話題株ピックアップ【昼刊】:アイピーエス、ダイハツイン、さくらネット

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■アイ・ピー・エス <4390>  2,770円   +500 円 (+22.0%) ストップ高   11:30現在  東証プライム 上昇率トップ
 アイ・ピー・エス<4390>はストップ高。同社はフィリピンで国際データ通信回線や企業向けネット接続サービスなどを主力展開しているが、30日取引終了後、日本、フィリピン、シンガポールを結ぶ新たな国際海底ケーブルのコンソーシアム形式による共同建設に参画することを発表した。また同日、同海底ケーブルに関する大口受注を獲得したことも開示、一部使用権を25年間の長期貸借契約で提供する(提供金額は日本円で約65億円)。これらを材料視する買いがなだれ込む格好となった。

■ダイハツイン <6023>  2,670円   +429 円 (+19.1%) 一時ストップ高   11:30現在
 ダイハツインフィニアース<6023>が一時ストップ高の水準となる前営業日比500円高の2741円に買われ、上場来高値を更新した。同社は30日の取引終了後、26年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。売上高は前年同期比3.0%増の209億8000万円、経常利益は同18.0%減の14億8300万円となった。減益決算ながら経常利益の通期計画に対する進捗率は約30%に上ったほか、受注は好調で受注残高は過去最高の水準を確保しており、評価されたようだ。円高や人件費の増加が利益を圧迫する要因となったが、コンテナ船やタンカー向けの大口受注により、受注残高は全体で919億2300万円と前年同期比34.8%増となった。

■さくらインターネット <3778>  3,085円   +341 円 (+12.4%)  11:30現在  東証プライム 上昇率2位
 さくらインターネット<3778>が3日ぶり急反騰。独立系データセンター運営大手だが、自社のデータセンターを基幹としたクラウドサービスなどで収益を積み上げている。ただ、足もとではクラウドサービスの大型案件の剥落で、業績は会社側の計画を大きく下回る状況を強いられており、今週28日に26年3月期の業績予想を下方修正した。最終利益は従来見通しの24億円から2億円(前期比93%減)に大幅減額し、これを受けて同社株は29日に1本値でストップ安配分に売り込まれた。30日も大量の売り注文が残されていたことで大きく下値を探ったが、寄り後早々に商いが成立し2700円前後で目先の底値を確認した形となった。業績下方修正の発表で大量の売り注文に晒されたものの、市場では「その中には貸株市場を通じた仕掛け的な空売りが、かなり含まれていたことが想定される」(ネット証券マーケットアナリスト)という指摘があった。そうしたなか、日証金が30日付で貸株注意喚起を公表しており、きょうはこれが空売り筋の買い戻しを誘発する形で、短期的には踏み上げ相場の色彩を強めている。一方、買い戻し一巡後は上値が重くなる可能性があるため、逆張りで参戦している短期筋も慎重で、3000円台乗せからはやや伸び悩む傾向をみせている。

■ノジマ <7419>  3,520円   +375 円 (+11.9%)  11:30現在  東証プライム 上昇率3位
 ノジマ<7419>は大幅高で上場来高値を更新した。この日朝方、26年3月期連結業績予想について売上高を9000億円から9300億円(前期比9.0%増)へ、営業利益を500億円から560億円(同15.8%増)へ上方修正すると発表した。デジタル家電専門店運営事業、キャリアショップ運営事業の業績が堅調に推移しているため。これを好感した買いを呼び込んでいる。

■京セラ <6971>  1,800円   +155 円 (+9.4%)  11:30現在  東証プライム 上昇率5位
 京セラ<6971>が急騰している。同社は30日の取引終了後、26年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表した。売上高が前年同期比4.2%減の4780億3800万円、最終利益が同0.9%増の371億4300万円となった。最終利益の通期計画(705億円)に対する進捗率は約53%となっており、業績の上振れを期待した買いが優勢になっている。4~6月期は米ドルに対し円高が進行したことにより減収。シリコンダイオード・パワー半導体事業の譲渡契約締結に伴う一時損失約21億円を計上したものの、最終利益はKDDI<9433>株式の売却に伴う税額調整により、税負担が約40億円減ったため増益になった。通期業績予想は据え置き。想定為替レートは1ドル=135円、1ユーロ=150円で変更はない。

■ヤマトホールディングス <9064>  2,104.5円   +158 円 (+8.1%)  11:30現在  東証プライム 上昇率6位
 ヤマトホールディングス<9064>は4日ぶり急反発し、年初来高値を更新した。同社は30日の取引終了後、26年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。売上高が4373億5200万円(前年同期比7.8%増)、営業損益が64億9400万円の赤字(前年同期は142億400万円の赤字)となった。営業赤字幅が縮小したことを評価した買いが膨らんでいる。4~6月期は小口法人・個人の顧客からの宅急便の取扱数量が拡大。大口法人の顧客に対するプライシングの適正化や、法人向けビジネスの拡大など収益構成の変革に向けた取り組みが奏功した。また、輸送領域のオペレーション見直しといったコストコントロールの効果も損失縮小に寄与した。

