話題株ピックアップ【夕刊】(1):JCRファ、パルHD、吉野家HD
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■JCRファーマ <4552> 598円 +80 円 (+15.4%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位 JCRファーマ<4552>が続騰した。同社は8日の取引終了後、英製薬大手アストラゼネカグループのアレクシオン・アストラゼネカ・レアディジーズ社とライセンス契約を結んだと発表。これをポジティブ視した買いが入ったようだ。新規遺伝子治療用製品の開発を目的としたJUST―AAVカプシドに関するライセンス契約で、JCRファはアレクシオン社から契約一時金を受領するほか、研究開発に関するマイルストーンフィーとして最大2億2500万ドル、販売に関するマイルストーンフィーとして最大6億ドルを受け取る権利と、販売後の段階的ロイヤルティーを受け取る権利を持つ。 ■パルHD <2726> 4,080円 +475 円 (+13.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位 パルグループホールディングス<2726>が急反騰。8日の取引終了後に発表した第1四半期(3~5月)連結決算が、売上高587億2700万円(前年同期比14.2%増)、営業利益78億5400万円(同24.6%増)、純利益52億3400万円(同24.7%増)と大幅増益となったことが好感された。51店舗の新規出店(退店は10店舗)と店舗の大型化が奏功したほか、EC売り上げが好調を維持した。また、持ち分法適用関連会社であったノーリーズを連結化したことも寄与した。増収効果に加えて、雑貨事業で300円超の商品を積極的に投入したことで売上総利益率が改善し、前期下期から取り組んでいる共同配送の効果も顕在化した。なお、26年2月期通期業績予想は、売上高2310億円(前期比11.2%増)、営業利益264億円(同11.6%増)、純利益168億5000万円(同42.2%増)の従来見通しを据え置いている。同時に、8月31日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表しており、これも好材料視された。投資単位当たりの金額を引き下げることで、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図る。 ■ソラコム <147A> 885円 +83 円 (+10.4%) 本日終値 ソラコム<147A>が後場に一段高となった。同社は9日、米オープンAIが提供する「OpenAI API プラットフォーム」のエンタープライズ契約を締結したと発表。これが材料視され、投資資金の流入を誘発した。今回の新たな取り組みによりソラコムは生成AIを組み込んだサービスやプロダクトの開発を加速しつつ、より安定的なプラットフォームの提供、安心して利用できる環境の構築を進める。あわせて同社は、IoTデータ分析基盤の「SORACOM Query」の提供を正式に始めることなども発表している。 ■吉野家ホールディングス <9861> 3,261円 +198 円 (+6.5%) 本日終値 東証プライム 上昇率9位 吉野家ホールディングス<9861>が大幅高で3日ぶりに反発。8日の取引終了後に発表した第1四半期(3~5月)連結決算が、売上高522億1800万円(前年同期比9.8%増)、営業利益10億5600万円(同20.0%増)、純利益7億4200万円(同9.0%増)と営業利益が2割増となったことが好感された。「吉野家」で11店舗の新規出店(閉店は9店舗)を行ったほか、「吉野家」「はなまる」ともに既存店売上高が伸長。また4月の価格改定効果や、前期にM&Aでグループ入りしたラーメン事業の宝産業、キラメキノ未来による純増もあって売上高が伸長した。一方で、コメなど原材料費の高騰は重荷となったが、前期に発生した「吉野家」のユニフォーム切り替えやM&A費用の減少による効果もあり、2割増益となった。なお、26年2月期通期業績予想は、売上高2250億円(前期比9.8%増)、営業利益74億円(同1.3%増)、純利益42億円(同10.4%増)の従来見通しを据え置いている。 ■池田泉州HD <8714> 631円 +34 円 (+5.7%) 本日終値 池田泉州ホールディングス<8714>が3日ぶりに急反発し、2011年以来の高値圏に浮上した。