利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第2弾 39社選出 <成長株特集>
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本特集では、4月下旬から5月中旬までの決算発表集中期間に随時配信した「利益成長“青天井”銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。 今回は8日に配信した時価総額1800億円以上の銘柄を対象とした「第1弾」に続き、8日時点の時価総額が550億円以上1800億円未満の銘柄を対象に、25年1-3月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。 下表では、本決算月にかかわらず、25年1-3月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している39社を選び出し、1-3月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。 上振れ率トップとなったのは、業務支援型クラウドツールを主力とするSREホールディングス <2980> [東証P]。25年1-3月期(第4四半期)は大型医療福祉施設との契約を獲得したヘルスケア領域を中心にAIクラウド&コンサルティング事業が拡大したほか、ライフ&プロパティソリューション事業における不動産の大型案件も寄与し、経常利益は16億円とこれまでの過去最高益を86.6%も上回って着地。続く26年3月期の同利益は前期比25.7%増の36.5億円と9期連続の最高益更新を見込み、配当は前期比3円増の18円に増配する計画だ。 2位には金融向けクラウド基幹システムを提供するFinatextホールディングス <4419> [東証G]が入った。1-3月期(第4四半期)は主力の金融インフラストラクチャ事業で証券会社や保険会社のパートナー数が増加したほか、ビッグデータ解析事業では生成AI関連プロジェクトの獲得でデータAIソリューションが大きく伸び、売上高、経常利益ともに過去最高を大幅に更新した。続く26年3月期の同利益は前期比95.1%増の18.4億円と2期連続で過去最高益を更新する見通しを示したことも評価され、株価は5月19日に上場来高値1394円まで上値を伸ばす場面があった。 3位にリスト入りした弁護士ドットコム <6027> [東証G]の1-3月期(第4四半期)は経常利益が前年同期比60.7%増の6.3億円と8四半期ぶりに過去最高益を達成した。電子契約サービスへの旺盛な需要を背景に、クラウド型の電子契約サービス「クラウドサイン」の新規顧客が増加したことに加え、利益率の高いサービスの伸長や販管費の減少も大幅増益につながった。併せて発表した26年3月期の同利益は前期比42.3%増の20億円と3期連続の最高益更新を見込む。 4位のサイボウズ <4776> [東証P]は主力の業務システム構築プラットフォーム「kintone(キントーン)」を中心にクラウドサービスの契約企業が引き続き増加したほか、昨年11月に実施した値上げ効果も寄与し、1-3月期(第1四半期)の経常利益は25.2億円(前年同期比76.6%増)と2四半期連続で過去最高益を更新した。25年12月期の同利益は84.9億円(前期比59.2%増)と3期連続の過去最高益を計画している。 5位にリストアップされた荷物用エレベーター大手である守谷輸送機工業 <6226> [東証S]の1-3月期(第4四半期)は経常利益が前年同期比59.3%増の14.1億円に伸び、3四半期連続の最高益更新を遂げた。新設エレベーターで原価増加に伴う価格転嫁が浸透したうえ、修理案件の取り組み強化によって保守・修理の受注が大きく伸びた。26年3月期の同利益は前期比3.1%増の43.3億円と3期連続の最高益更新を計画し、配当も前期比4円増の42円に増配を見込む。株価は上場来高値の更新が続いている。 6位は三井系の空調設備工事会社、新日本空調 <1952> [東証P]がランクイン。1-3月期(第4四半期)はオフィスビルや複合施設などの大規模改修工事が増加したほか、データセンターや工場関連の設備投資が引き続き活発で産業分野も大きく伸びた。また、プロジェクト管理の効率化も進み、経常利益は61.6億円(前年同期比46.4%増)と5年ぶりに過去最高益を更新した。同時に発表した26年3月期の同利益は前期比4.4%増の125億円と5期連続で最高益更新を見込む。空調工事では朝日工業社 <1975> [東証P]が9位、テクノ菱和 <1965> [東証S]が10位にそれぞれリスト入りしている。 7位に入ったのは業者間のネットオークションを運営するオークネット <3964> [東証P]。1-3月期(第1四半期)は新型スマートフォンの買い替え需要が想定以上に好調で中古スマホの流通台数が増加したほか、中古車オークションにおける成約単価の上昇なども寄与し、3年ぶりに過去最高益を更新した。業績好調に伴い、減益予想だった25年12月期の経常利益を一転して5期連続の最高益見通しに上方修正するとともに、配当も増額修正したことも好感され、株価は上場来高値圏に浮上している。 