話題株ピックアップ【夕刊】(1):荏原、フジミインコ、サイボウズ

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■荏原 <6361>  2,667.5円   +239 円 (+9.8%)  本日終値  東証プライム 上昇率4位
 荏原<6361>が大幅高で4日続伸。前日の米国株市場でエヌビディアが最高値を更新したことを受け、東京市場でもエヌビディア関連の最右翼であるアドバンテスト<6857>をはじめ半導体セクターの株価を強く刺激している。そうしたなか半導体製造装置の主力どころだけでなく、半導体関連の出遅れ株にも物色の矛先が向いており、その代表格が時価総額で1兆2000億円前後に達する荏原だ。ポンプの総合メーカーとして世界トップクラスだが、半導体研磨装置でも抜群の商品シェアを誇っている。海外投資家などの機関投資家の組み入れ対象として注目度がにわかに高まったもようだ。

■フジミインコ <5384>  2,079円   +184 円 (+9.7%)  本日終値  東証プライム 上昇率5位
 フジミインコーポレーテッド<5384>がマドを開けて急伸。後場に一段高となり2000円の大台に乗せた。同社は半導体ウエハーの研磨剤で世界首位のニッチトップ企業。エヌビディアが25日の米株式市場で最高値を更新し、半導体セクターへの資金回帰が鮮明となるなかで、同社株への選好姿勢も強まっている。フジミインコは今期は最終減益の計画とはいえ、25年3月期は無借金経営で自己資本比率は3月末時点で83.7%と財務は盤石。中期的な業績成長への期待感も根強い同社に対しては、外資系証券が投資判断を弱気評価から中立に見直す動きも相まって、株価水準の一段の切り上げに寄与したとみられている。

■サイボウズ <4776>  3,740円   +270 円 (+7.8%)  本日終値  東証プライム 上昇率9位
 サイボウズ<4776>が物色人気を集めた。25日取引終了後、25年12月期連結業績予想について売上高を360億400万円から372億200万円(前期比25.4%増)へ、営業利益を84億3700万円から90億5100万円(同85.0%増)へ上方修正すると発表した。クラウド関連事業の積み上げ額が当初想定より好調に推移しているため。これが好感された。あわせて、プロバスケットボールクラブ「愛媛オレンジバイキングス」を運営するエヒメスポーツエンターテイメント(松山市)を子会社化すると発表した。エヒメスポーツエンターテイメントと資本・業務提携を結ぶとともに、同社の第三者割当増資引き受けにより株式を取得する。両社のリソースを活用した新たなサービスやコンテンツの開発、スポーツビジネスの普及に向けた啓蒙活動などに取り組む構え。

■富士製薬工業 <4554>  1,416円   +86 円 (+6.5%)  本日終値
 富士製薬工業<4554>は高い。25日取引終了後、緊急避妊薬のレボノルゲストレル錠1.5mg「F」についてスイッチOTC医薬品としての製造販売承認申請を行ったと発表。これが手掛かりとなった。具体的な承認時期などは未定とした。同避妊薬は国内シェア約90%を占めるという。スイッチOTC医薬品とは医療用医薬品として長い間使用され、有効性・安全性が確立された成分をOTC医薬品に転用したもの。

■ソフトバンクグループ <9984>  9,830円   +514 円 (+5.5%)  本日終値
 ソフトバンクグループ<9984>が大商いで切り返し急。先物主導のインデックス買いも反映し、同社株とアドバンテスト<6857>、ファーストリテイリング<9983>の3銘柄で日経平均の上昇分の半分以上を占めている状況となっている。前日の米国株市場ではAI半導体関連のシンボルストックであるエヌビディアが上場来高値に買われマーケットの注目を浴びており、トランプ米政権下での大規模AIインフラ構築計画を主導するソフトバンクGにも機関投資家とみられる大口の買いが流入している。個人投資家にも人気があるが、直近は信用買い残の整理が進捗していたことも上値を軽くしている。

■アドバンテスト <6857>  10,700円   +510 円 (+5.0%)  本日終値
 アドバンテスト<6857>が3連騰、1月10日につけた上場来高値1万430円の更新を果たした。前日の米国株市場では画像処理半導体大手のエヌビディアが4%を超える上昇でほぼ高値引けという異彩人気となり、上場来高値を更新した。アナリストによる目標株価引き上げの動きが買いを呼び込む材料となり、AI市場の先行きに対する強気な見通しも、最先端AI半導体を手掛ける同社株に追い風となった。これを受け東京株式市場では、エヌビディア向けに半導体検査装置を納入するアドテストの株価を改めて刺激している。

■シンフォニア <6507>  9,120円   +330 円 (+3.8%)  本日終値
 シンフォニア テクノロジー<6507>が3日続伸。岩井コスモ証券は25日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに、目標株価を9000円から1万2800円に引き上げた。市場が急拡大している航空宇宙防衛分野と半導体関連を牽引役に高成長が期待され、株価の更なる水準訂正を見込んでいる。28年3月期を最終年度とする新中期経営計画では、受注高1700億円、売上高1600億円、営業利益は225億円を掲げた。25年3月期の実績に対して受注高は1.2倍、売上高は1.3倍、営業利益は1.4倍を目指す。航空宇宙防衛分野では、国内唯一の航空機用電源システムメーカーとして防衛向けを強化するほか、半導体関連では世界シェアトップのロードポート(搬送ケースからウエハーを取り出す装置)などが伸びる。新中計では強気の目標を掲げたが、追い風が日増しに強まっており達成確度は高い、と同証券ではみている。

■ダイナマップ <336A>  1,273円   +42 円 (+3.4%)  本日終値
 ダイナミックマッププラットフォーム<336A>は反発。この日午前10時ごろ、令和7年度総務省事業「新東名高速道路の一部区間における自動運転レベル4トラック実証と連携したV2N通信を用いたユースケース実証に関する検討」へ参画すると発表した。同社はダイナミックマップデータを受信して可視化するアプリケーションの構築や実証、有効性評価を実施する。これが材料視された。

■さくらインターネット <3778>  4,620円   +150 円 (+3.4%)  本日終値
 さくらインターネット<3778>が後場急伸。同社はきょう、理化学研究所(埼玉県和光市)計算科学研究センター(R―CCS)と、教育活動を通じた計算科学分野及びデジタル・クラウド分野の拡大普及における連携協力に関する基本合意書を締結したと発表しており、これが株価を刺激したもよう。また、同社は25日に気象庁とハイパフォーマンス・コンピューティング・クラウドサービスの提供について契約したことを明らかにしており、これを材料視する動きもあるようだ。

■三菱重工業 <7011>  3,548円   +113 円 (+3.3%)  本日終値
 三菱重工業<7011>が反発。ここ中東での地政学リスク後退を背景に防衛関連の筆頭株である同社も上値の重い展開だったが、目先押し目買いの動きが活発化し再浮上に転じている。25日までの日程で北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が開かれていたが、ここで加盟国の国防費支出に関して2035年までに国内総生産(GDP)比で5%とすることを決定、これが東京株式市場で改めて防衛関連株への投資資金流入を誘っている。三菱重以外では日本製鋼所<5631>、シンフォニア テクノロジー<6507>、NEC<6701>、東京計器<7721>などが買いを集めた。

株探ニュース

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