ドル円、一時146円台後半まで上昇も終盤に伸び悩む=NY為替概況
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ドル円、一時146円台後半まで上昇も終盤に伸び悩む=NY為替概況 きょうのNY為替市場、本日も為替市場はドル高が優勢となる中、ドル円は一時146円台後半まで買い戻されたものの、終盤に伸び悩んだ。ウォラーFRB理事が7月利下げの可能性に再言及していたこともドルを圧迫していた。 関税については、トランプ大統領からの発表が続いているが、関税が貿易相手に広範囲に適用されれば、他国以上に米国への影響が大きいと見られている。関税政策のほか、FRBの独立性を巡る不確実性、財政不安、米国資産からの分散などが、ドル安要因として挙げられ、中長期的なドル安を見込む声は多い。 しかし、関税とインフレ期待、目先のFRBの動向から考えれば、短期的にはドル高との見解も少なくない。そのような中、アナリストからは、方向感のない展開がしばらく続く可能性があるとの指摘も出ている。 ドル円は100日線が145円台後半に来ており、その水準が目先の下値サポートとして意識される。テクニカル的には底打ちの兆候が出ているものの、上値に慎重な雰囲気に変化はない。6月高値の148円ちょうど付近が次の上値抵抗として意識されており、これを上抜ければ200日線に向けた上昇余地が広がる。 ユーロドルは1.16ドル台に下落。ストップを巻き込んで一時1.1665ドル付近まで下落する場面も見られた。本日は1.1650ドル付近に21日線が来ており、その水準を維持できるか、さらには1.17ドル台を早期に回復できるかが目先の注目となりそうだ。 アナリストは、金利差がユーロドルの下値を支える主要因になっていると指摘。市場は年末までにFRBが2回か3回の利下げを予想しているのに対して、ECBについては1回の利下げのみを織り込んでおり、それで昨年からの利下げサイクルは終了と見られている。これらの見方に変更があれば、ユーロドルは大きく調整される可能性はあるが、その可能性は低いと見ているようだ。 ポンドドルも序盤は戻り売りが優勢となり、一時1.3535ドル付近まで下落。21日線を下回る展開が見られている。明日は5月分の英月次GDPが発表になるが、前回の前月比マイナス成長から今回は0.1%の小幅なプラス成長が見込まれているようだ。 アナリストは、ポンドは英経済が直面しているリスクに対して一定の耐性を示していると述べている。前日にスターマー首相は議会で、野党党首から追及された際に富裕税の導入を明確に否定しなかったが、それでもポンドは売られなかった。これは、首相が先週福祉改革の方針転換を受けてリーブス財務相の続投を即座に保証しなかった時とは対照的だという。 とは言え、政府が直面している経済的課題、そしてひいては経済全体の困難な状況には変わりはなく、依然としてポンドには厳しい背景が続いているとも指摘した。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美