株価指数先物【寄り前】 日経平均型からTOPIX型へシフト

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先物

大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 39570 -320 (-0.80%)
TOPIX先物 2816.5 -11.5 (-0.40%)
シカゴ日経平均先物 39660 -230
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 1日の米国市場はNYダウが上昇した一方で、 S&P500、ナスダックは下落。米連邦議会上院がトランプ米大統領の大型税制・歳出法案を可決した。法案を巡る不透明感がひとまず後退したとして、NYダウの上げ幅は一時500ドルを超える場面もみられた。半面、これまで上昇を牽引していたハイテク株が売られ、製薬や保険株など出遅れていた銘柄へのシフトが強まった。トランプ大統領が補助金の打ち切りを示唆したと伝わったテスラが売られたことも影響した。

 5月の米求人件数は776万9000件に増加し、昨年11月以来の高水準となったことで早期利下げ観測が後退。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は欧州中央銀行(ECB)の年次フォーラムに参加し、関税政策の影響を見極めつつ慎重に利下げ時期を判断する考えを改めて示した。

 S&P500業種別指数は耐久消費財・アパレル、素材、医薬品・バイオテクノロジーが上昇した一方で、自動車・同部品、半導体・同製造装置、メディアの弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、ユナイテッドヘルス・グループ、アムジェン、シャーウィン・ウィリアムズ、メルク、ナイキが上昇。半面、エヌビディア、IBM、マイクロソフト、シスコシステムズが売られた。

 シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比230円安の3万9660円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比50円安の3万9840円で始まった。直後につけた3万9860円を高値にショート優勢となり、3万9590円まで売られた後は3万9600円~3万9750円辺りで保ち合いを継続。中盤にかけて3万9800円まで下げ渋る場面もみられたが、終盤にかけて下げ幅を広げ、3万9570円とナイトセッションの安値で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まりそうだ。前日の下げでボリンジャーバンドの+2σを割り込み、ナイトセッションでは+1σ(3万9340円)が射程に入ってきている。米国ではハイテク株から出遅れている銘柄へのローテーションの動きが強まっているため、東京市場でも日経平均型からTOPIX型へのリバランスの動きが一段と強まる可能性があろう。

 日米通商交渉を巡りトランプ大統領は、9日の猶予期限の延長はないとの見解を示した。合意は困難として30%や35%の高率関税賦課の考えも明らかにしており、押し目狙いのロングを手控えさせることになりそうだ。

 日経225先物は+1σでの底堅さを見極めつつ、オプション権利行使価格の3万9375円から3万9875円のレンジを想定。+1σを割り込んでくると、節目の3万9000円や25日移動平均線が位置する3万8520円辺りをターゲットとしたショートが強まる展開も意識しておきたい。もっとも、トランプ発言に対する耐性もみられており、積極的なショートも仕掛けにくいだろう。

 過熱を冷ます調整としては+1σ水準までの下げで一巡感が出てくる可能性も考えられるため、底堅さがみられる局面ではスキャルピング中心とはなるものの、押し目狙いのロングでの対応とみておきたい。

 1日の米VIX指数は16.83(30日は16.73)に上昇した。ただし、25日移動平均線(18.41)、200日線(29.66)を明確に割り込んで推移していることで、リスク選好の動きは変わらない。短期的に25日線を捉えてくる場面はありそうだが、ボトム圏での推移が続くなかで方向性としては2月14日の14.74辺りが射程に入っているとみておきたい。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で14.10倍に低下した。一時14.09倍に低下する場面もみられており、+2σ(14.16倍)を下回っての推移となった。米国市場の動きもあり、NTロングの巻き戻しが強まる可能性はありそうだ。そのため、目先的にはNTショートによるスプレッド狙いが入りやすいだろう。

株探ニュース

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