話題株ピックアップ【夕刊】(1):住友ファーマ、SCSK、古河電
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■住友ファーマ <4506> 1,322円 +185 円 (+16.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率トップ 住友ファーマ<4506>が急騰、今月に入ってから波状的な買いが続き一貫した下値切り上げ波動を形成していたが、きょうはマドを開けての大陽線を示現し2022年1月以来約4年半ぶりの高値圏に浮上した。住友化学<4005>傘下の医薬品準大手で、精神神経領域で強みを発揮するほか、再生医療分野の研究開発でも実績が高い。海外売上高比率が8割近くに達し、国際的にも注目度が高いが、再生細胞医療のテーマは世界的にも次世代医療の中枢を担う技術として認識され、同社の存在感は大きい。今月に入ってから株価の上昇トレンドはもとより、寄り後タイムラグをおいて買いが入ってくるケースが多く日足陽線が目立っていた。市場関係者によると「海外機関投資家とみられる実需の買いが観測されるなか、きょうはJPモルガン証券から基幹3製品の収益貢献期待を理由に、やや証文の出し遅れ的な投資判断及び目標株価の引き上げ(従来の600円から1600円)が開示され、これを受けて買い人気が加速した格好となった」(中堅証券ストラテジスト)としている。 ■エクセディ <7278> 4,810円 +490 円 (+11.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位 エクセディ<7278>が急反騰。29日取引終了後に発表した26年3月期第1四半期(25年4~6月)決算は営業利益が前年同期比20%増の49億1300万円となった一方、最終利益は為替差損の影響などで同23%減の27億1900万円と大幅減益となった。ただ、株主還元に極めて前向きに取り組んでおり、今期年間配当を従来計画に50円上乗せし300円とすることを発表した。配当利回りは前日終値換算で7%近くに達しており、これをポジティブ視した買いが集中する格好となった。 ■SCSK <9719> 4,750円 +399 円 (+9.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率4位 SCSK<9719>は大幅続伸し、上場来高値を更新した。同社は29日の取引終了後、26年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表した。売上高が前年同期比44.8%増の1774億7400万円、営業利益が同55.7%増の201億1100万円、最終利益が同45.5%増の134億1600万円となった。業績を評価した買いが入った。4~6月期は顧客企業のIT投資需要の拡大からシステム開発、保守運用・サービス、システム販売の全ての売り上げが伸長。TOB(株式公開買い付け)により子会社化したネットワンシステムズの連結加算も増収につながった。利益面は増収効果のほか、システム開発の利益率の向上とBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)ビジネス及びグループの知財や業務ノウハウをパッケージ化して提供するPROACTIVEビジネスの業績改善が貢献した。 ■Genky <9267> 4,430円 +320 円 (+7.8%) 本日終値 東証プライム 上昇率6位 Genky DrugStores<9267>は急騰し、上場来高値を更新した。同社は29日の取引終了後、25年6月期の連結決算発表にあわせ、26年6月期の売上高が前期比10.5%増の2218億4000万円、営業利益が同8.7%増の105億円、最終利益が同6.1%増の75億円となる見通しを示した。前期の過去最高の売上高及び各利益を上回る計画を示したことを受け、投資資金が流入した。Genkyは7月現在でドラッグストアのうち、ローコスト店舗となる「レギュラー店」を441店舗、大型店を39店舗、計480店舗を展開する。今期は大型店3店舗を閉店する一方、66店舗の新規出店に加え、大型店からレギュラー店への改装を7店舗で実施する予定だ。あわせて発表した7月(20日締め)の既存店売上高も前年同月比9.0%増と好調なスタートだった。なお、25年6月期の連結決算は売上高が前の期比8.6%増の2007億8600万円、営業利益が同7.1%増の96億5800万円、最終利益が同11.7%増の70億6600万円だった。 ■古河電気工業 <5801> 8,694円 +556 円 (+6.8%) 本日終値 東証プライム 上昇率9位 古河電気工業<5801>が急騰、一時930円高と目を見張る上昇で一気に9000円台まで上値を伸ばし、約半年ぶりに株式併合後の最高値を更新した。