14位のジェイエイシーリクルートメント <2124> [東証P]は主力の国内人材紹介事業が金融、メディカル・医療、IT・通信を中心に大きく伸びたうえ、コスト構造の見直しなどもプラスに働き、1-3月期(第1四半期)の経常利益は前年同期比54.4%増の34.2億円に拡大して着地。上期計画の47億円に対する進捗率は72.9%に達しており、業績上振れが期待される。25年12月期の同利益は前期比9.6%増の100億円と4期連続の最高益更新を見込む。好決算を受けて、株価は青空圏を舞う展開となっている。 ┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想 コード 銘柄名 上振れ率 1-3月 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER <2980> SREHD 86.6 1603 859 25.7 3650 2903 26.5 <4419> フィナHD 74.2 453 260 95.1 1840 943 51.7 <6027> 弁護士COM 57.1 633 403 42.3 2000 1405 61.2 <4776> サイボウズ 47.2 2527 1717 59.2 8494 5335 28.1 <6226> 守谷輸送機 46.9 1416 964 3.1 4330 4198 22.0 <1952> 新日本空調 38.2 6161 4458 4.4 12500 11976 11.2 <3964> オークネット 37.2 2996 2183 1.3 7300 7207 14.6 <7685> バイセル 36.8 2335 1707 66.0 6970 4198 23.1 <1975> 朝日工 35.7 3154 2325 0.9 7650 7582 9.7 <1965> テクノ菱和 34.3 4341 3233 4.7 10400 9935 9.9 <5036> JBS 29.7 2528 1949 59.1 7300 4587 13.3 <3482> ロードスター 27.0 5341 4207 8.7 11635 10699 6.0 <7972> イトーキ 21.7 7318 6015 15.0 11500 10004 12.9 <2124> ジェイエイシ 18.5 3424 2889 9.6 10000 9122 22.3 <9347> 日本管財HD 17.7 3357 2851 2.3 9300 9094 16.1 <6741> 日本信号 17.6 7362 6262 0.1 10800 10789 8.8 <3433> トーカロ 16.6 3790 3251 3.5 13000 12561 13.2 <2216> カンロ 15.6 1407 1217 0.6 4340 4315 19.0 <7868> 広済堂HD 14.1 2441 2139 0.2 8050 8032 11.9 <7220> 武蔵精密 13.2 6962 6150 2.9 18500 17981 15.7 <4071> PAコンサル 13.0 1617 1431 23.3 5600 4540 22.9 <1879> 新日本建 12.4 8477 7544 2.3 18800 18369 7.1 <6455> モリタHD 11.4 6884 6177 4.0 14300 13744 9.4 <4481> ベース 11.3 1592 1431 19.8 6272 5236 14.9 <6947> 図研 10.8 1994 1800 6.1 6300 5936 26.9 <6055> Jマテリアル 9.4 4214 3851 14.6 13000 11340 16.8 <9324> 安田倉 6.7 1649 1546 0.5 5000 4977 16.3 <3371> ソフトクリエ 6.3 1627 1531 7.6 6200 5764 14.7 <3844> コムチュア 6.2 1420 1337 7.3 5000 4660 17.3 <3167> TOKAI 5.4 7234 6863 0.7 17500 17370 13.1 <2326> デジアーツ 4.7 1412 1348 34.8 6150 4562 25.2 <3687> Fスターズ 2.4 765 747 12.8 2600 2305 37.8 <6200> インソース 2.4 1496 1461 21.5 6000 4940 21.4 <6332> 月島HD 2.1 6113 5986 2.4 10500 10254 11.6 <2317> システナ 2.0 3255 3190 7.1 12700 11855 16.6 <9028> ゼロ 1.8 2763 2715 63.8 10200 6227 7.8 * <9823> マミーマート 1.7 2347 2308 2.8 7150 6954 11.2 <9830> トラスコ中山 1.6 5817 5726 5.6 21170 20056 9.4 <8771> イー・ギャラ 1.2 1391 1374 1.9 5300 5203 20.3 ※2024年6月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。 ※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準、米国会計基準を採用する銘柄。 株探ニュース