話題株ピックアップ【夕刊】(3):杉本商、ヤクルト、トーメンデバ
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■杉本商事 <9932> 1,730円 -129 円 (-6.9%) 本日終値 東証プライム 下落率4位 杉本商事<9932>は大幅安で3日続落。機械・工具商社の同社は29日午前11時、26年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。売上高が前年同期比1.8%増の111億7000万円、最終利益が同26.8%減の2億3000万円となった。最終利益の通期計画に対する進捗率は約12%にとどまり、低調な業況を嫌気した売りが膨らんだ。米国の関税措置の動向に対する警戒感が広がり、国内各地域で設備投資の遅延や停滞が起き、収益の悪化につながった。 ■ヤクルト本社 <2267> 2,400円 -176 円 (-6.8%) 本日終値 東証プライム 下落率5位 ヤクルト本社<2267>が後場急落。午後2時20分ごろ、26年3月期連結業績予想について、売上高を5060億円から4950億円(前期比0.9%減)へ、営業利益を585億円から535億円(同3.4%減)へ、純利益を490億円から455億円(同0.1%減)へ下方修正し、増益予想から一転して減益予想としたことが嫌気された。国内の飲料及び食品製造販売において、物価高による購買意欲低下の影響などから「ヤクルト1000シリーズ」をはじめとする乳製品の販売が従来予想を下回る見通しであることが要因。また、海外の飲料及び食品製造販売において、為替レートが想定よりも円高となっていることも響くという。なお、同時に発表した第1四半期(4~6月)決算は、売上高1165億8600万円(前年同期比4.9%減)、営業利益109億600万円(同32.2%減)、純利益115億9700万円(同17.7%減)だった。 ■トーメンデバイス <2737> 5,810円 -370 円 (-6.0%) 本日終値 東証プライム 下落率7位 トーメンデバイス<2737>が後場一段安。同社はきょう午後1時ごろ、26年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比44.0%減の18億4600万円となり、通期計画の88億円に対する進捗率は21.0%となった。売上高は同0.5%減の1023億8600万円で着地。車載ビジネス及び中国スマートフォン向け高精細カメラ用CIS(CMOSイメージセンサー)、国内SiP(システム・イン・パッケージ)ビジネスの売り上げが増加したものの、為替相場が前年に比べて円高で推移したことが影響した。なお、通期業績予想については従来計画を据え置いている。 ■コーテクHD <3635> 2,001.5円 -41 円 (-2.0%) 本日終値 コーエーテクモホールディングス<3635>が3日続落。28日の取引終了後に発表した第1四半期(4~6月)連結決算が、売上高148億円(前年同期比15.9%減)、営業利益35億7400万円(同37.5%減)、純利益60億7200万円(同55.5%減)と大幅な減収減益となったことが嫌気された。期中にパッケージゲームで1タイトルを発売し、スマートフォンではIPを許諾した2タイトルが運営を開始した。ただ、リピート販売と既存の運営タイトルが中心であり新規タイトルの寄与が限定的であったことや、積極的な採用、ベースアップなどで人件費が増加したことなどが利益を圧迫し、減収減益を余儀なくされた。減収減益となったものの、会社側では営業利益は保守的に見込んでいた社内計画を上振れたとコメントしている。また、下期に新作が集中することもあって、26年3月期通期業績予想は売上高920億円(前期比10.6%増)、営業利益310億円(同3.5%減)、純利益270億円(同28.2%減)の従来見通しを据え置いている。 ■日本調剤 <3341> 3,355円 -25 円 (-0.7%) 本日終値 日本調剤<3341>が軟調。29日付の日本経済新聞朝刊が「東証プライム上場で調剤薬局2位の日本調剤は株式を非公開化する」と報じた。投資ファンドのアドバンテッジパートナーズ(東京都港区)が買収する方向で最終調整に入ったとし、買収総額は1000億円超としている。報道を受け、日本調剤はコメントを開示。