同社はデータセンター向け光ファイバーで世界屈指の商品競争力を有しており、世界的なAIデータセンターの増設需要を背景に、同社の商機が今後中期的に高まるとの見方が買いを引き寄せている。前日の米国株市場では光ファイバーを手掛けるコーニングが約12%高と値を飛ばしており、この物色の流れが東京市場に波及している面もあるようだ。市場では「同じデータセンター関連でも、先端半導体に絡む企業はGAFAMが自社開発を摸索する状況で競合が警戒されているが、インフラの要である光ファイバーや光デバイスメーカーにはそれがない点で買い安心感がある。米国による中国への締め付けで相対的に日本の電線メーカーの優位性が高まっている面もある」(ネット証券アナリスト)という指摘が出ている。なお、きょうはフジクラ<5803>も大幅高で連日の上場来高値更新、SWCC<5805>も前週24日以来約1週間ぶりに新値街道に復帰した。 ■ツガミ <6101> 2,092円 +133 円 (+6.8%) 本日終値 東証プライム 上昇率10位 ツガミ<6101>は大幅高。約4カ月ぶりに年初来高値を更新した。この日午後1時ごろに4~6月期連結決算を発表し、売上高は前年同期比23.5%増の317億8700万円、営業利益は同49.9%増の86億7800万円だった。主力の中国市場が好調で全体を牽引した。通期で減収減益を見込んでいるだけにサプライズと受け止められ、投資資金の攻勢を誘っている。 ■富士紡ホールディングス <3104> 5,970円 +370 円 (+6.6%) 本日終値 富士紡ホールディングス<3104>が後場に急伸し、1996年以来の高値圏に浮上した。30日午前11時30分、26年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。売上高は前年同期比8.4%増の112億5300万円、最終利益は同37.6%増の14億8200万円となった。最終利益の通期計画に対する進捗率は約32%に上り、好感されたようだ。生成AIの普及により、広帯域メモリー(HBM)や最先端ロジック向け半導体の需要が増加し、半導体デバイス用途での超精密加工用研磨材の受注が拡大。ハードディスク用途ではデータセンター向けの需要回復が寄与し、収益に貢献した。化学工業品事業も堅調に推移した。 ■東リ <7971> 540円 +33 円 (+6.5%) 本日終値 東リ<7971>が後場終盤になって急伸。午後2時ごろ、26年3月期の連結業績予想について、売上高を1080億円から1090億円(前期比3.1%増)へ、営業利益を40億円から44億円(同0.5%増)へ、純利益を31億円から33億5000万円(同4.5%減)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を17円から19円(年29円)へ引き上げたことが好感された。足もとでビニル系床材や壁装材を中心に販売数量が好調に推移していることが要因。また、製造原価の低減や増収効果に加えて、一部製品の販売価格改定効果なども寄与する。なお、同時に発表した第1四半期(4~6月)決算は、売上高250億5600万円(前年同期比10.5%増)、営業利益4億1800万円(同13.0%減)、純利益3億7900万円(同4.9%減)だった。 ■NEC <6701> 4,340円 +250 円 (+6.1%) 本日終値 NEC<6701>が急伸。29日取引終了後に発表した26年3月期第1四半期(25年4~6月)決算は最終損益が193億1000万円(前年同期は58億3600万円の赤字)と黒字転換を果たした。事前コンセンサスを大きく上回る好決算で、これを評価する買いを引き寄せている。国内でITサービス事業が収益押し上げに貢献しており、前年同期に計上していた減損損失の反動も反映される形となった。4~6月期としては4年ぶりの黒字転換となったことで株価にサプライズ効果を与えている。 ■キヤノン <7751> 4,289円 +202 円 (+4.9%) 本日終値 キヤノン<7751>が29日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表した。上限を3200万株(自己株式を除く発行済み株数の3.55%)、または1000億円としており、取得期間は7月30日から来年1月30日まで。立ち合い取引市場における買い付けのほか、東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNet-3)による買い付けにより取得する。なお、同社の自社株買いは今期3回目となる。 株探ニュース