富田隆弥の【CHART CLUB】 乱高下しやすい8月、25日線を注視
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「乱高下しやすい8月、25日線を注視」 ◆8月入り早々、米国で雇用統計ショック(1日のNYダウは542ドル安、ナスダックは472ポイント安)があり、週明け4日の日経平均株価は一時949円安と、1年前の「8月ショック安」を想起させる急落をみせた。だが、4万円の大台や25日移動平均線を意識するように押し目買いが入り、7日時点では3日続伸し4万1000円台を回復、落ち着きを取り戻している。 ◆TOPIX(東証株価指数)に目を向ければ、同様に3日続伸で7日に2987.92ポイントをつけ、史上最高値更新を果たした。例年であれば、市場関係者の夏休み入りで8月中旬の「お盆」頃まで薄商いとなりやすいところだ。しかし、今週は連日20億株を超す大商いで幅広い銘柄に買いが入り、日本株はちょっとしたサマーラリーの様相を呈している。このペースが続くのならば、日経平均株価の最高値(4万2426円)挑戦も十分に予想される。 ◆カギを握るのは、やはり米国株だ。7月28日から下げ基調だったNYダウは、雇用統計ショックも重なって25日線を下放れ、日足チャートが「陰転」シグナルを灯した。米連邦準備制度理事会(FRB)の9月利下げ観測が台頭して4日以降は戻りをみせているが、まだ25日線を回復していない。仮に25日線で頭を叩かれて再び下落するようだと、「陰転」の確率を高めることになる。 ◆「15%」で決着したと思われていた日米関税合意がここにきて怪しくなってきた。日本はいま4-6月期決算の発表が真っ盛りだが、関税の影響で減益となるものも少なくない。株式市場は「織り込み済み」として積極買いに動いているが、関税が未解決だとしたらその前提も大きく変わってくる。 ◆日経平均株価は25日線(7日時点4万0302円)を維持しているうちは、上昇基調は変わらないが、同線を割り込むと「調整入り」が否めなくなる。日本株を押し上げてきた外国人(現物株ベース)の連続買い越しは17週で止まった。8月に活気をみせる日本株だが、高値圏で乱高下しやすいことは忘れずにいたい。 (8月7日 記、毎週土曜日に更新) 情報提供:富田隆弥のチャートクラブ 株探ニュース