「報道内容は概ね事実」とする一方、「買収総額を含め現時点で当社として決定している事実はない」としている。同社の時価総額は足もとで1000億円を上回っていることもあって、報道を手掛かりとして買い向かう姿勢は限られている。 ■情報戦略テクノロジー <155A> 669円 +100 円 (+17.6%) ストップ高 本日終値 情報戦略テクノロジー<155A>がストップ高。午前9時ごろ、サイバーセキュリティーサービスの提供を開始したと発表しており、好材料視された。5月に発表したサイバーコマンド(大阪市北区)との業務提携の取り組みの一つとして行うもので、セキュリティートレーニングやセキュリティーコンサルティング、脆弱性診断・ペネトレーションテスト(侵入テスト)、セキュア開発などを提供。既に、業界最大手企業の共通認証認可基盤の構築プロジェクトに関して相談を受けているという。 ■アルメディオ <7859> 265円 +36 円 (+15.7%) 本日終値 アルメディオ<7859>が後場急上昇。午後2時ごろ、出願していた「カーボンナノファイバー含有組成物及び該カーボンナノファイバー含有組成物を含有する成型体」に関する特許を取得したと発表したことが好感された。同技術は、同社のカーボンナノファイバー(CNF)がベース材料に含有された組成物、及びCNF含有組成物を用いた成型体または塗料に関するもので、今回との特許取得により、幅広い分野への適用が期待できるという。なお、26年3月期業績に与える影響は軽微としている。 ■ウェリタス <130A> 749円 +100 円 (+15.4%) ストップ高 本日終値 Veritas In Silico<130A>がストップ高。28日の取引終了後、米国で出願手続きを進めていた「RNAの機能を制御する化合物のスクリーニング方法」について、USPTO(米国特許商標庁)から特許査定を受領し、米国内での特許権が成立することになったと発表したことを好感した買いが流入した。同技術は、同社独自の創薬プラットフォーム「ibVIS」に関するもので、既に日本、欧州で特許権が成立している。今回の米国での特許権成立により、主要各国で「ibVIS」の技術が権利化され、同社の独占使用が国際的に保証されたことになり、共同創薬研究のグローバル化に弾みがつくことが期待されている。なお、同件による業績への直接的な影響は想定していないという。 ■トランスGG <2342> 215円 +18 円 (+9.1%) 本日終値 トランスジェニックグループ<2342>が大幅続伸。28日の取引終了後、子会社トランスジェニックが、日本クレア(東京都目黒区)及び実中研(川崎市川崎区)と「rasH2マウスを用いた経皮投与による短期全身発がん性試験モデルの確立」を目的とした共同研究契約を締結したと発表しており、好材料視された。rasH2マウスとは、実中研で開発されたヒト由来のがん関連遺伝子であるHRAS(c-Ha-ras)を組み込んだトランスジェニックマウスのこと。発がん性の有無を評価できることから医薬品や化学物質の発がん性試験に広く使われており、今回行われる共同研究では、rasH2マウスを活用した評価モデルのなかでの新たな投与経路を対象とし、特に皮膚接触が想定される製品・成分に対して、より現実的かつ科学的な評価手法の構築を目指す。なお、同件による26年3月期業績への影響はないとしている。 ■南海辰村建設 <1850> 363円 +28 円 (+8.4%) 本日終値 南海辰村建設<1850>が後場に急伸。フシ目の400円にタッチし、2019年7月以来、6年ぶりの高値圏で推移している。同社は29日午後2時、26年3月期第1四半期(4~6月期)の連結決算を発表。売上高は前年同期比8.3%増の114億1600万円、経常利益は同77.0%増の6億500万円となった。中間期の計画に対し、経常利益の進捗率は約81%とあって、業績の上振れを期待した買いが集まったようだ。追加工事の獲得や手持ち工事の順調な進捗が寄与した。受注高は前年同期比26.8%増の113億5500万円となった。 ●ストップ高銘柄 unbanked <8746> 510円 +80 円 (+18.6%) ストップ高 本日終値 マツモト <7901> 1,084円 +150 円 (+16.1%) ストップ高 本日終値 など、6銘柄 ●ストップ安銘柄 など、1銘柄 株探ニュース