<注目銘柄>=GSユアサ、再エネとデータセンター・防衛関連が追い風に

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 ジーエス・ユアサ コーポレーション<6674.T>は割安感が強く、業況を踏まえると見直し機運が高まる余地が大きい。自動車用・産業用電池大手である同社の26年3月期業績予想は、売上高が前期比3.4%増の6000億円、最終利益は同8.5%増の330億円を計画。主力事業の自動車用電池でトランプ関税に伴う顧客メーカーを介した間接的な出荷面での悪影響が懸念されるなかで、過去最高益の更新を予想する。

 産業用電池電源部門では系統用蓄電池の市場拡大の恩恵を受けており、24年度の再生可能エネルギー向け補助金関連では約5割の受注をGSユアサ製電池が獲得。今期に期ずれした案件の存在により堅調な業績推移を見込む。同部門では中期的にデータセンター関連での需要増加も期待されるほか、特殊電池部門では政府による防衛費の増額に伴って、潜水艦向けリチウムイオン電池も成長が想定されている。

 日本経済新聞電子版は19日夜、同社が滋賀県守山市で建設予定の電気自動車(EV)向けリチウムイオン電池工場について、「2028年ごろの完成を目指していたが、最大3年遅らせる」と報じた。建設地の埋蔵文化財の調査に時間がかかっているほか、EV市況の低迷も考慮し、着工を延期するという。中長期的な観点では車載リチウムイオン電池事業の収益拡大シナリオに対する影響が懸念される一方、短期的には費用を圧縮させる効果をもたらす可能性もあるだろう。株価は全体相場が調整した4月7日を底値に戻り歩調となった後、200日移動平均線を上抜けたところで頭を抑えられたが、PER(株価収益率)は8倍弱でPBR(株価純資産倍率)は1倍割れと割安感は強い。(碧)

出所:MINKABU PRESS

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