前週末20日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―
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■大幸薬品 <4574> 367円 (+80円、+27.9%) ストップ高 東証プライムの上昇率トップ。大幸薬品 <4574> [東証P]がストップ高。同社は19日、国立感染症研究所(東京都新宿区)との共同研究により、正露丸の主成分である「木(もく)クレオソート」が、魚介類に寄生するアニサキスの運動を抑制する働きがあることを動物を用いた実験で確認したと発表。これを受けて19日の株価は後場急伸したが、20日はストップ高となった。 ■AGP <9377> 1,930円 (+400円、+26.1%) ストップ高 エージーピー <9377> [東証S]がストップ高。同社は20日午前11時30分、オーストラリアの金融大手であるマッコーリーがファンドを通じ、AGPに対し全株式の取得を目的として1株2015円でTOB(公開買い付け)を実施する提案を19日に受けたと発表した。資産査定の実施と、取締役会の賛同などを条件とする。AGP株に対しては、TOB価格を意識した買いが集まった。提案は意向表明であり法的拘束力のあるものではないという。マッコーリーが提案した買付価格は、日本航空 <9201> [東証P]が提案する株式併合による非公開化に関する買取価格(端数処理手続きにおいて交付される金額)の1550円を大きく上回る。提案書には、主要株主であるJALやANAホールディングス <9202> [東証P]、日本空港ビルデング <9706> [東証P]を含む全株主への提案であることが明記されているとし、AGPは19日の取締役会で正式に検討を行うことを決議したとしている。AGPは日本の空港インフラにおいて、電力供給のほか建物や設備のメンテナンスなどを手掛ける。 ■ワイズHD <5955> 89円 (+13円、+17.1%) ワイズホールディングス <5955> [東証S]が急騰。同社は20日、グループのヤマシナが特許出願中であった新開発の樹脂用スレッドフォーミング(タッピング)スクリューに関する「タッピンねじ及びこれを用いた締結構造」が登録査定になったと発表。出願後にPRを開始し、自動車関連メーカーから月産数十万本の量産受注を獲得していることも明らかにしており、これが材料視されたようだ。 ■ヌーラボ <5033> 1,041円 (+150円、+16.8%) ストップ高 ヌーラボ <5033> [東証G]がストップ高。プロジェクト管理ツールを軸としたクラウドサービスを手掛けており、26年3月期の営業利益は成長投資負担やサーバーコストの増加などで営業大幅減益見通しにあるものの、トップラインの2ケタ成長は維持される見込みで成長期待は失われていない。そうしたなか、19日取引終了後、ABEJA <5574> [東証G]と生成AIを活用したタスク管理支援機能の共同開発を開始したことを発表、これが株価を強く刺激する格好となった。 ■コンヴァノ <6574> 7,250円 (+1,000円、+16.0%) ストップ高 コンヴァノ <6574> [東証G]がストップ高。19日の取引終了後、26年3月期の連結業績予想について、売上高を56億円から70億円(前期比2.2倍)へ、営業利益を5億1000万円から10億円(同7.4倍)へ、純利益を3億3400万円から6億5400万円(同8.4倍)へ大幅に上方修正したことが好感された。ネイル事業で、データドリブンなマーケティング強化が顧客基盤の拡大と単価向上の両面で想定を上回る成果を生んでいることに加えて、リピート施策や広告費の最適化による既存顧客数の増加とSNS・デジタル広告の活用などによる新規顧客数の増加を見込むことが要因。また、連結子会社シンクスヘルスケアで5~6月にかけて契約院数が想定よりも順調に増加し取扱高も拡大したことや、同じく連結子会社の虎ノ門キャピタルによる任意組合型ファンドのエグジットが具体化してきたことなどの影響を織り込んだ。同時に、中期経営計画で定めた27年3月期の業績計画について、売上高を100億円から150億円へ、営業利益を10億円から30億円へ上方修正しており、これも好材料視された。26年3月期業績予想の上方修正に伴い、「シナリオ達成の確度が高まった局面でこそ、より挑戦的な目標を掲げることが企業価値最大化に資する」との方針のもと数値目標を引き上げた。 ■オカムラ食品 <2938> 3,805円 (+400円、+11.8%) オカムラ食品工業 <2938> [東証S]が6日続急騰。