日本最大株主のGPIFが24年度末の保有株一覧(1801社)を公表、運用資産は60.8兆円
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世界最大級の年金基金とされる、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は7月4日に2024年度の資産運用状況を発表した。運用収益は1兆7334億円のプラスと前年度の45兆4153億円のプラスから大幅に縮小した。プラスは5年連続。運用資産全体の収益率は0.71%となり、運用資産は249兆7821億円と前年の245兆9815億円からわずかな伸びにとどまった。その資産構成(オルタナティブ資産を含むベース)は国内株式が61兆6186億円、国内債券が71兆1500億円、外国株式が61兆9188億円、外国債券が62兆7302億円となっている。 資産別の運用収益では国内株式が8200億円のマイナス、国内債券は2兆8426億円のマイナスと国内は振るわなかった。国内株式は前年度の上昇相場から高値圏でのレンジ相場に移行したことが苦戦につながったようだ。国内債券は国内金利が上昇(債券価格は下落)したことが響いた。一方で外国株式の収益は4兆3103億円のプラス、外国債券が1兆0857億円のプラスと外国資産は健闘した。 国内株式では、上場企業の株式を直接保有する運用資産が60兆8268億円(25年3月末時点)と前年からわずかに減少したものの、日本全体の株式時価総額947兆円(同)に対して6.42%を保有するGPIFは日本市場における最大の株主である。また、保有銘柄は1801社にのぼる。保有時価総額ベースではトップは前年に続きトヨタ自動車 <7203> [東証P]、2位はソニーグループ <6758> [東証P]で前年3位から順位を上げ、3位には前年2位の三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]が入った。持株比率ベースではトップがすかいらーくホールディングス <3197> [東証P]、2位はミスミグループ本社 <9962> [東証P]、3位はテクノプロ・ホールディングス <6028> [東証P]となっている。 前年度からの変化を見ると、保有銘柄数は2253から1801と452銘柄も大きく減っている。新規に東京地下鉄 <9023> [東証P]、キオクシアホールディングス <285A> [東証P]、リガク・ホールディングス <268A> [東証P]など36銘柄を取得した。一方、日経平均株価が2024年3月に史上初めて4万円台に乗せその後も史上最高値圏で推移する中、利益確定売りなどにより488銘柄と多くの銘柄を売却しポートフォリオから外したようだ。また、持株比率が3%以上増えた銘柄はライフドリンク カンパニー <2585> [東証P] 、ヤマエグループホールディングス <7130> [東証P]、ヨコオ <6800> [東証P]の3銘柄だった一方、3%以上減った銘柄はTOBに伴い上場廃止となった新光電気工業 <6967> [東証P]など4銘柄だった。 なお、GPIFは保有株を信託銀行などに信託しているため、有価証券報告書の「大株主の状況」には登場しない。 →【日本の最大株主】GPIF、24年度保有株【時価総額:60.8兆円】の銘柄一覧(1801社)をみる 株探ニュース