株価指数先物【寄り前】 +1σと+2σ辺りのレンジ推移が見込まれる

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先物

大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 38620 +220 (+0.57%)
TOPIX先物 2780.0 +18.0 (+0.65%)
シカゴ日経平均先物 38590 +190
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 23日の米国市場はNYダウ 、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。米軍による核施設への攻撃を受けたイランが報復としてカタールの米軍基地にミサイルを発射したことが伝わると、NYダウは200ドルほど下落する場面もあった。ただし、イランが米国とカタールに攻撃を事前に通知していたことで報復は限定的と受け止められたほか、NY原油先物相場が急落したことで買い戻しの動きが強まった。

 米連邦準備理事会(FRB)のボウマン副議長は講演で、早ければ7月に利下げを支持する考えを示した。20日のウォラーFRB理事に続いて早期利下げに言及したことで、米長期金利が低下し、買いに向かわせた面もあった。

 S&P500業種別指数は、エネルギーのみが下落した一方で、自動車・同部品、食品・生活必需品小売、耐久消費財・アパレル、電気通信サービス、ソフトウエア・サービスの上昇が目立った。NYダウ構成銘柄では、シャーウィン・ウィリアムズ、IBM、スリーエム、ホームデポ、ウォルマートが買われた。半面、アムジェン、シェブロン、アマゾン・ドット・コム、ユナイテッドヘルス・グループが軟調。

 シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比190円高の3万8590円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比90円高の3万8490円で始まった。3万8580円まで買われた後は軟化し、米国市場の取引開始後には3万8220円まで下落幅を広げる場面もみられた。ただし、終盤にかけて急速に切り返しプラス圏を回復。3万8540円~3万8600円辺りでの保ち合いを経て、3万8620円とナイトセッションの高値で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになろう。ナイトセッションではイランの報復攻撃は事前通告を受けていたことで限定的と受け止められたほか、米国で早期利下げ観測が高まったことがショートカバーを誘ったようだ。ボリンジャーバンドの+1σ(3万8450円)を上回って終えたことで、+2σ(3万8940円)とのレンジが意識されやすいだろう。

 中東情勢を巡る懸念が払拭されたわけではないが、過度な警戒感が和らぐなかで、+1σを支持線とした押し目狙いのロング対応に向かわせそうである。週足でも上向きで推移する+1σ(3万9490円)が支持線として意識されやすく、中長期的には+2σ(4万0030円)とのレンジ推移が期待されてきそうだ。

 米国株の上昇は、NY原油先物相場が急落した影響が大きいと考えられる。ただ、イラン国会がホルムズ海峡の封鎖を承認したと報じられているほか、ホルムズ海峡に向かっていた船舶のうち数隻が航行システムに電子妨害を受けて航路を外れたようだ。原油相場の影響を受けやすい状況であることは意識しておきたい。

 日経225先物は+1σと+2σ辺りでのレンジ推移が見込まれ、オプション権利行使価格の3万8500円から3万9000円のレンジを想定する。押し目狙いのロング対応とし、+1σ水準での底堅さがみられる局面では+2σ水準を捉えてくる可能性はありそうだが、同水準では戻り待ち狙いのショートに向かわせよう。

 23日の米VIX指数は19.83(20日は20.62)に低下した。一時22.51まで上昇する場面もみられたが、その後の下げで6月16日以来の20.00を割り込んでいる。25日移動平均線(19.22)、200日線(19.67)を上回っているが、判断の分かれ目となる20.00を下回ってきたことで、リスク選好に向かわせそうである。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で13.90倍に上昇した。朝方は13.81倍まで下げる場面もみられたが、終盤にかけての切り返しで5月14日の戻り高値13.86倍を突破し、4月高値の13.91倍を捉えてきた。+2σ(13.89倍)を捉えてきたことでリバランスは入りやすいだろうが、NTロングでのスプレッド狙いが一段と強まる展開になりそうだ。

株探ニュース

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