係者の話として報じられている。半導体株への手掛かり材料になるようだと、日経平均型を押し上げる展開が期待されよう。 日経225先物は4万2500円接近では押し目狙いのロング対応とし、4万3000円に接近する局面では、短期的ではあるが戻り待ち狙いのショートに向かわせよう。4万3000円を突破してきたとしても、+2σを明確に上抜けてくるのを見極めたいところである。なお、+2σ突破となれば、前日の下げに対するショートが強まりそうだ。 14日の米VIX指数は14.83(13日は14.49)に上昇した。一時15.39まで上げる場面もみられたが、PPIの結果を受けた動きのほか、前日には昨年12月下旬以来の水準まで低下していたこともあり、テクニカル的な反発であろう。ボトム圏での推移であり、リスク選好の状況は変わらない。 昨日のNT倍率は先物中心限月で13.93倍に低下した。一時14.05倍に上昇する場面もみられたが、その後はアドバンテスト<6857>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさ株の下げが日経平均型の重荷になり、200日移動平均線(13.98倍)、25日線(13.95倍)を下回っていた。いったんは75日線(13.82倍)辺りまでの低下が意識される反面、インテルの報道を受けた半導体株の動向次第では、NTロングに振れそうだ。 株探ニュース