前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

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材料

■マリオン <3494>  475円 (+80円、+20.3%) ストップ高

 マリオン <3494> [東証S]がストップ高。2日の取引終了後、25年9月期の連結業績予想について、売上高を30億円から32億円(前期比11.3%増)へ、営業利益を7億3000万円から8億円(同15.1%増)へ、純利益を3億6000万円から4億円(同17.0%増)へ上方修正し、あわせて期末一括配当予想を5円40銭から6円へ引き上げたことが好感された。不動産賃貸事業及び不動産売買事業が想定よりも順調に進捗したことが寄与したという。

■フルッタ <2586>  289円 (+46円、+18.9%)

 フルッタフルッタ <2586> [東証G]が急反騰。アサイーをはじめとするフルーツ関連飲料や冷凍食品の加工販売を手掛けているが、国内での需要の高まりを背景としたアサイー関連の販路拡大によって損益が急向上している。もっとも、株価的にはファンダメンタルズを離れた需給相場の典型となっていた。低位で個人投資家の人気も高く、信用買い残が高水準に積み上がっていたが、一方で貸株市場を通じた機関投資家の空売りも際立っており、目先はこれらの買い戻しによって踏み上げ相場の様相を呈していた。

■Aバランス <3856>  731円 (+100円、+15.9%) ストップ高

 Abalance <3856> [東証S]がストップ高。トランプ米大統領は2日に自身のSNSで、ベトナムとの関税交渉に合意したと発表した。ベトナムからの輸入品に課す関税率を当初の46%から20%に引き下げるという。これを受け、ベトナム経済の先行きを巡る過度な警戒感が後退し、同国で事業を展開する銘柄の一角に思惑的な買いが向かっていた。ベトナムで太陽光パネルを製造するAバランスのほか、同国での生産体制強化に取り組むメイコー <6787> [東証P]、同国をはじめ東南アジアに生産拠点を持つ朝日インテック <7747> [東証P]などが上昇した。

■農業総研 <3541>  371円 (+42円、+12.8%)

 農業総合研究所 <3541> [東証G]が7日ぶり急反騰。3日午前11時30分ごろ、25年8月31日時点の株主から株主優待制度を新設すると発表しており、これを好感した買いが流入した。毎年8月末日時点で1000株(10単元)以上を保有する株主を対象に農家直送みかん(5000円相当)を贈呈するほか、1000株以上を1年以上継続して保有する株主には新米(5000円相当)を追加で贈呈する。なお、長期保有者優待制度については26年8月末日の優待基準日から開始する。

■トランスGG <2342>  189円 (+21円、+12.5%) 一時ストップ高

 トランスジェニックグループ <2342> [東証G]が3日ぶり急反騰、一時ストップ高となった。2日の取引終了後に「エクソンヒト化マウス」に関する特許が日本で成立したと発表しており、これを好感した買いが流入した。「エクソン」(翻訳配列)とは真核生物の遺伝子で、DNAの塩基配列中にたんぱく質の遺伝情報がコードされている部分のこと。真核生物の遺伝子には「エクソン」と「イントロン」が介在しており、遺伝情報がコードされていない部分はイントロン(非翻訳、介在配列)という。今回特許が成立した技術では、エクソンはヒト化している一方で、イントロンはマウスの塩基配列を保持し遺伝子発現制御領域が保存されており、ヒトの遺伝子発現パターンが量的にも、組織特異的にも正常に発現されることが可能。そのためこの技術を用いて作製されたヒト疾患モデルマウスは、核酸医薬などの薬剤及び遺伝子治療の効果をみる上で極めて有用と考えられている。なお、同件による26年3月期業績への影響はないとしている。

■古河機金 <5715>  2,472円 (+213円、+9.4%)

 東証プライムの上昇率トップ。古河機械金属 <5715> [東証P]が大幅続伸。 レアアースは中国の輸出規制を受けて国際的にその確保に向けた政治的な動きが鮮明となっている。日、米、豪、印の4カ国で構成される枠組み「クアッド」の外相会合が今週ワシントンの国務省で開催され、協力体制を推進していく方向で一致したことが報じられた。また、2日にはインド・ニューデリーの日本大使館で、重要鉱物やそれを利用したバッテリーの供給網の連携強化を目的としたイベントが初めて開催されたことが伝わっていた。そうしたなか、東京市場でもレアアースが物色テーマとしてにわかにクローズアップされてきた。個別に古河機金は2018年からレアアース回収機材の開発に取り組み、同分野の特許数でも国内上位にあるだけに投資マネーの攻勢が波状的に強まっていた。また、「レアアース泥」の回収システム開発を手掛け、南鳥島沖での採掘事業に参画している東洋エンジニアリング <6330> も思惑買いが活発だった。このほか、急騰習性のあるアサカ理研 <5724> などもにわかに注目度が高まった。

■環境フレンド <3777>  46円 (+3円、+7.0%)

