株価指数先物【寄り前】 売り一巡後は米株先物を睨んだ展開
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大阪9月限ナイトセッション 日経225先物 38370 +20 (+0.05%) TOPIX先物 2771.5 +6.5 (+0.23%) シカゴ日経平均先物 38300 -50 (注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比) 20日の米国市場はNYダウが上昇した一方で、 S&P500、ナスダックは下落。英国、ドイツ、フランスの3カ国とイランは20日、外相会議を行い、外交努力による仲介が進むとの思惑から中東情勢を巡る過度な警戒が後退し、NYダウは3日ぶりに反発した。一方、トランプ政権が、韓国のサムスン電子とSKハイニックス、台湾積体電路製造(TSMC)に対して、中国工場に米国製の半導体製造装置を出荷する際の規制免除の撤回を伝えたと報じられたことが半導体株の重荷になった。 S&P500指数はテクノロジー・ハード・機器、耐久消費財・アパレル、食品・生活必需品小売が上昇した。半面、メディア、半導体・同製造装置、ソフトウエア・サービスの弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、アップル 、ウォルマート 、スリーエム 、シェブロン 、ゴールドマン・サックス・グループ が買われた。一方で、ユナイテッドヘルス・グループ 、アマゾン・ドット・コム 、エヌビディア 、IBM 、マイクロソフト が下落。 シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比50円安の3万8300円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比110円高の3万8460円で始まった。3万8580円まで買われた後は軟化し、米国市場の取引開始後には3万8230円まで下落幅を広げる場面もみられた。売り一巡後は3万8230円~3万8390円辺りで日中終値を挟んで保ち合い、3万8370円とプラス圏を回復してナイトセッションの取引を終えた。 トランプ米大統領は日本時間の22日、イランの核施設3カ所に攻撃を行ったと発表した。イラン攻撃に米国が本格的に関与したことでイランの反発は必至であり、中東情勢の緊迫化がリスク回避姿勢を誘いそうである。 米国によるイラン攻撃の初動反応となる東京市場ではショートが先行し、イレギュラー的な下げになる可能性がある。為替市場では円相場が一時1ドル=146円台半ばまで円安に振れる場面もみられた。 ただ、その後は週明けの米国市場の反応を見極めたいとする模様眺めのムードが強まりやすく、グローベックスの米株先物を睨んでの相場展開となりそうだ。日経225先物はボリンジャーバンドの+1σ(3万8390円)辺りで攻防をみせているが、25日移動平均線(3万7910円)や200日線(3万7860円)が支持線として意識されるかが注目される。25日線水準で底堅さがみられると、押し目狙いのロングに向かわせる一方、両線を割り込んでくると、-1σ(3万7430円)が射程に入ってくるだろう。 20日の米VIX指数は20.62(19日は22.17)に低下した。足もとでは25日線(19.16)、200日線(19.66)を上回っての推移が目立つが、75日線(23.59)が抵抗線として機能していることでリスク回避姿勢はそれほど強まっていない。ただ、中東情勢の緊迫化によって5月23日につけた直近戻り高値25.53を捉えてくる可能性には警戒しておきたい。 先週末のNT倍率は先物中心限月で13.86倍に上昇した。+1σ(13.76倍)と+2σ(13.86倍)での推移が続くなか、+2σ水準を捉えてきた。米半導体株が売られた流れから指数インパクトの大きい値がさハイテク株には利食いが入りやすいほか、5月14日の戻り高値13.86倍とのダブルトップ形成により、いったんはNTロングを巻き戻す動きが意識されやすい。 株探ニュース