話題株ピックアップ【昼刊】:古河機金、JCRファ、トヨタ

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■古河機械金属 <5715>  2,413円   +154 円 (+6.8%)  11:30現在  東証プライム 上昇率3位
 古河機械金属<5715>が大幅高で6連騰となったほか、三井海洋開発<6269>、アサカ理研<5724>、DOWAホールディングス<5714>、東洋エンジニアリング<6330>などレアアース関連に位置付けられる銘柄が軒並み動意している。レアアースは中国の輸出規制を受けて国際的にその確保に向けた政治的な動きが鮮明となっている。日、米、豪、印の4カ国で構成される枠組み「クアッド」の外相会合が今週ワシントンの国務省で開催され、協力体制を推進していく方向で一致したことが報じられた。また、前日にはインド・ニューデリーの日本大使館で、重要鉱物やそれを利用したバッテリーの供給網の連携強化を目的としたイベントが初めて開催されたことが伝わっている。そうしたなか、東京市場でもレアアースが物色テーマとしてにわかにクローズアップされてきた。個別に古河機金は2018年からレアアース回収機材の開発に取り組み、同分野の特許数でも国内上位にあるだけに投資マネーの攻勢が波状的に強まっている。また、「レアアース泥」の回収システム開発を手掛け、南鳥島沖での採掘事業に参画している東洋エンジも思惑買いが活発だ。このほか、急騰習性のあるアサカ理研などもにわかに注目度が高まっているもようである。

■JCRファーマ <4552>  525円   +22 円 (+4.4%)  11:30現在
 JCRファーマ<4552>が4日ぶりに急反発した。同社は2日の取引終了後、ムコ多糖症2型(ハンター症候群)の治療酵素製剤「JR-141(一般名パビナフスプ アルファ)」のグローバル臨床第3相試験について、目標症例数の組み入れを達成したと発表。新薬の開発が前進したとの受け止めから、買いが入ったようだ。同製剤は日本においては21年5月より「イズカーゴ点滴静注用10mg」として販売。米国と中南米、欧州においてグローバル臨床第3相試験を実施している。同社の調べによると、ハンター症候群の患者数は世界で2000~3000人。JCRファの26年3月期は増収・最終黒字転換の計画で、前の期に好調だった「イズカーゴ」についても売り上げの増加を見込んでいる。

■トヨタ自動車 <7203>  2,485.5円   +20 円 (+0.8%)  11:30現在
 トヨタ自動車<7203>が前日終値近辺で頑強な値動き。前日は押し目買いに3日ぶりに反発、上値を積極的に買い進む主体は不在ながらPBRが0.9倍前後と会社解散価値を1割程度下回っており、バリュエーションの観点から時価はイレギュラー水準とみた買いを引き寄せている。米国による相互関税上乗せ分の適用に関する交渉期限を9日に控えるなか、自動車メーカーへの収益デメリットが警戒されている。現状はトランプ米大統領に妥協する姿勢が全く見られず、日本車の米国販売における価格競争力の低下は回避できない可能性が高まっている。ただ、トヨタを含め国内主要メーカーは既に4社が値上げを表明しているが、性能面の優位性からシェアを大きく落とさないという見方もあり、同社株も時価近辺は強弱観が対立している。

■ユーグレナ <2931>  408円   +3 円 (+0.7%)  11:30現在
 ユーグレナ<2931>はしっかり。2日取引終了後、グループ会社のユーグレナ竹富エビ養殖が生産する車エビが2025年大阪・関西万博で営業中の「スシロー未来型万博店」の新メニューとして採用されたと発表した。同日から提供されている。

■リコー <7752>  1,377.5円   +7 円 (+0.5%)  11:30現在
 リコー<7752>が反発。旧村上ファンドの流れを汲む投資ファンドのエフィッシモ・キャピタル・マネージメントが2日付で関東財務局に提出した変更報告書によると、同社の保有比率が23.88%と前回報告時の22.82%から1%強高まっていることが判明した。保有目的は「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」としており、株式価値の向上に向けた期待から同社株への買いを誘導している。同社株は前日こそ小幅下落したもののそれまで6連騰を記録。週足でみても前週まで3週連続で陽線を引いており、今週も現状で陽線を形成中で底値圏からの戻り足が鮮明となっている。