■Lドリンク <2585>  2,195円   +164 円 (+8.1%)  11:30現在  東証プライム 上昇率7位
 ライフドリンク カンパニー<2585>が大幅続伸となっている。同社は30日取引終了後、中期経営計画を新たに策定したと発表。最終年度となる29年3月期の連結営業利益目標を120億円(25年3月期実績は47億4200万円)としていることが評価されているようだ。29年3月期の連結売上高目標は800億円(同445億3700万円)、生産数量目標は1億2500万箱(同7300万箱)に設定。自社グループ飲料工場の設備更新・改良による生産能力増強や人員増強によるフル生産化に加え、既存工場のライン増設や新工場建設、M&Aによる生産能力獲得を進め、売上高成長とそれを上回る利益成長を目指すとしている。

■南海電気鉄道 <9044>  2,409.5円   +174.5 円 (+7.8%)  11:30現在  東証プライム 上昇率8位
 南海電気鉄道<9044>はマドを開けて急伸した。30日取引終了後、26年3月期連結業績予想について売上高を2667億円から2712億円(前期比4.0%増)へ、営業利益を326億円から366億円(同5.6%増)へ上方修正すると発表。あわせて配当予想を40円から50円(前期40円)へ増額した。また、自社株買いの実施も明らかにしており、好感した買いが集まっている。インバウンドや大阪・関西万博の効果が想定を上回って好調に推移しているため。不動産事業における取得物件の収益寄与や物件売却益の上振れのほか、バス事業で燃料費が想定を下回っていることによる費用減なども見込む。自社株買いについては取得上限が600万株(自己株式を除く発行済み株数の5.29%)、または120億円。期間は7月31日~来年1月30日。このうち、31日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で316万5700株を取得した。

■アステラス製薬 <4503>  1,590.5円   +102.5 円 (+6.9%)  11:30現在  東証プライム 上昇率10位
 アステラス製薬<4503>が急反発した。同社は30日の取引終了後、26年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。売上高は前年同期比6.9%増の5057億9400万円、最終利益は同82.0%増の684億2200万円となった。大幅な最終増益で第1四半期として好調な滑り出しとなったとの受け止めが広がり、買いが集まったようだ。尿路上皮がん治療剤「パドセブ」や加齢黄斑変性治療剤「アイザーヴェイ」、閉経に伴う血管運動神経症状治療剤の「ベオーザ」、前立腺がん治療剤の「イクスタンジ」の販売が伸長した。前期に発売した胃腺がん及び食道胃接合部腺がん治療剤の「ビロイ」も売上高の拡大に貢献。コスト最適化などの効果もあって販管費が減少し、利益を押し上げた。

■フジクラ <5803>  10,395円   +659 円 (+6.8%)  11:30現在
 フジクラ<5803>がプライム市場の売買代金2位となる大商いで続急騰、フシ目の1万円大台に初めて乗せてきた。世界的なデータセンターの建設ラッシュを背景に、光ファイバーや光コネクターなどの光関連製品への需要が高水準に膨らんでおり、関連有力銘柄の筆頭格として買い人気が集中している。また、同社と同様の背景で古河電気工業<5801>も上値指向を加速させており、新値街道をまい進する状況となっている。株式需給面に目を向けると、フジクラと古河電いずれも直近の信用倍率が0.8倍台と売り長で、空売り筋のショートカバーが株価上昇を後押ししている構図となっている。

■電通総研 <4812>  6,780円   +410 円 (+6.4%)  11:30現在
 電通総研<4812>は大幅高で3連騰。同社は30日の取引終了後、25年12月期第2四半期累計(1~6月)の連結決算発表にあわせて、通期業績予想の修正を発表した。売上高を従来予想の1700億円から1680億円(前期比10.1%増)に引き下げた一方、経常利益を230億円から235億円(同11.4%増)に引き上げており、見直し買いを誘ったようだ。売上高は中間期の業績が想定を下回った一方、下期の売上高計画を当初の想定より増額する。生産性の向上による効果を織り込んだほか、経常利益及び最終利益は中間期実績を踏まえ、上方修正した。6月中間期の連結決算は売上高が802億3900万円(前年同期比8.1%増)、経常利益が111億900万円(同8.2%増)だった。人事・会計を中心に企業の経営管理業務の高度化を支援するビジネスソリューション部門や、企業のマーケティング変革および官庁や自治体のデジタル改革を支援するコミュニケーションIT部門が増収増益となり、業績をけん引した。全体の受注高は前年同期比で3.4%増となった。