トランプ関税によるインフレ懸念が広がるなかで8日のニューヨーク市場で米長期金利は4.4%台に上昇した。また、参院選公示後の日本国内では自民党の苦戦が報じられ、野党からの減税圧力などが強まり財政が悪化するとの思惑から、債券は売られ円金利に上昇圧力が掛かっている。金利上昇メリットセクターである銀行株全般が選好されやすい地合いにあって、池田泉州HDは地銀を中心に投資をするありあけキャピタル(東京都中央区)が7%超を保有していることがこれまで明らかとなっており、関西地銀の再編を巡る憶測も渦巻いた状況にある。株価は600円のフシ目を明確に上抜けており、上値余地を見込んだ資金の流入を誘発したようだ。ありあけキャピタルによる5%超保有が判明している滋賀銀行<8366>も高い。 ■カシオ計算機 <6952> 1,158円 +57 円 (+5.2%) 本日終値 カシオ計算機<6952>は大幅続伸。アクティビストとして知られるオアシス・マネジメントがカシオの株式について、新たに5%を超えて保有していることが明らかとなり、思惑買いが入ったようだ。9日寄り付きとともに提出された大量保有報告書によると、オアシスの保有割合は5.19%となっている。報告義務発生日は2日。保有目的は「ポートフォリオ投資および重要提案行為」としている。 ■コムシスHD <1721> 3,437円 +132 円 (+4.0%) 本日終値 コムシスホールディングス<1721>が急反発。大和証券は8日、同社株のレーティングを「3(中立)」から「2(アウトパフォーム)」へ引き上げた。目標株価は3700円から4200円に見直した。主要顧客であるNTT<9432>の積極的な設備投資計画を考慮すれば、26年3月期連結営業利益の450億円(前期比2.2%減)の会社計画には上振れ余地があると指摘し、480億円(同4.4%増)への増額修正を予想。NTTドコモ向けモバイル工事も27年3月期にかけて受注増が続くとみている。更に、データセンター関連工事の受注増を見込んでいる。同証券では、27年3月期の同利益は510億円と最高益が続くと予想している。 ■リミックスポイント <3825> 592円 +22 円 (+3.9%) 本日終値 リミックスポイント<3825>が後場に一段高となった。同社は8日の取引終了後、社長の役員報酬を全額ビットコインとする日本初の取り組みを始めると開示した。更に9日正午すぎ、EVO FUNDを割当予定先として第25回新株予約権などを発行すると公表した。調達予定総額は約315億円で、ビットコインの購入に充てる方針。暗号資産の購入に関する発表に反応する形で同社株に資金が流入した。なおリミックスは同日、26年3月期の連結業績予想を取り下げると発表。同日時点での暗号資産取得総額は約167億円と3月末時点から67億円増加したほか、今後も更に保有額が増える見込みであることなどを踏まえ、業績予想の取り下げを決めた。業績予想について、合理的に見積もることが可能となった場合は速やかに開示するとしている。 ■ペプチドリーム <4587> 1,575.5円 +44 円 (+2.9%) 本日終値 ペプチドリーム<4587>が続伸。同社は8日、子会社PDRファーマが前立腺がんを対象とした放射性医薬品2薬の臨床試験の治験計画届を医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出したと発表しており、好材料視された。今回治験計画届が提出された2薬は、米キュリウム社との戦略的提携に基づき、PDRファーマとキュリウム社が共同で国内での臨床開発を進めている。ペプドリでは、キュリウム社が海外で先行して実施している臨床試験のデータを最大限活用することで、国内において最短での承認取得を目指すとしている。 ■INPEX <1605> 2,100.5円 +50 円 (+2.4%) 本日終値 INPEX<1605>や石油資源開発<1662>、ENEOSホールディングス<5020>といった石油関連株が高い。8日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の8月限が前日比0.40ドル高の1バレル=68.33ドルに上昇した。米エネルギー情報局が8日に発表した25年の米石油生産量見通しが従来予想から引き下げられ、需給の引き締まりが意識された。明日発表予定の米週間在庫統計なども注目されている。 株探ニュース