■ファーストリテイリング <9983>  48,250円   +230 円 (+0.5%)  11:30現在
 ファーストリテイリング<9983>が続伸している。2日の取引終了後に発表した6月度の国内ユニクロ売上速報で、既存店とEコマースを合わせた売上高が前年同月比6.4%増と2カ月連続で前年実績を上回ったことが好感されている。気温とキャンペーンがマッチし夏物商品の販売が好調だったことに加え、需要を捉えた新商品の販売が好調だった。なお、客数が同7.4%増となった一方、客単価は同0.9%減となった。

■サイゼリヤ <7581>  5,040円   +10 円 (+0.2%)  11:30現在
 サイゼリヤ<7581>がしっかり。2日に発表した6月度の月次売上高で、「サイゼリヤ」の既存店売上高が前年同月比11.3%増と44カ月連続で前年実績を上回ったことが好材料視されている。土日祝祭日による日数が前年よりも少なかった影響がマイナス2ポイント程度あったものの、客数が同10.6%増と2ケタ増を維持したことが牽引役となった。

■ダイセキ <9793>  3,340円   -225 円 (-6.3%)  11:30現在  東証プライム 下落率3位
 ダイセキ<9793>は7日ぶり反落。2日取引終了後に3~5月期連結決算を発表し、売上高は前年同期比7.2%増の179億1200万円、最終利益は同9.1%減の24億4100万円だった。主力の産業廃棄物処理事業でリサイクル燃料の原料となる廃液を積極的に獲得した。一方、販管費の増加により全体の利益は押し下げられた。通期で増収増益を見込んでいるだけに、第1四半期時点での減益がネガティブ視されたもよう。

■良品計画 <7453>  6,530円   -402 円 (-5.8%)  11:30現在  東証プライム 下落率5位
 良品計画<7453>が続落している。2日の取引終了後に発表した6月度の国内売上高で、直営既存店とオンラインストアを合わせた売上高は前年同月比7.1%増と17カ月連続で前年実績を上回ったものの、5月の同12.2%増に比べて伸び率が縮小したことから、いったん利益を確定する動きが出ているようだ。前年よりも土日祝日が1日少なかった影響がマイナスで2ポイントほどあったものの、衣服・雑貨で機能性インナーや夏物衣服が牽引したほか、生活雑貨も引き続き好調を維持し、全ての部門で前年クリアした。なお、直営全店とオンラインストアを合わせた売上高は同15.9%増だった。

■日本ハム <2282>  4,907円   -254 円 (-4.9%)  11:30現在  東証プライム 下落率7位
 日本ハム<2282>が4日ぶりに急反落した。同社は2日の取引終了後、株式の売り出しを発表。農林中央金庫など金融機関が合計953万5900株を売却する。株式の需給悪化を警戒した売りが膨らんだようだ。売出価格は15日から17日までのいずれかの日に決める。金融機関から政策保有株式の売却に関する意向があったことを踏まえ、日ハムは円滑な売却機会を提供しつつ、海外を含む機関投資家層の拡大とともに、株式の流動性向上につなげる。同社は5月9日に取得総数600万株(自己株式を除く発行済み株式総数の6.1%)、取得総額300億円を上限とする自己株式の取得枠を設定しているが、今回の売り出し株数はこの取得枠の上限の株数を上回る規模となった。

■アダストリア <2685>  2,846円   -123 円 (-4.1%)  11:30現在
 アダストリア<2685>は反落している。2日の取引終了後に発表した6月度の月次売上高で、既存店売上高が前年同月比0.2%減と小幅ながら2カ月ぶりに前年実績を下回ったことが嫌気されている。月初の夏物商品の動き出しは鈍かったものの、月後半は気温上昇に伴い夏向けの機能性素材を使用したパンツや半袖の羽織アイテム、Tシャツなどを中心に堅調に推移した。ただ、前年に比べて休日が1日少なかったことでマイナス1.8ポイントの影響があった。なお、全店売上高は同3.6%増だった。

■エービーシー・マート <2670>  2,978円   -42 円 (-1.4%)  11:30現在
 エービーシー・マート<2670>が反落している。2日の取引終了後に発表した6月度売上高で、既存店売上高は前年同月比6.2%増と4カ月連続で前年実績を上回ったものの、前日まで株価は5日続伸していたあとだけに、利益確定売りが優勢となっているようだ。前年に比べて土曜日が1日少ない曜日並びだった影響はあったものの、下旬から実施したサマーセールがテレビCMやチラシの効果により活況だった。商品別では、晴天が多く暑い日が続いたことでサンダル、Tシャツが好調だった。なお、全店売上高は同6.1%増だった。

