株価指数先物【寄り前】 過熱警戒も、切り上がる+3σに沿ったトレンドを形成
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大阪9月限ナイトセッション 日経225先物 43280 +640 (+1.50%) TOPIX先物 3093.5 +30.0 (+0.97%) シカゴ日経平均先物 43275 +635 (注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比) 12日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。7月の米消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%上昇と、6月(0.3%)からは鈍化した。食品とエネルギーを除くコア指数は同3.1%上昇だった。いずれも市場の想定内だったことで物価上昇への過度な警戒感が和らぎ、9月に米連邦準備理事会(FRB)が利下げに動くとの期待が高まった。幅広い銘柄に買いが膨らみ、S&P500指数、ナスダック指数は最高値を更新。 S&P500業種別指数は耐久消費財・アパレル、運輸、銀行、メディア、消費者サービスが上昇した一方で、商業サービス・用品、保険の2セクターが下落。NYダウ構成銘柄では、ユナイテッドヘルス・グループ、ゴールドマン・サックス・グループ 、ボーイング 、アメリカン・エキスプレス が買われた。半面、マクドナルド 、IBM 、ジョンソン・エンド・ジョンソン 、セールスフォース が小安い。 シカゴ日経平均先物清算値は大阪比635円高の4万3275円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比90円高の4万2730円で始まった。直後に4万2590円まで軟化した後に切り返し、米国市場の取引開始直前に4万3000円を回復。買い一巡後は4万3050円~4万3200円辺りで保ち合いをみせていたが、中盤にかけてレンジを上抜け、4万3370円まで買われる場面もみられた。終盤にかけては4万3240円~4万3300円辺りでの推移が続き、4万3280円でナイトセッションの取引を終えた。 シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになろう。切り上がりをみせているボリンジャーバンドの+2σ(4万2640円)と+3σ(4万3630円)によるレンジ内で推移している。+3σ接近で過熱感は警戒されるものの、+2σがサポートとして意識されているため、ショートは仕掛けにくいだろう。一方で、連日の大幅な上昇によってレバレッジ型ETFのヘッジ対応に伴うロングが入り、上へのバイアスが強まりやすい需給状況である。 週足では+1σ(4万1420円)と+2σ(4万3190円)によるレンジで推移しているが、+2σを上回ってきており、+3σ(4万4960円)が意識されてくる可能性があろう。4月の急落局面で-3σを大きく割り込んだ後のリバウンドが続いており、過熱感から調整を入れる局面では、押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。 日経225先物は4万3000円を固める動きが意識されやすいと考えられ、オプション権利行使価格の4万2875円から4万3625円のレンジを想定する。米国では雇用統計の下振れによって9月の利下げ観測が高まっているが、CPIの結果を受けて9月の利下げ確率は90%近くに上昇しているようだ。14日発表の7月の卸売物価指数(PPI)が予想通りの結果になるようだと、さらに利下げ確率が上昇する可能性も考えられるため、ショートは避けておきたい。 12日の米VIX指数は14.73(11日は16.25)に低下した。一時14.66まで下げており、7月29日の安値14.70を下回り、1月下旬以来の水準まで低下する場面もみられた。25日移動平均線(16.40)が抵抗線として機能する形で推移しており、リスク選好に向かわせやすいだろう。 昨日のNT倍率は先物中心限月で13.91倍に上昇した。寄り付きは13.84倍と75日線(13.81倍)を上抜いて始まり、前場終盤にかけて13.97倍まで切り上がる場面もみられた。25日線(13.96倍)を捉えており、200日線(13.99倍)をクリアしてくるようだと、NTロングによるスプレッド狙いの動きが一段と強まりそうである。6月30日につけた14.24倍が射程に入ってきそうだ。 株探ニュース