話題株ピックアップ【夕刊】(1):カルタHD、ナブテスコ、ディスコ
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■カルタHD <3688> 1,931円 +400 円 (+26.1%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ CARTA HOLDINGS<3688>はストップ高。日本電信電話<9432>子会社のNTTドコモが16日の取引終了後、同社の非公開化を目指してTOBを実施すると発表しており、TOB価格2100円にサヤ寄せする格好となった。カルタHDの親会社である電通グループ<4324>以外の株主が持つ46.9%の株式を取得する。その後、少数株主から株式併合を通じたスクイーズアウト(強制買い取り)手続きやドコモと電通グループの合弁子会社との株式交換などにより、ドコモがカルタHD株式の51.0%以上を保有するようにする。TOBの買付予定数は1192万8855株(下限342万5400株、上限設定なし)で、8月下旬をメドに買い付けを開始する予定。TOB成立後、カルタHD株は所定の手続きを経て上場廃止となる予定で、この発表を受けて東京証券取引所は同社株を16日付で監理銘柄(確認中)に指定している。なお、カルタHDはTOBに関して賛同の意見を表明している。 ■中野冷機 <6411> 6,850円 +1,000 円 (+17.1%) ストップ高 本日終値 中野冷機<6411>がストップ高。同社は16日の取引終了後、三菱商事<8058>系のファンド運営会社である丸の内キャピタルが特別目的会社(SPC)を通じ、中野冷に対して非公開化を目的として株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した、買付価格は1株7900円で、中野冷の株価はこれにサヤ寄せする動きとなった。買付予定数の下限は167万7200株(所有割合33.48%)で、上限は設定しない。買付期間は6月17日から7月29日まで。TOB成立後、所定の手続きを経て、中野冷の株式は上場廃止となる見通し。丸の内キャピタルは新興国市場への事業展開などを支援する構え。中野冷はTOBに対し賛同の意見を表明した。東京証券取引所は16日、中野冷を監理銘柄(確認中)に指定している。 ■ナブテスコ <6268> 2,484円 +150.5 円 (+6.5%) 本日終値 東証プライム 上昇率10位 ナブテスコ<6268>は大幅高。SMBC日興証券が16日付で投資評価を「2」から「1」へ、目標株価を2500円から3100円へ引き上げたことが買い材料視された。同証券によると、防衛・航空を含むトランスポートソリューション(TRS)事業が利益の牽引役になるとみている。不透明なマクロ環境下で増益確度が高い同事業に焦点を当てたいとし、事業再編や精密減速機の力強い回復で更に株価は上昇するだろうとしている。 ■ディスコ <6146> 36,740円 +2,190 円 (+6.3%) 本日終値 ディスコ<6146>が大幅高で続伸。前日の米国株市場ではエヌビディアをはじめ半導体関連株が買いを集め、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は3%あまりの大幅上昇を示した。足もと外国為替市場で1ドル=145円近辺まで円安が進んだこともあり、東京市場でも半導体主力銘柄への買いが続いている。そのなか、前日はアドバンテスト<6857>が記録的な売買代金をこなし急騰を演じたが、アドテストと同じAI半導体向け製造装置で需要獲得を進めているディスコも、相対的な出遅れ感から水準訂正狙いの実需買いが顕著となってきた。テクニカル的には5月14日の戻り高値3万7150円のクリアが当面の上値ターゲットとして意識されている。 ■イオンファンタジー <4343> 2,732円 +131 円 (+5.0%) 本日終値 イオンファンタジー<4343>が続急伸した。同社は16日の取引終了後、5月度の売上概況を開示した。国内事業における既存店売上高は前年同月比13.7%増となり、増収基調を継続。増収率は4月の7.7%を上回り、2ケタの伸びとなった。業況を評価した買いが集まったようだ。曜日調整後の既存店売上高は11.2%増と同じく2ケタの伸びとなった。プライズ部門が好調を継続した。 ■池田泉州HD <8714> 584円 +26 円 (+4.7%) 本日終値 池田泉州ホールディングス<8714>が大幅高で4日続伸し年初来高値を更新。16日の取引終了後に関東財務局に提出された変更報告書で、地方銀行を主な投資対象とする投資ファンド、ありあけキャピタル(東京都中央区)による株式保有割合が6.44%から7.52%に上昇したことが判明しており、これを受けて需給思惑的な買いが入ったようだ。保有目的は純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為などを行うこととしており、報告義務発生日は6月9日としている。 ■フリー <4478> 3,820円 +150 円 (+4.1%) 本日終値 フリー<4478>は続伸。同社はきょう、済生会熊本病院と医療業界におけるバックオフィスのデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に向けて業務提携したと発表。これが新たな買い手掛かりとなったようだ。同社は今後、済生会熊本病院事務部門と連携し、freeeが提供する統合型クラウドERPの医療機関向け開発のフィードバック及び医療機関におけるfreeeプロダクトの導入に関するサポート、経営企画に関わる病院のバックオフィス支援サービスの開発を行うとしている。 ■マクセル <6810> 1,797円 +32 円 (+1.8%) 本日終値 マクセル<6810>が続伸。16日の取引終了後、村田製作所<6981>及びその完全子会社である東北村田製作所と、マイクロ一次電池事業を譲り受ける株式譲渡契約を締結したと発表しており、好材料視された。村田製が100%出資により新会社を設立し、村田製及び東北村田製のマイクロ一次電池事業を移管したうえで、マクセルが26年3月期中に新会社の株式を100%取得する。新会社株式取得に係る対価は80億円だが、承継日時点の承継棚卸資産簿価などにより価格調整が発生する可能性があるという。今回の事業譲受により、マクセルでは年間約100億円規模の増収効果を見込むほか、現在展開するエネルギー事業とのシナジーを含めて更なる事業拡大を目指す。なお、26年3月期業績への影響は軽微としている。 ■電通総研 <4812> 6,790円 +100 円 (+1.5%) 本日終値 電通総研<4812>が続伸。午後1時ごろ、資金管理システム「Ci*X Treasury(サイクロス トレジャリー)」の提供を開始すると発表しており、好材料視された。「Ci*X Treasury」は、同社がこれまで培ってきた会計領域の知見と最新のコンシューマー向けテクノロジーを融合したエンタープライズソリューション「Ci*X」シリーズの第5弾製品。企業の資金管理業務や財務業務を標準化し、グループ経営を推進する企業グループ全体の資金をリアルタイムで可視化することで、資金効率向上のための迅速な意思決定を支援する。 ■三井住友FG <8316> 3,628円 +23 円 (+0.6%) 本日終値 三井住友フィナンシャルグループ<8316>が堅調推移。みずほフィナンシャルグループ<8411>が後場に一段高となり、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>はプラス圏に再浮上する場面があった。日銀は17日、金融政策決定会合の結果を発表。政策金利は0.50%程度と市場の大方の予想通り据え置いた。長期国債の買い入れ減額方針に関しても事前の報道に沿った内容となり、2026年1~3月までは買い入れ予定額を原則として毎四半期4000億円程度ずつ減額。同4~6月以降は毎四半期2000億円程度ずつ減額し、27年1~3月に2兆円程度とする計画を決めた。あわせて国債補完供給に関して、減額措置の要件緩和の対象となる国債の銘柄を拡充することも発表している。一連の発表を受け円債市場で債券先物は売られ、長期金利に上昇圧力が掛かっており、金利上昇が業績に好影響をもたらす銀行株の支援材料となったようだ。 株探ニュース