 環境フレンドリーホールディングス <3777> [東証G]が3日ぶり急反発。2日の取引終了後、九州工業大学とペロブスカイト太陽電池などに関する共同研究契約を締結すると発表しており、好材料視された。ペロブスカイト太陽電池は、軽量・高効率といった特徴を持つ一方で、耐久性や鉛の使用による環境負荷といった課題も抱えている。同社では、これらの課題解決に向けては材料開発や構造設計の分野で高い国際評価を受ける研究者との連携が不可欠と考え、今回の共同研究に至ったとしており、共同研究を通じてペロブスカイト太陽電池の研究加速を目指すとしている。

■ニューテック <6734>  1,611円 (+87円、+5.7%) 一時ストップ高

 ニューテック <6734> [東証S]が続急伸、一時ストップ高となった。同社は2日取引終了後、スタートアップ企業のUnseed(東京都文京区)と共同で、国産の軽量言語モデル(LLM)による推論特化型ソリューション「Neuseed」の開発・展開に向けた協業を開始したと発表。これが材料視されたようだ。Neuseedは、分野特化型のファインチューニング(機械学習の分野において、事前学習済みのモデルの一部または全部に対して再トレーニングを行い、パラメーターの微調整をすること)とRAG(検索拡張生成)機能を組み合わせた柔軟な構成が可能。特に医療・監視・アカデミック分野において高い関心を得ており、今後の国内市場展開を視野に両社で連携を深めるとしている。

■JCRファ <4552>  530円 (+27円、+5.4%)

 JCRファーマ <4552> [東証P]が4日ぶり急反発。同社は2日の取引終了後、ムコ多糖症2型(ハンター症候群)の治療酵素製剤「JR-141(一般名パビナフスプ アルファ)」のグローバル臨床第3相試験について、目標症例数の組み入れを達成したと発表。新薬の開発が前進したとの受け止めから、買いが入ったようだ。同製剤は日本においては21年5月より「イズカーゴ点滴静注用10mg」として販売。米国と中南米、欧州においてグローバル臨床第3相試験を実施している。同社の調べによると、ハンター症候群の患者数は世界で2000~3000人。JCRファの26年3月期は増収・最終黒字転換の計画で、前期に好調だった「イズカーゴ」について今期も売り上げの増加を見込んでいる。

■エレメンツ <5246>  1,008円 (+43円、+4.5%)

 ELEMENTS <5246> [東証G]が3日ぶり大幅反発。3日、子会社Liquidのオンライン本人確認サービス「LIQUID eKYC」が、マイナンバーカードと運転免許証が一体化された「マイナ免許証」への対応を開始すると発表しており、好材料視された。「LIQUID eKYC」は、ネット上での契約やアカウント登録、口座開設時などに必要な身元確認をオンライン完結で行うサービス。今回、マイナ免許証に対応開始することで、オンライン本人確認と合わせて、マイナンバーカードのICチップ内に記録された運転免許の情報と内容に改ざんがないかを確認。これにより、運転免許の確認が必須となるレンタカーやカーシェア、運送業などの事業者がマイナ免許証のみを保有するユーザーにも対応できるようになる。

■日本製鉄 <5401>  2,850円 (+119円、+4.4%)

 日本製鉄 <5401> [東証P]が大幅続伸。同社は3日、総借入限度額5000億円のコミット型劣後特約付きタームローン契約を主要取引行5行と締結したと発表した。USスチールの買収に向けて借り入れた資金の返済に充てる方針。また、既存ローンの弁済を目的とするリファイナンスローン3000億円の調達実行を決めた。株式の希薄化リスクが後退したとの受け止めから、買いが集まったようだ。日本製鉄は6月、USスチールの買収完了を受けた記者会見で、希薄化が発生する形での増資について否定的な見解を示していた。今回発表となったローンはいずれも資本と負債の中間的な性質を持ち、株式の希薄化は発生しないという。

■オプトエレ <6664>  273円 (+11円、+4.2%)

 オプトエレクトロニクス <6664> [東証S]が大幅反発。同社は2日の取引終了後、25年11月期第2四半期累計(24年12月-25年5月)の連結決算を発表。売上高は前年同期比6.7%増の33億3500万円、経常損益は1800万円の赤字(前年同期は2億8500万円の赤字)となった。直近3ヵ月間の25年3-5月期は経常黒字を果たしており、ポジティブ視されたようだ。5月中間期は日本国内が、一部の大口顧客からの受注を背景に大幅な増収となった。米国や欧州、アジアでは在庫調整が続いたものの、全体ではコスト削減効果もあって、赤字幅の縮小につなげた。

■コニカミノル <4902>  485.3円 (+14.7円、+3.1%)

 コニカミノルタ <4902> [東証P]が大幅反発。同社は3日、トヨタ自動車 <7203> [東証P]と有人与圧ローバーに関する共同開発契約を締結したと発表。これが材料視されたようだ。これはトヨタと宇宙航空研究開発機構(JAXA)が研究開発を進める有人与圧ローバーに向けた宇宙用ダスト除去装置の開発、及び開発技術を地上転用する事業化の検討を行うもの。同社が複合機で培ってきた静電気を帯びたトナーの除去技術が、有人与圧ローバーの車体に付着する月の砂(レゴリス)を除去するために必要な要素技術のひとつとして期待されているという。

