【杉村富生の短期相場観測】 ─猛暑に負けるな!強い銘柄を攻める!
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「猛暑に負けるな!強い銘柄を攻める!」 ●AI関連が物色の核(コア)銘柄! 世界は混乱(カオス)の極みにある。政治、経済には不透明感が漂っている。ロシア、イスラエルは“無法”の限りを尽くし、まさしく「やった者勝ち」の状態だ。国際ルール(秩序)はあってなきが如しじゃないか。頼みの綱の国連は何の役にも立たない。G7だって、そうだ。共同声明すら出せない。ロシア、アメリカに配慮したものだろう。 いや~、ウクライナ、イランが気の毒(?)である。しかし、不思議なことに株価は堅調だ。6月13日、NYダウは769ドル安、 NASDAQ指数は255ポイント安と急落したが、週明けの日本市場はまったく影響がなかった。投資家の皆さんはもとより、営業員諸氏に「なぜ、株価が高いのか」と質問を受けたほど。まあ、これが相場である。 古来、「相場のことは相場に聞け」という。すなわち、「株価は何でも知っている」。強さの背景には外国人買い、高水準の自社株買い(2023年が9.6兆円、24年が18兆円、今年1~5月が12兆円)に支えられた需給の良さに加え、中東紛争は「限定的」との読み、トランプ関税の日米交渉は「合意が近い」との極秘情報などがあろう。 外国人は4月第1週から6月第2週に、11週連続の買い越し(現物)になっている。この間の買い越し額は実に、3兆9726億円に達する。世界最大の運用資産(11.6兆ドル→1700兆円)を誇るブラックロックのほか、欧米の年金基金、オイルマネー(ロンドン経由→中東情勢は「不穏なのに」との声がある)が流入している。 う~ん? 相場は難しい。天の邪鬼だ。ただ、国際情勢はトランプ関税の日米交渉、地政学上のリスク(イスラエルとイランの軍事衝突)などを含め、テレビなどのマスコミが大騒ぎするほど、「深刻ではない」ということだろう。要するに、「株価は正直」である。いや、投資家は外部環境に対し、意外に冷静との証明か。 ●アメリカ南北戦争の意味するもの? さて、6月19日のアメリカ市場は休場だった。ジューンティーンス(奴隷解放記念日)である。1861~1865年の内乱(南北戦争)の終結日だ。リンカーンの北軍(東部工業地帯23州、人口2200万人)とリー将軍の南軍(南部農業地帯11州、人口900万人)の闘いは双方の死者が61万人以上に達するほどの悲惨なものだった。分断の始まりである。 ちなみに、第2次世界大戦での米国の死者は40万人だ。この内乱は保護貿易主義の北軍(共和党)と自由貿易主義の南軍(民主党)が「奴隷」の解放、維持を巡って衝突したとされているが、実は第1次産業革命の真っただ中にあった。すなわち、急激な工業化に伴って、人手(南部の黒人労働者)を必要としたのだ。結局、黒人労働者はイリノイ州などの自動車工場に移った。 南部の綿花プランテーション(突然、綿摘み作業員がいなくなった)はどうしたか。切り札は機械化である。これが第2次産業革命につながる。そして、インターネット、コンピュータの普及がもたらした第3次産業革命を経て、現在はAI(人工知能)、IoT、ビッグデータ、 ロボティクス、5G、ブロックチェーン(サイバー空間と現実世界の融合)などが主役の第4次産業革命の時代を迎えている。 物色面では強い銘柄を攻めるのがセオリー(基本)である。営業利益が倍増ペースのAiロボティクス <247A> [東証G] 、時価総額10倍増計画を推進中のAIストーム <3719> [東証S]、値動き抜群のAI inside <4488> [東証G]、PER9.1倍、PBR0.66倍の新コスモス電機 <6824> [東証S]などに注目できる。 さらに、半導体関連のJX金属 <5016> [東証P]、下水道再生の栗本鐵工所 <5602> [東証P]、海底光ケーブル関連の湖北工業 <6524> [東証S]、精工技研 <6834> [東証S]などに妙味あり、と判断する。PER8.4倍のタツモ <6266> [東証P]、PER8.2倍のA&Dホロンホールディングス <7745> [東証P]は引き続き狙える。 2025年6月20日 記 株探ニュース