同社は19日の取引終了後、バルト三国のラトビアでサーモントラウトの養殖事業を開始するため、子会社を通じ現地企業の株式を取得すると発表した。海外での養殖量の拡大による中期的な事業成長を見込んだ買いが入ったようだ。デンマークの子会社の共同事業パートナーであるRiga Bay Aquaculture(RBA)社が、ラトビアのリーガ湾での養殖事業者の採択に関する入札において、落札する段階に至った。今後、環境影響調査を経て、問題がなければライセンスが発給される見込み。手続きの進展に伴い、デンマークの子会社はRBAの株式の51%を取得し、連結子会社化する。オカムラ食品のグループ全体でのサーモントラウトの養殖量は7000トン台。順調にいけばRBAに対し、ラトビア政府から水揚げ量1万トンに相当する養殖ライセンスの付与が見込まれるという。株式の取得価額は3万ユーロを予定。RBAの稼働開始時期は2026年を計画する。設備投資額については検討中であり、今後公表すべき事項が生じた場合には速やかに公表するとしている。 ■ブライトパス <4594> 48円 (+5円、+11.6%) ブライトパス・バイオ <4594> [東証G]が続急騰。今回の発表は、「Nature」「Cell」「Science」などの科学誌の編集者及び世界中の研究者が集うがんと免疫領域における国際的に権威あるカンファレンスで行われたもので、有効性、安全性などについての知見を盛り込み、医薬品としての可能性をより踏まえた内容となったとしている。 ■WTOKYO <9159> 1,799円 (+184円、+11.4%) W TOKYO <9159> [東証G]が続急騰。19日取引終了後、日本アジア投資 <8518> [東証S]と業務提携すると発表した。両社が取り組む地方創生や海外事業においてシナジー創出を目指す。東京ガールズコレクション(TGC)の地方開催やアジア圏を中心とした海外での開催、TGCの商標を活用した事業のほか、両社が組成・運営するファンドの投資先企業との事業連携などを図っていく。これが材料視された。 ■中国塗 <4617> 2,519円 (+201円、+8.7%) 東証プライムの上昇率3位。中国塗料 <4617> [東証P]が急伸。日本経済新聞電子版が20日、「政府・自民党は国内の造船業を復活させるための政策パッケージを策定する検討に入った」と報じた。国が造船所を新設・再建し、既存の造船設備の更新などを担うことで建造能力を増強する案が浮上しているという。報道を受け、造船関連株の一角に対して思惑的な資金が流入したようだ。ジャパンエンジンコーポレーション <6016> [東証S]やダイハツインフィニアース <6023> [東証S]、阪神内燃機工業 <6018> [東証S]が上昇した。 ■HPCシス <6597> 2,217円 (+172円、+8.4%) HPCシステムズ <6597> [東証G]が続急伸。19日の取引終了後、25年6月期の期末一括配当予想を26円から28円へ増額修正したことが好感された。なお、前期は25円だった。 ■メニコン <7780> 1,071円 (+63円、+6.3%) 東証プライムの上昇率8位。メニコン <7780> [東証P]が急反発。19日取引終了後、自社株買いを実施すると発表した。取得上限は230万株(自己株式を除く発行済み株数の3.0%)、または24億円。期間は6月20日~12月20日。会社側では、将来の利益水準や潜在的な企業価値に対して株価は現在割安に推移していると考えているという。株主還元姿勢が好感された。 ■サイオス <3744> 424円 (+25円、+6.3%) サイオス <3744> [東証S]が3日続急伸。前週11日に商い急増のなか上ヒゲで464円まで買われ年初来高値を更新したが、波状的な投資資金の攻勢が続いており、再び新値街道に突入する勢いをみせていた。OSS(オープンソースソフトウェア)をコアテクノロジーにクラウド開発やシステム障害回避ソフトの開発を手掛けるが、人工知能(AI)分野には早くから経営資源を投入して研究開発を進めている。米株市場ではAIハイパースケーラーを提供するコアウィーブが短期間で株価を4倍化させるなどAI関連株の人気が再び顕著となっていた。ここにきて東京市場でも、米国株市場の地合いを引き継いでAI関連株への物色人気がにわかに盛り上がっており、同社株もその流れに乗っていた。 ※20日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。 株探ニュース