利益成長【青天井】銘柄リスト〔第1弾〕18社選出 <成長株特集>
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7月下旬から25年4-6月期決算発表の集中期間に突入している。本特集では、7月31日までに発表された決算の中から、4-6月期に過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益成長が“青天井”状況になっている銘柄にスポットライトを当てた。 下表では、時価総額100億円以上の銘柄を対象に、本決算月にかかわらず、25年4-6月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している18社を選び出し、4-6月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。 上振れ率トップとなったのは、アドバンテスト <6857> [東証P]。25年4-6月期(第1四半期)の税引き前利益は1213億円とこれまでの過去最高益を72.0%も上回って着地。AI関連半導体需要の高まりを背景に、半導体の複雑化や性能向上が進んだことで、高性能SoC(システム・オン・チップ)半導体向け検査装置が大きく伸びた。業績好調に伴い、26年3月期の同利益を従来予想の2400億円→2970億円(前期比32.1%増)に上方修正し、従来の2期連続での過去最高益予想をさらに上乗せした。 2位の東洋テック <9686> [東証S]は主力の警備事業で大阪・関西万博関連の売り上げが拡大し、4-6月期(第1四半期)の経常利益は9.6億円(前年同期比37.1倍)と23四半期ぶりの最高益更新を果たした。前期に実施したM&Aの効果に加え、ビル管理事業で価格改定や不採算取引の見直しを進めたことも利益拡大につながった。26年3月期の同利益は前期比92.9%増の20.5億円と34期ぶりに過去最高益を更新する見通しだが、第1四半期実績の通期計画に対する進捗率は47.0%と高水準で業績上振れが期待される。 続く3位に入ったのは、ヨウ素生産で世界大手の伊勢化学工業 <4107> [東証S]。4-6月期(第2四半期)はヨウ素製品の販売数量が増加したうえ、ヨウ素の国際市況が引き続き堅調に推移し、売上高110億円(前年同期比30.3%増)、経常利益27.8億円(同36.4%増)といずれも3四半期ぶりに過去最高を更新した。25年12月期の同利益は前期比4.9%増の78億円と4期連続で過去最高益を更新する見通しだ。 4位にリスト入りした第四北越フィナンシャルグループ <7327> [東証P]の4-6月期(第1四半期)経常利益は前年同期比18.5%増の175億円と4四半期ぶりに過去最高益を更新した。貸出金利回りの上昇で資金利益が増加したことに加え、株式売却益が膨らんだことも利益を押し上げた。26年3月期の同利益は前期比16.8%増の480億円と5期連続の最高益更新を見込む。株価は7月28日に上場来高値3795円まで上値を伸ばしている。 5位には航空機や船舶を中心としたオペレーティング・リース事業に投資するファンドの組成・販売を手掛けるSBIリーシングサービス <5834> [東証G]が入った。4-6月期(第1四半期)は法人税の繰り延べ効果などを目的とした投資家ニーズを捉え、商品出資金等販売金額が増加し、経常利益は前年同期比98.6%増の23.9億円と9四半期ぶりに過去最高益を達成した。26年3月期の同利益は前期比15.1%増の70億円と5期連続で最高益を更新する計画だ。株価は上場来高値圏を走る展開となっている。 ┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想 コード 銘柄名 上振れ率 4-6月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER <6857> アドテスト 72.0 121357 70547 32.1 297000 224774 33.7 * <9686> 東洋テク 52.8 964 631 45.3 2050 1411 15.9 <4107> 伊勢化 20.3 2786 2316 4.9 7800 7437 25.6 <7327> 第四北越FG 18.5 17506 14776 16.8 48000 41112 9.9 <5834> SBIリーシ 16.9 2397 2050 15.1 7000 6084 8.2 <4684> オービック 15.2 27238 23635 8.4 97300 89770 34.5 <2317> システナ 15.1 3747 3255 13.9 13500 11855 18.1 <9042> 阪急阪神 14.9 48843 42518 6.1 118000 111242 12.7 <2410> キャリアデザ 13.6 585 515 11.0 1750 1577 9.1 <9889> JBCCHD 13.5 1888 1663 9.3 6900 6314 16.7 <9267> Genky 10.6 2853 2580 8.1 10700 9899 18.3 <8341> 七十七 6.8 17646 16522 11.1 62500 56273 9.0 <1942> 関電工 6.2 18261 17198 7.6 64000 59498 16.6 <4307> 野村総研 5.1 37978 36152 12.6 151000 134161 33.5 * <7191> イントラスト 4.7 662 632 10.9 2600 2345 13.7 <9687> KSK 4.2 876 841 7.7 2700 2506 13.8 <3064> モノタロウ 3.8 11126 10714 15.3 43026 37320 44.0 <7970> 信越ポリ 0.3 3985 3973 5.9 14000 13218 15.2 ※2024年4月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した03年4-6月期以降の業績に基づいたものです。 ※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。 株探ニュース