■ニューテック <6734>  1,924円   +400 円 (+26.3%) ストップ高   11:30現在
 ニューテック<6734>がストップ高まで買われ、年初来高値を更新した。同社は2日取引終了後、スタートアップ企業のUnseed(東京都文京区)と共同で、国産の軽量言語モデル(LLM)による推論特化型ソリューション「Neuseed」の開発・展開に向けた協業を開始したと発表。これが材料視されているようだ。Neuseedは、分野特化型のファインチューニング(機械学習の分野において、事前学習済みのモデルの一部または全部に対して再トレーニングを行い、パラメーターの微調整をすること)とRAG(検索拡張生成)機能を組み合わせた柔軟な構成が可能。特に医療・監視・アカデミック分野において高い関心を得ており、今後の国内市場展開を視野に両社で連携を深めるとしている。

■フルッタフルッタ <2586>  285円   +42 円 (+17.3%)  11:30現在
 フルッタフルッタ<2586>が急騰、一時50円高、率にして20%超の上昇で293円まで駆け上がった。アサイーをはじめとするフルーツ関連飲料や冷凍食品の加工販売を手掛けているが、国内での需要の高まりを背景としたアサイー関連の販路拡大によって損益が急向上している。もっとも、株価的にはファンダメンタルズを離れた需給相場の典型となっている。低位で個人投資家の人気も高く、信用買い残が高水準に積み上がっているが、一方で貸株市場を通じた機関投資家の空売りも際立っており、目先はこれらの買い戻しによって踏み上げ相場の様相を呈している。

■トランスGG <2342>  196円   +28 円 (+16.7%) 一時ストップ高   11:30現在
 トランスジェニックグループ<2342>が急反騰して一時ストップ高の218円に買われ、年初来高値を更新した。2日の取引終了後に「エクソンヒト化マウス」に関する特許が日本で成立したと発表しており、これを好感した買いが流入している。「エクソン」(翻訳配列)とは真核生物の遺伝子で、DNAの塩基配列中にたんぱく質の遺伝情報がコードされている部分のこと。真核生物の遺伝子には「エクソン」と「イントロン」が介在しており、遺伝情報がコードされていない部分はイントロン(非翻訳、介在配列)という。今回特許が成立した技術では、エクソンはヒト化している一方で、イントロンはマウスの塩基配列を保持し遺伝子発現制御領域が保存されており、ヒトの遺伝子発現パターンが量的にも、組織特異的にも正常に発現されることが可能。そのためこの技術を用いて作製されたヒト疾患モデルマウスは、核酸医薬などの薬剤及び遺伝子治療の効果をみる上で極めて有用と考えられている。なお、同件による26年3月期業績への影響はないとしている。

■Abalance <3856>  731円   +100 円 (+15.9%) ストップ高   11:30現在
 Abalance<3856>はストップ高。トランプ米大統領は2日に自身のSNSで、ベトナムとの関税交渉に合意したと発表した。ベトナムからの輸入品に課す関税率を当初の46%から20%に引き下げるという。これを受け、ベトナム経済の先行きを巡る過度な警戒感が後退し、同国で事業を展開する銘柄の一角に思惑的な買いが向かっている。ベトナムで太陽光パネルを製造するAバランスのほか、同国での生産体制強化に取り組むメイコー<6787>、同国をはじめ東南アジアに生産拠点を持つ朝日インテック<7747>などが上昇している。

■マリオン <3494>  475円   +80 円 (+20.3%) ストップ高買い気配   11:30現在
 マリオン<3494>がストップ高の475円水準でカイ気配となっている。2日の取引終了後、25年9月期の連結業績予想について、売上高を30億円から32億円(前期比11.3%増)へ、営業利益を7億3000万円から8億円(同15.1%増)へ、純利益を3億6000万円から4億円(同17.0%増)へ上方修正し、あわせて期末一括配当予想を5円40銭から6円へ引き上げたことが好感されている。不動産賃貸事業及び不動産売買事業が想定よりも順調に進捗したことが寄与したという。

●ストップ高銘柄
 いつも <7694>  770円   +100 円 (+14.9%) ストップ高   11:30現在
 など、4銘柄

●ストップ安銘柄
 イオレ <2334>  1,860円   -500 円 (-21.2%) ストップ安   11:30現在
 アドバンスクリエイト <8798>  318円   -80 円 (-20.1%) ストップ安売り気配   11:30現在
 など、2銘柄

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