■日本電気硝子 <5214>  3,971円   +197 円 (+5.2%)  11:30現在
 30日に決算を発表。「今期経常を14%上方修正」が好感された。
 日本電気硝子 <5214> [東証P] が7月30日大引け後(15:30)に決算を発表。25年12月期第2四半期累計(1-6月)の連結経常利益は前年同期比38.2%増の142億円に拡大し、従来予想の110億円を上回って着地。併せて、通期の同利益を従来予想の210億円→240億円(前期は124億円)に14.3%上方修正し、増益率が69.1%増→93.3%増に拡大する見通しとなった。

■日本M&A <2127>  751.8円   +31.4 円 (+4.4%)  11:30現在
 日本M&Aセンターホールディングス<2127>は高い。30日取引終了後に4~6月期連結決算を発表し、売上高は前年同期比18.1%増の90億1800万円、営業利益は同56.6%増の25億900万円だった。成約件数が伸長し、1件当たりM&A売上高が高水準を維持した。新規の商談開始案件数も増加しており、今後着実に成約させていくことを目指す。好決算を評価した買いが入っている。

■日産自動車 <7201>  325.1円   +9 円 (+2.9%)  11:30現在
 日産自動車<7201>が3日ぶりに反発している。同社は30日の取引終了後、26年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表した。売上高は2兆7069億600万円(前年同期比9.7%減)。営業損益は791億2400万円の赤字(前年同期は9億9500万円の黒字)、最終損益は1157億5800万円の赤字(同285億6200万円の黒字)に転落した。ただ、もともと同社は4~6月期は2000億円の営業赤字を見込むと発表していたため、計画に対して赤字幅が縮小して着地したことから、買い戻しを誘ったようだ。日産自グループの世界全体の小売台数は70万7000台(前年同期比10.1%減)となり減収につながった。損益は為替変動と米国関税の影響を受けて悪化。更に固定資産に関する減損損失406億6100万円を計上した。あわせて日産自は中間期の売上高及び営業損益予想を開示。売上高は5兆5000億円(前年同期比8.1%減)、営業損益は1800億円の赤字(前年同期は329億800万円の黒字)と見込む。第2四半期の想定為替レートは1ドル=145円、1ユーロ=159円に設定。売上高のみ公表していた通期業績予想に変更はない。

■ストライク <6196>  3,950円   +95 円 (+2.5%)  11:30現在
 ストライク<6196>が底堅い。同社は30日の取引終了後、25年9月期第3四半期(24年10月~25年6月)の単独決算を発表した。売上高が前年同期比8.8%増の144億4100万円、営業利益が同17.6%減の41億1000万円、最終利益が同13.8%減の28億5300万円だった。営業利益の通期業績予想(84億700万円)に対する進捗率は48.9%にとどまった。減益決算となったことを嫌気した売りが先行したものの、25日移動平均線を割り込むと押し目待ちの買いが優勢となり、切り返した。ストライクはM&A仲介を展開。24年10月~25年6月期は成約組数及び単価が上昇したものの売上高は会社側の当初の計画を下回ったという。加えて、人件費など営業費用が増加し利益を圧迫した。なお、業績予想は据え置いている。

■オルツ <260A>  24円   -30 円 (-55.6%) ストップ安   11:30現在
 オルツ<260A>はストップ安。東京証券取引所は30日、オルツの上場廃止を決定したと発表した。理由は「新規上場申請に係る宣誓書において宣誓した事項について重大な違反を行った場合に該当するため」。7月30日から8月30日まで整理銘柄に指定した後、8月31日付で上場廃止とする。これを受けて処分売りがかさんでいる。同社を巡っては4月に売上高を過大計上していた可能性があると発表し、第三者委員会を設置して調査を実施。7月28日に調査報告書を開示し、21年12月期から24年12月期までの売上高の大半(約8~9割)が過大計上だったとする不適切な会計を行っていたことが明らかとなった。オルツは30日取引終了後、東京地方裁判所に民事再生手続きの申し立てを行い、受理されたと発表した。不適切会計問題を巡り、事業価値の毀損が進むとともに財務状態の悪化が深刻となる恐れがあり、自力再建が困難な状態に陥ったという。負債総額は約24億円。

●ストップ高銘柄
 FLネット <9241>  3,275円   +500 円 (+18.0%) ストップ高買い気配   11:30現在
 など、2銘柄

●ストップ安銘柄
 WT銅 <1693>  5,896円   -1,500 円 (-20.3%) ストップ安   11:30現在
 など、2銘柄

株探ニュース

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