来週の株式相場に向けて=半導体関連は明暗分かれる、内需株など強含み継続か

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 1日の日経平均株価は前日比270円安の4万799円と反落。一時は480円超の下落となり4万500円台まで値を下げる場面があった。市場関係者の関心が集中したのが東京エレクトロン<8035.T>だ。前日に26年3月期業績予想の下方修正を発表したことが嫌気され一時ストップ安と急落。この日の日経平均株価を東エレク1銘柄で500円近く押し下げた。

 足もとでアドバンテスト<6857.T>、レーザーテック<6920.T>、そして東エレクと主力の半導体関連株に波乱展開となる銘柄が目立つ。この半導体株安の背景にあるのは「前工程から後工程への需要シフトではないか」(アナリスト)との見方がある。複雑化する半導体製造の現場では、前工程となる回路パターンの微細化が限界に近づいている。その一方、複数のチップを一つに組み上げることで性能を高めるパッケージなど後工程には追い風が吹いている。この影響が出て株価が下落したのが前工程のレーザーテクや東エレクではないか、と分析されている。検査装置を手掛けるアドテストは後工程に位置する会社だが、業績見通しに強弱感が対立しているのが実情のようだ。

 生成AIの普及が加速しデータセンターの建設が活発化するなか、半導体関連市場の成長は不変だが、個別企業の成長には明暗が分かれているようだ。アナリストからは「後工程に強いアドテストやディスコ<6146.T>、それにキヤノン<7751.T>などは今後も株価は堅調な展開が期待できるのではないか」との見方がある。

 8月相場に入るなか、来週は決算発表が真っ盛りで8日には800社超とピークを迎える。また、国内政局には不透明感も強く8日には自民党の両院議員総会が予定されている。きょうは日経平均株価は下落したが、TOPIXは上昇した。ハイテク株などには不透明感も残るなか、大成建設<1801.T>など建設や三井不動産<8801.T>など不動産、イオン<8267.T>など消費関連といった内需株を中心にした堅調展開は続きそうだ。

 来週はスケジュール面では、海外では4日に米6月製造業受注、5日に米7月ISM非製造業景況指数、米6月貿易収支、7日に米7月ニューヨーク連銀インフレ期待、中国7月貿易収支が発表される。4日にオン・セミコンダクター<ON>、5日にアドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>、キャタピラー<CAT>、スーパー・マイクロ・コンピューター<SMCI>、6日にウォルト・ディズニー<DIS>、マクドナルド<MCD>、7日にイーライ・リリー<LLY>が決算発表を行う。

 国内では5日に6月開催分の日銀金融政策決定会合の議事要旨、6日に6月毎月勤労統計調査、7日に7月都心オフィス空室率、8日に7月開催分の日銀金融政策決定会合の「主な意見」、6月家計調査、7月景気ウォッチャー調査が発表される。4日に三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>、三菱商事<8058.T>、5日に三菱重工業<7011.T>、リクルートホールディングス<6098.T>、ダイキン工業<6367.T>、6日にNTT<9432.T>、ホンダ<7267.T>、鹿島<1812.T>、7日にトヨタ自動車<7203.T>、ソニーグループ<6758.T>、ソフトバンクグループ<9984.T>、8日にブリヂストン<5108.T>、三越伊勢丹ホールディングス<3099.T>、サンリオ<8136.T>などが決算発表を行う。来週の日経平均株価の予想レンジは4万200~4万1500円前後。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS

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