【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 米国家戦略の"大号令"で熱を帯びるAI関連!

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コラム

「米国家戦略の“大号令”で熱を帯びるAI関連!」

●AI覇権の死守を鮮明にしたトランプ政権

 ホワイトハウスがあるワシントンの気温はどのくらいなのか。日本列島は連日30度を超え、 熱中症を恐れる日々が続き、思考力、行動力ともに急低下中だ。ところが、トランプ米大統領は元気一杯の様子。日本との貿易協議に決着をつけたかと思うと、重要案件を次々とこなしている。まったく疲れを知らないどころか、パワー全開なのだから驚く。

 ごく最近下したのが、「AI(人工知能)行動計画」。トランプ大統領はAI覇権を競う中国を念頭に「AIで世界をリードするためにあらゆる手を尽くす」と宣言。規制緩和や許認可の迅速化による技術革新の促進、データセンターへのエネルギー供給拡大などインフラ構築の支援、AIの安全保障への活用や友好国への技術輸出拡大などを掲げ、米国のAI開発を強化するために23日、3本の大統領令に署名した。

 最近では「チャットGPT」の急速な普及に代表されるように、AIが身近に迫っている感があり、私も家族にその活用を強く勧めているのだが、自分は……となると正直イマイチだ。しかし、投資の観点からは、トランプ大統領の「AI行動計画」は無視できない。日本も当然、本腰を入れてそれに追随、もしくは伴走しなければならないからだ。でなければ、世界に大きく遅れをとることは明らかだ。

●注目すべきはデータセンター開設関連に

 ただ、AIといっても幅広い。どの分野に目を向ければいいのか。答えは……最もわかりやすい分野。 データセンターの開設関連だろう。データセンターはすでに全国各地に設置されつつあり、一部地域では開設に反対する運動も起きたりしている。しかし、その必要性は高まるばかりだ。将来的には都道府県単位ではなく、市町村単位で設置が必要になることだろう。しかも、開設関連は電力、施設建設、電気工事、電線、冷却装置……と裾野が幅広い。

 そこで、投資対象となるのは、関西電力関連の電気工事に強いきんでん <1944> [東証P]、東京電力系では関電工 <1942> [東証P]になる。電線メーカー系では住友電設 <1949> [東証P]があり、もちろん親会社の住友電気工業 <5802> [東証P]も引き続き上昇トレンドをキープすると見てよい。

  電力そのものの供給では東京電力ホールディングス <9501> [東証P]はもちろん、北海道電力 <9509> [東証P]、東北電力 <9506> [東証P]なども電力消費の急増が見込めるため、株も見逃せない。

  電線では、業界首位の住友電工だけでなく、フジクラ <5803> [東証P]、古河電気工業 <5801> [東証P]も有望度が高い。ただ、フジクラは値動きの早さは魅力的ながら、それが逆にマイナスでもあるので、腕に自信がない場合は住友電工や古河電工の方が安全度は高いだろう。

 冷却装置ではニデック <6594> [東証P]になる。同社は精密小型モーターで世界首位だが、データセンター向け冷却装置の開発に数年前から注力し、収益の柱に育てつつある。トランプ大統領の「AI行動計画」の大号令が、それを加速させる。

2025年7月25日 記

株探ニュース

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