話題株ピックアップ【夕刊】(2):パルHD、アドテスト、三陽商
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■パルHD <2726> 3,605円 +30 円 (+0.8%) 本日終値 パルグループホールディングス<2726>が3日続伸。午後1時ごろに発表した5月度の月次売上概況で、既存店売上高が前年同月比0.1%増となり、小幅ながら2カ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。ネット通販既存店売上高が同6.2%増と伸長したことが牽引した。なお、全店売上高は同14.2%増だった。 ■アドバンテスト <6857> 10,655円 +70 円 (+0.7%) 本日終値 アドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>など半導体製造装置関連が一斉に上値追い基調を強めている。前週末の米国株市場ではナスダック総合株価指数とS&P500指数が揃って史上最高値を更新したが、そのなか個別にエヌビディアが5連騰で上場来高値を更新、時価総額でマイクロソフト を抜いて首位となった。エヌビディアを主要顧客とする半導体テスター大手のアドテストや、精密加工装置でトップシェアを有し生成AI向けに経営の重心を置くディスコなどの株価を強く刺激する格好となっている。アドテストは既に最高値圏での強調展開をみせているが、ディスコは相対的に出遅れており、ここにきて水準訂正狙いの買いに弾みがついている状況だ。このほか、東京エレクトロン<8035>やレーザーテック<6920>などにも継続的に投資マネーが流入している。 ■三陽商会 <8011> 2,606円 -363 円 (-12.2%) 本日終値 東証プライム 下落率トップ 三陽商会<8011>が急反落。午前11時ごろに発表した第1四半期(3~5月)連結決算で、売上高145億800万円(前年同期比5.7%減)、営業利益3600万円(同95.1%減)、純利益3600万円(同93.8%減)と大幅営業減益となったことが嫌気された。消費マインドの冷え込みやインバウンド消費の減速などアパレル・ファッション業界の市況悪化の影響を受けて売上高が減少した。また、売上高低下に伴う在庫超過を回避するためにセール販売を強化したことでプロパー販売比率が低下し、粗利率が悪化したことも響いた。なお、26年2月期通期業績予想は、売上高625億円(前期比3.3%増)、営業利益33億円(同21.5%増)、純利益41億円(同2.3%増)の従来見通しを据え置いている。 ■日本オラクル <4716> 17,185円 -620 円 (-3.5%) 本日終値 日本オラクル<4716>は5日ぶり反落。前週末27日取引終了後に発表した25年5月期単独決算は、売上高が前の期比7.8%増の2635億1000万円、営業利益が同8.8%増の868億3200万円だった。企業の底堅いIT投資が引き続き追い風となった。続く26年5月期については6.0~10.0%増収を見込んだ。配当予想は未定(前期190円)とした。 ■パソナグループ <2168> 2,238円 -67 円 (-2.9%) 本日終値 パソナグループ<2168>が売り買い交錯。同社は前週末27日の取引終了後、25年5月期の連結業績に関し、売上高が計画を108億円下回る3092億円、営業損益が従来予想の17億円の黒字に対し、12億5000万円の赤字で着地したようだと発表。予想を下振れしたことを嫌気した売りが先行したものの、5日移動平均線近辺で下げ渋り、押し目買いに支えられる形となった。最終赤字は従来の見通しの43億円から86億5000万円に拡大する。ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)需要の新規獲得を進めたものの、案件獲得が想定よりも伸びなかった。大阪・関西万博関連での追加費用に関する特別損失の発生も響く。アウトソーシングセグメントを含む前の期の水準と比べて、前期の売上高は13%減。前の期の営業損益は同水準で67億9400万円の黒字、最終損益は958億9100万円の黒字だった。同セグメントは子会社の株式の売却に伴い前期に廃止している。 ■東京通信グループ <7359> 448円 +80 円 (+21.7%) ストップ高 本日終値 東京通信グループ<7359>が後場ストップ高。正午ごろ、GameFi領域における事業の拡大を企図したビットコインの購入を行うと発表しており、これを好感した買いが流入した。同社は22年12月に、ゲームをプレイすることでプレイヤーがトークンなどの経済的インセンティブを獲得できるGameFi領域への参入を決定。ただ、これまで本格的な取り組みには至っていなかったが、社内体制の整備やリソース配分の見直しを経て実行フェーズへと移行する体制が整ったことから、サービス開発の初期段階に必要となる相当額のビットコインを取得するという。 ■インフォメティス <281A> 890円 +150 円 (+20.3%) ストップ高 本日終値 インフォメティス<281A>がストップ高。前週末27日取引終了後、同社が推進した世界初の機器分離推定技術(NILM)に関する国際標準規格が発行されたことを開示した。インフォメテのNILMは主幹電流波形から人工知能(AI)が電力内訳をリアルタイム(即時)に推定する最先端技術で、マーケットの視線が集中している。株価は今月18日に大陽線を形成し底値離脱の動きを明示したが、その後は700円台を軸にもみ合っていた。きょうは売り物薄のなか値幅制限いっぱいまで上値を伸ばす可能性が高く、日足一目均衡表の雲も一気に上抜ける公算が大きい。 ■いつも <7694> 634円 +100 円 (+18.7%) ストップ高 本日終値 いつも<7694>が後場急伸。この日、「TikTok Shop」において、TSP(TikTok Shop Partner)、CAP(Creator Agency Partner)、TAP(TikTok Affiliate Partner)の3つのパートナー認定を取得したと発表しており、好材料視された。これにより、「TikTok Shop」」を活用して売り上げ向上を目指す企業に対し、より包括的かつ高度な支援を可能にしたという。 ■暁飯島工業 <1997> 2,850円 +365 円 (+14.7%) 本日終値 暁飯島工業<1997>が急伸し、1997年以来の高値圏に浮上した。同社は前週末27日の取引終了後、25年8月期の単体業績予想の修正を発表。経常利益予想を従来の見通しから2億5000万円増額して10億3000万円(前期比31.5%増)に引き上げた。期末一括配当予想に関しては特別配当25円を加える形で90円(前期の特別配当を含む水準と比べ15円増配)に見直しており、ポジティブ視されたようだ。減益予想から一転して増益となる見通しで、最終利益は過去最高益の更新を計画する。原価管理を徹底し、工事利益率が想定を上回る見込みとなった。今期の売上高予想は据え置いた。 ■スペースマーケット <4487> 410円 +50 円 (+13.9%) 本日終値 スペースマーケット<4487>が急騰。前週24日ザラ場につけた年初来高値415円をにらむ展開となっている。空きスペースの貸し手と借り手のマッチングを行う仲介サイトを運営しており、ニッチな業態ながら業績は急成長局面に突入している。営業利益は24年12月期の74%増益に続き、25年12月期も前期比28%増の2億2600万円予想と高水準の伸びを継続する見通し。依然として株価に値ごろ感があるが、それ以上に、ユニークなビジネスモデルを確立させている内需系成長株として50億円前後の時価総額は見直し余地が意識されているようだ。 株探ニュース