話題株ピックアップ【夕刊】(1):ヘリオス、ABEJA、JCRファ
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■ヘリオス <4593> 610円 +100 円 (+19.6%) ストップ高 本日終値 ヘリオス<4593>が後場に上げ幅を急拡大した。16日正午、同社が申請した再生医療等製品の開発製造受託事業(CDMO事業)が、経済産業省の24年度補正予算「再生・細胞医療・遺伝子治療製造設備投資支援事業費補助金」の新技術導入促進枠として採択されたと発表。これを材料視した買いが入ったようだ。ヘリオスは約70億円の助成を受けてCDMO事業を本格的に始める。関連する経費や補助金収入については、主に研究開発費やその他収益として計上する予定。補助金の対象となる設備投資などは今期中に開始する計画で、業績に与える影響については判明し次第、公表するとした。 ■ABEJA <5574> 4,140円 +640 円 (+18.3%) 一時ストップ高 本日終値 ABEJA<5574>が一時ストップ高まで買われ、年初来高値を更新した。同社は15日の取引終了後、25年8月期単独業績予想の上方修正を発表。売上高は34億5000万円から35億8000万円(前期比29.4%増)へ、営業利益は3億7000万円から4億4000万円(同51.5%増)へ、最終利益は3億5900万円から3億9100万円(同78.8%増)へ引き上げた。これを好感した買いが集中した。生成AIの大規模言語モデル(LLM)関連が売り上げの牽引役になり、第3四半期(3~5月)が計画を上振れたことに加えて、第4四半期(6~8月)も同様の上振れが見込まれている。第3四半期累計(24年9月~25年5月)は売上高が26億9300万円(前年同期比31.7%増)、営業利益が3億9900万円(同2.1倍)、最終利益が3億5300万円(同2.3倍)だった。ABEJAはあわせて新エネルギー・産業技術総合開発機構が公募した「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/競争力ある生成AI基盤モデル(GENIAC)」で、同社が提案した「ロングコンテキスト対応基盤モデルとAIエージェント構築に関する研究開発」が採択を受けたと発表した。同事業は第3期事業に当たるが、ABEJAは第1期事業と第2期事業にも取り組んでおり、これまで得た知見を生かし、精度及び利便性が高いLLMとそれに基づくAIエージェントの構築に取り組む。なお、今期の業績に与える影響は軽微であるとした。 ■JCRファーマ <4552> 686円 +83 円 (+13.8%) 一時ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ JCRファーマ<4552>は急騰。15日の取引終了後、同社の血液脳関門通過技術である「J-Brain Cargo技術」に関し、アルツハイマー病治療薬の開発を目指して、米国のアキュメン・ファーマシューティカルズとライセンスのオプション契約を締結したと発表。これをポジティブ視した買いが集まったようだ。アルツハイマー病の病理学的要因であるアミロイドベータオリゴマーを標的とする治療薬の開発に向けて、同技術を活用する。JCRファはアキュメン社から契約一時金を受領するほか、アキュメン社によるオプション権行使後には、開発マイルストーンフィーとして最大4000万ドル、販売マイルストーンフィーとして最大5億1500万ドル、合計で最大5億5500万ドルを受け取る見通し。販売後は正味売上高に応じた段階的ロイヤルティーを受領する権利を持つ。 ■Lドリンク <2585> 2,185円 +248 円 (+12.8%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位 ライフドリンク カンパニー<2585>は6日ぶりに急反発。大和証券は15日、同社株の投資判断を「2(アウトパフォーム)」から「1(買い)」に引き上げた。目標株価は1800円から2600円に見直した。25年3月期実績は想定を下回ったが、26年3月期の会社計画は営業利益が前期比37.1%増の65億円と大幅増益ガイダンスとなった。同証券では今3月期の同利益は同水準の65億円、27年3月期は77億円を予想。御殿場工場のフル稼働や複数のM&Aなどが寄与し、2ケタ増益と最高益更新が続くとみている。中期的な利益成長を織り込む形で24年12月の終値ベース最高値(2527円)更新へ株価評価は高まってくると見込んでいる。 ■東宝 <9602> 9,191円 +904 円 (+10.9%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位 東宝<9602>が急反発し年初来高値を更新した。15日の取引終了後、26年2月期の連結業績予想について、純利益を375億円から435億円(前期比0.3%増)へ上方修正したことが好感された。上場有価証券2銘柄を売却したことに伴い、投資有価証券売却益89億円を特別利益として計上することなどが要因という。なお、売上高3000億円(同4.2%減)、営業利益570億円(同11.9%減)の従来見通しを据え置いている。同時に発表した第1四半期(3~5月)決算は、売上高848億7800万円(前年同期比1.3%減)、営業利益193億3900万円(同21.3%減)、純利益115億6500万円(同28.4%減)だった。TOHO animation作品の国内外の配信権利用などが好調に推移したものの、前年同期に「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」「変な家」の高稼働に加え、「ゴジラ-1.0」の配信権収入を計上したことなどの反動があり、減収減益を余儀なくされた。 ■クオリプス <4894> 6,210円 +270 円 (+4.6%) 本日終値 クオリプス<4894>が大幅高。正午ごろ、経済産業省の24年度補正「再生・細胞医療・遺伝子治療製造設備支援事業費補助金(再生CDMO補助金)」に採択されたと発表しており、好材料視された。同事業は、再生・細胞医療・遺伝子治療製品を円滑に製造できる能力を国内に確保し、日本の創薬力の強化及び再生・細胞医療・遺伝子治療製品の受託製造業を輸出産業とすることを目的とした事業。同社は、細胞の大量培養を目的とした新しい技術の開発を行っていることから、「新技術導入促進枠」として採択されたという。なお、26年3月期業績への影響は軽微としている。 ■テクノフレックス <3449> 1,411円 +45 円 (+3.3%) 本日終値 テクノフレックス<3449>が3日ぶりに反発。15日の取引終了後、25年12月期の連結業績予想について、売上高を235億円から237億円(前期比7.5%増)へ、営業利益を28億円から29億円(同32.1%増)へ、純利益を24億円から25億円(同90.4%増)へ上方修正したことが好感された。上期において、半導体関連事業を中心に業績が計画を上回ったことが要因としている。 ■京阪神ビルディング <8818> 1,546円 +48 円 (+3.2%) 本日終値 京阪神ビルディング<8818>が反発。15日の取引終了後に関東財務局に提出された変更報告書で、投資会社であるストラテジックキャピタル(東京都渋谷区)の保有割合が5.97%から7.14%に上昇したことが判明しており、これを受けて需給思惑的な買いが入ったようだ。なお、保有目的は純投資及び状況に応じて重要提案行為などを行うこととしており、報告義務発生日は7月8日となっている。 ■三菱化工機 <6331> 2,047円 +57 円 (+2.9%) 本日終値 三菱化工機<6331>が高い。同社はきょう、ちとせグループ(川崎市高津区、統括会社はシンガポールのちとせバイオエボリューション)がマレーシアのサラワク州に建設した世界最大規模の微細藻類生産施設向けに抽出設備一式を受注したと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。ちとせグループは、太陽光をエネルギー源とする藻類産業の構築をはじめ、バイオを基点とする社会の実現に向けた産業横断型の連携プロジェクト「MATSURI(まつり)」を主宰。同社は22年5月にちとせグループとパートナー契約を締結し、「MATSURI」プロジェクトに参画している。 ■スクエニHD <9684> 9,960円 +246 円 (+2.5%) 本日終値 スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>が3日ぶりに反発。シンガポールに拠点を置く3Dインベストメント・パートナーズがスクエニHDの株式を買い増していたことが15日の取引終了後に明らかとなった。同日に提出された変更報告書によると、3Dインベストメント・パートナーズの保有割合は11.93%から13.12%に上昇した。保有目的は「純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為を行うこと」としている。報告義務発生日は8日。 株探ニュース