富田隆弥の【CHART CLUB】 8月は上値追いも、高値圏で乱高下

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コラム

「8月は上値追いも、高値圏で乱高下」

◆日米関税交渉で相互関税の引き下げ(15%)が決まり、米連邦公開市場委員会(FOMC、7月29日~30日)と日銀金融政策決定会合(30日~31日)の日米金融イベントを通過した。カレンダーは8月に移り、市場関係者のバカンス入りでマーケットは閑散・小動きとなるのが通例だが、果たして今年はどうだろう。

◆日経平均株価は7月24日に4万2065円の高値をつけた後、4万0500円台へのスピード調整を挟んで、31日には415円高と反発の兆しをみせた。4月安値から下値を切り上げるチャートは強く、昨年7月の史上最高値4万2426円を目指す流れが継続しているといえる。

◆需給でポイントとなる裁定買い残は、7月25日時点で1兆5515億円(前週比3049億円増)と、前週(18日時点)の1兆2466億円をボトムに増加に転じた。裁定買い残の上積み余地は2兆円台まである。また、為替は1ドル=150円台の円安に振れてきた。これらを踏まえると、日経平均株価が最高値を突破する可能性は十分にあると思われる。

◆ただし、テクニカル指標には騰落レシオ(7月31日時点134%)や日足RCI(順位相関指数)などで高値圏となり、注意を促すものも現れてきた。本格化する企業の4-6月期決算も、米国ではハイテク大手に好決算が目立つものの、日本のハイテク株は市場期待に届かず急落するものもある。行き過ぎた円安はコスト高を招き、一段の物価上昇リスクを高める。これらを踏まえると、今年の8月相場は調整を挟みながらの上伸を想定するものの、薄商いの時期であるだけに乱高下も覚悟しておきたい。

(7月31日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

株探ニュース

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