■デジプラ <3691>  1,026円 (+31円、+3.1%)

 デジタルプラス <3691> [東証G]が3日ぶり大幅反発。3日午後0時30分ごろ、子会社デジタルフィンテックが運営する「デジタルギフト」が、シーラホールディングス <8887> [東証S]の株式優待として採用されたと発表しており、好材料視された。なおデジプラによると、現在IR未開示企業を含む40社から「デジタルギフト」の導入意思を獲得済みという。

■ジオコード <7357>  1,037円 (+21円、+2.1%)

 ジオコード <7357> [東証S]が10日続伸。3日は寄り前に、クラウド営業支援・顧客管理ツール「ネクストSFA」の新機能「AI活動レポート」をリリースしたと発表しており、好材料視された。同機能は、「ネクストSFA」内に蓄積された顧客情報や商談履歴などのデータをAIが高度に解析することで、営業担当者の「ヨミ」を客観的なデータに基づき精緻化。受注確度の客観的把握や営業プロセスの最適化を実現することで、営業活動全体の質向上と成果最大化を支援するとしている。

■ホットリンク <3680>  302円 (+6円、+2.0%)

 ホットリンク <3680> [東証G]が4日ぶり反発。3日午後2時台に関東財務局に提出された大量保有報告書で、Faber Company <220A> [東証S]のホットリンク株式の保有割合が5.13%と新たに5%を超えたことが判明しており、思惑的な買いが入ったようだ。保有目的は純投資で、報告義務発生日は6月26日としている。

■トヨタ <7203>  2,511.5円 (+46円、+1.9%)

 トヨタ自動車 <7203> [東証P]が続伸。2日は押し目買いに3日ぶりに反発、上値を積極的に買い進む主体は不在ながらPBRが0.9倍前後と会社解散価値を1割程度下回っており、バリュエーションの観点から時価はイレギュラー水準とみた買いを引き寄せた。米国による相互関税上乗せ分の適用に関する交渉期限を9日に控えるなか、自動車メーカーへの収益デメリットが警戒されていた。現状はトランプ米大統領に妥協する姿勢が全く見られず、日本車の米国販売における価格競争力の低下は回避できない可能性が高まっている。ただ、トヨタを含め国内主要メーカーは既に4社が値上げを表明しているが、性能面の優位性からシェアを大きく落とさないという見方もあり、同社株も時価近辺は強弱観が対立していた。

■サイゼリヤ <7581>  5,100円 (+70円、+1.4%)

 サイゼリヤ <7581> [東証P]が続伸。2日に発表した6月度の月次売上高で、「サイゼリヤ」の既存店売上高が前年同月比11.3%増と44ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好材料視された。土日祝祭日による日数が前年よりも少なかった影響がマイナス2ポイント程度あったものの、客数が同10.6%増と2ケタ増を維持したことが牽引役となった。

■フィナHD <4419>  1,094円 (+14円、+1.3%)

 Finatextホールディングス <4419> [東証G]が3日ぶり反発。岩井コスモ証券は2日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに、目標株価を1200円から1500円に引き上げた。25年3月期の連結業績は、売上高が前の期比43.3%増の77億200万円、営業利益は同4.6倍の9億5000万円と計画を上回って着地。EBITDAも11億8700万円と計画を上回った。金融インフラストラクチャ事業などが好調だった。新中長期ビジョンでは29年3月期の売上高300億円、EBITDAは100億円を目指す。レガシーシステムからの入れ替えやDX需要が高まるなか、同ビジョンの達成に期待が持てる、と同証券ではみている。

■クボタ <6326>  1,649.5円 (+20円、+1.2%)

 クボタ <6326> [東証P]が9日続伸。3日、営農支援システム「KSAS」(Kubota Smart Agri System)に、生成AIを活用した「KSAS AIチャット」機能を正式に追加したと発表しており、好材料視された。KSASは、農業経営課題の解決をサポートするインターネットクラウドを利用した営農支援システムで、パソコンやスマートフォンを利用して電子地図を用いたほ場の管理や作業の記録、進捗状況の把握などができ、農業経営を「見える化」する。今回のAIチャット機能により、KSASの使用方法や新規就農に役立つ情報だけではなく、営農に関する簡単な質問を回答できるよう機能を強化しており、利便性の向上による利用者層の拡大が期待されている。

■エニマインド <5027>  532円 (+5円、+1.0%)

 AnyMind Group <5027> [東証G]が3日ぶり反発。同社は3日午前9時、米国大手消費財メーカーのチャーチ&ドワイト  のオーラルケアブランド「TheraBreath」(セラブレス)のインドネシア、フィリピン、タイ市場での展開を支援すると発表しており、好材料視された。エニマインドは3カ国におけるセラブレスのEC展開を包括的に支援する。具体的にはECマネジメントプラットフォームによる運用支援とデータ分析、インフルエンサーマーケティングプラットフォームによる施策立案と実行、生成AIによるライブコマースプラットフォームを活用したライブコマース施策などに取り組む予定だ。

※3日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

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