<動意株・9日>(大引け)=アサカ理研、吉野家HD、パルHDなど

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 アサカ理研<5724.T>=レアアース関連の伏兵として物色人気加速。商いを膨らませ大幅高となり、一気に水準を切り上げ25日線を上抜いた。5日・25日移動平均線のゴールデンクロスが接近しているほか、日足一目均衡表では前方の厚い雲を直前でかわしており、需給相場の色を徐々に強めている。廃棄される電子機器のデバイスから独自技術を使って貴金属回収を手掛けるビジネス、いわゆる「都市鉱山」の関連有力株として存在感を示している。中国のレアアース輸出規制に絡み、マーケットでもレアアース採掘に絡む事業を行っている企業に物色の矛先が向いているが、同社は都市鉱山からレアメタル・レアアースのリサイクルに関する研究開発を積極推進していることで、投資マネーの琴線に触れた。また、来年には福島県のいわき工場に新設備を導入するとともに、リチウムイオン電池再生事業も加速させていく方針で目が離せない。

 吉野家ホールディングス<9861.T>=3日ぶり大幅反発。8日の取引終了後に発表した第1四半期(3~5月)連結決算が、売上高522億1800万円(前年同期比9.8%増)、営業利益10億5600万円(同20.0%増)、純利益7億4200万円(同9.0%増)と営業利益が2割増となったことが好感されている。「吉野家」で11店舗の新規出店(閉店は9店舗)を行ったほか、「吉野家」「はなまる」ともに既存店売上高が伸長。また4月の価格改定効果や、前期にM&Aでグループ入りしたラーメン事業の宝産業、キラメキノ未来による純増もあって売上高が伸長した。一方で、コメなど原材料費の高騰は重荷となったが、前期に発生した「吉野家」のユニフォーム切り替えやM&A費用の減少による効果もあり、2割増益となった。

 パルグループホールディングス<2726.T>=急反騰。8日の取引終了後に発表した第1四半期(3~5月)連結決算が、売上高587億2700万円(前年同期比14.2%増)、営業利益78億5400万円(同24.6%増)、純利益52億3400万円(同24.7%増)と大幅増益となった。51店舗の新規出店(退店は10店舗)と店舗の大型化が奏功したほか、EC売り上げが好調を維持した。また、持ち分法適用関連会社であったノーリーズを連結化したことも寄与した。増収効果に加えて、雑貨事業で300円超の商品を積極的に投入したことで売上総利益率が改善し、前期下期から取り組んでいる共同配送の効果も顕在化した。同時に、8月31日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表しており、これも材料視されている。

 雨風太陽<5616.T>=上げ足強め3日続伸。今月20日の参院選の投開票を前に各党の論戦が繰り広げられているが、共通項として農業関係予算の拡充をはじめ農業支援や生産性向上に向けた主張が相次いでいる。自民党は石破首相が、食料の安定的確保に向け農業分野に2兆5000億円規模の予算を検討する考えを表明するなどマーケットの関心を集め、関連銘柄の株価を強く刺激している。直近では農業総合研究所<3541.T>が連日の急騰で前日はストップ高に買われるなど、農業の流通システム分野にスポットライトが当たっている。これに続く動きとして産地直送通販「ポケットマルシェ」を展開する雨風太陽にも投資資金が集中する格好となっている。

 セキュアヴェイル<3042.T>=売買代金膨らませ急速人気化。前日比8.2%高の329円まで上値を伸ばす場面があった。同社はITセキュリティーに特化し、情報セキュリティーの構築・運用、ログ解析サービスなどで実績が高い。8日取引終了後に、東芝のグループ企業である東芝ITサービス(川崎市)が、セキュアヴェの統合セキュリティー運用クラウド「NetStare Cloud」を採用したことを発表しており、これを手掛かり材料に投資資金が流入した。同社株は3月24日の年初来高値337円に6月18日にツラ合わせする場面があったが、その後は戻り売りに押され調整局面に移行した。きょうは改めて買い直され、新高値圏突入を視野に入れる動きとなっている。

 イクヨ<7273.T>=上昇加速で一気に年初来高値更新。自動車向けに樹脂成形部品を手掛けるが、26年3月期は大型買収効果でトップライン、利益ともに急拡大を果たす見込みで、売上高は1871億1100万円(前期は177億3600万円)、営業利益は12億6700万円(同3900万円)を計画している。一方、同社は定款変更に伴い新たに投資業務を行うことが可能となったが、これを受けて成長戦略及び資産運用目的で暗号資産であるビットコインを購入する方針を発表、マーケットの耳目を集めた経緯がある。そうしたなか株主還元にも積極的に取り組み、8日取引終了後に株主優待制度の新設を発表した。25年9月末時点で500株以上を保有する株主の中から抽選で、ビットコイン10万円相当を30人、3万円相当を100人、1万円相当を1000人に贈呈するというもので、これがポジティブサプライズとなり投資マネーの攻勢を誘っている。

※未確認情報が含まれる場合があります。株式の売買は自己責任に基づいて、ご自身でご判断ください。

出所:MINKABU PRESS

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