沖縄経済の起爆剤に、「ジャングリア」開業で潤う銘柄群を徹底追跡! <株探トップ特集>

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コラム

―経済効果6兆円とも、実績多数のマーケティング会社が仕掛ける大自然没入型テーマパーク―

 今年話題のスポットと言えば「JUNGLIA OKINAWA(ジャングリア沖縄)」だろう。7月25日の開業まで、あと1ヵ月ほどに迫ってきた。 沖縄本島北部に広がる自然を舞台に、最新鋭のアトラクションやショーなどのエンターテインメント、地元食材を使用したグルメといった“都会にはない興奮と贅沢”を体験できる大自然没入型 テーマパークという。温浴施設も併設されるほか、パーク周辺には複数のホテルも立地しており、多くの集客が見込まれる。大きな経済波及効果が期待されるジャングリア、その関連銘柄をまとめた。

●運営会社に出資する企業多数

 パークの企画運営を主導するのが、これまで数々のプロジェクトを手掛けてきたことで知られるマーケティング会社の刀(大阪市)であることも話題を呼ぶ一つの要素となっている。同社の実績には「ハウステンボス」のブランド再設計や「西武園ゆうえんち」のリニューアル、東京・お台場の没入型体験施設「イマーシブ・フォート東京」などがある。

 刀が中心となって2018年に設立したパークの運営主体「ジャパンエンターテイメント」に出資する企業が、まずは要マークとなる。設立時から出資している企業の一つに近鉄グループホールディングス <9041> [東証P]がある。同社は沖縄を重要な事業エリアに位置付け、同地域での事業展開を検討してきた経緯がある。地元企業との連携を通じ、ホテル、観光、不動産分野での事業参画や収益獲得に取り組む方針だ。

 出資企業にはこのほか、オリオンビール、リウボウ、ゆがふホールディングスといった地元企業も名を連ねる。上場企業では沖縄銀行を傘下に持つおきなわフィナンシャルグループ <7350> [東証P]、家賃保証最大手の全保連 <5845> [東証S]が挙げられる。このうち、全保連はジャングリアを巡る話題に対する株価の感応度が高く、開業までのこの1ヵ月間は目が離せない。ジャパンエンターテイメントがジャングリアの開業予定日を7月25日に決定したと発表した今年1月28日の翌日、同社株は商いを伴って一時7.7%高の800円まで突発人気化した。その後、三菱UFJグループとの資本・業務提携を手掛かりにした急騰場面を経て、足もとは800円前後で推移している。業績は最高益トレンドをたどり、配当利回りは4%台と株価指標面からも魅力的だ。

●パートナー企業にも注目

 次に注目したいのが、パークの運営をさまざまな側面から支援するオフィシャルパートナーだ。パーク内の飲料提供はオリオンビールや沖縄コカ・コーラボトリング、物流サービスはSGホールディングス <9143> [東証P]傘下の佐川急便、決済サービスは琉球銀行 <8399> [東証P]がサポートする。旅行大手のJTB、コンビニのファミリーマート・沖縄ファミリーマート、損保大手の三井住友海上火災保険に加え、INFORICH <9338> [東証G]、エスクリ <2196> [東証S]もパートナーとして参画している。

 インフォRはモバイルバッテリーシェアリングサービス「ChargeSPOT(チャージスポット)」を運営する。コンビニや駅、携帯ショップなどさまざまな場所で携帯電話のバッテリーをレンタルできるというもの。北海道から沖縄まで全国展開し、中国や香港、台湾、タイ、シンガポール、オーストラリアと海外にも進出。更に欧州での事業展開も目指し取り組みを推進中だ。22年上場の同社は23年12月期には営業黒字へ転換。以降、高成長路線をまい進している。

 エスクリはブライダル事業を手掛ける。4月、ジャングリアのオフィシャルパートナーにウエディング分野の専属事業者として参画すると発表。パーク内で独占的なフォトウエディングを販売するという。同社株は小型で足が軽く、5月下旬に主要株主の異動(SBIグループ→広済堂ホールディングス <7868> [東証P])とラオックスホールディングス <8202> [東証S]との提携を発表し急動意した経緯がある。業績面は冴えないが、今後の株価の動きには目を配っておきたい。

 ジャングリアの誕生は国内客はもちろん、急増するインバウンド客も取り込み、沖縄経済の発展に大きく寄与することが見込まれる。前述のジャパンエンターテイメントによるパーク開業日決定のリリースには経済波及効果についても記述があり、開業から15年で約6兆8080億100万円、雇用創出は88万1531人(関西大学・宮本勝浩名誉教授、大阪府立大学・王秀芳客員研究員による試算)に達するという。経済発展の恩恵は地元企業である沖縄電力 <9511> [東証P]や沖縄セルラー電話 <9436> [東証S]、小売り大手のサンエー <2659> [東証P]にも遠からず及ぶことだろう。


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