<動意株・11日>(大引け)=グリッド、クリングル、トライアルなど

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 グリッド<5582.T>=上値追い加速。電力の需給計画や海運の配船などAIを活用して最適なプランを提供する計画最適化事業を展開しており、業績も好調を極め、24年6月期の76%営業増益に続き、25年6月期も10%増益と成長路線をまい進する。また、同社は量子コンピューター分野に早くから取り組んでいることが改めて注目されている。既に2017年にIBM<IBM>の実機を使った研究開発をスタートさせ、21年には量子アルゴリズムに関する特許申請も行っている。アルゴリズムはハードがなくても、開発を進捗させることが可能。ハードが出来てから開発するのではなく、ハードの完成とともに使えるソフトウェアを準備しておくことが重要との考え方を会社側では示しており、同社の量子分野への取り組みにそれが反映されている。

 クリングルファーマ<4884.T>=ストップ高。同社はきょう、脊髄損傷急性期の患者に向けて開発中の組み換えヒトHGFタンパク質「KP-100IT」に関し、米食品医薬品局(FDA)から希少疾病用医薬品指定を取得したと発表した。同社の発表に先立ち、FDAが指定の公表を行っていた。新薬の実用化に向けた動きが加速するとの期待から、買いが集まったようだ。今回の指定を受け、新薬の承認後には米国内で7年間の市場独占権が与えられるほか、開発企業は臨床試験費用の税額控除や迅速審査などの優遇措置が受けられるようになるという。指定は米国時間10日付。日本国内では2019年9月に希少疾病用医薬品指定を受けており、現在、医薬品製造販売承認の申請に向けて準備を進めている。

 トライアルホールディングス<141A.T>=上値指向で5日続伸。同社は10日取引終了後、5月度の月次売上高速報(小売)を公表。既存店売上高は前年同月比3.6%増となり、48カ月連続で前年実績を上回った。商品別では、パックごはんやレトルト食品に加えて、コーヒーなどの嗜好品が伸長。冷凍食品なども堅調だった。また、非食品では工具などのDIY用品が好調に推移した。なお、全店ベースの売上高は同14.1%増となっている。

 Synspective<290A.T>=動意含み。同社は10日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から先進レーダー衛星「だいち4号(ALOS-4)」のデータ・サービス事業者として選定されたことを明らかにしており、これが買い手掛かりとなっているようだ。同社は、これまでの「だいち2号(ALOS-2)」の活用実績を生かしながら、ALOS-4で取得した衛星データの販売網を拡大し、国内外、特にアジア圏での利用促進を図る計画。同社の小型SAR(合成開口レーダー)衛星「StriX(ストリクス)」とあわせることで、顧客が利用可能なSAR画像を増やすことができ、新たな価値創出の促進につながるとしている。

 大真空<6962.T>=マド開け急伸。水晶デバイス専業大手で水晶振動子の商品シェアは世界首位級。売り上げの9割近くを海外で占めており、時価総額200億円未満の小型株ながら、グローバルニッチトップの一角として存在感を示している。スマートフォン向け水晶発振器では、人工知能(AI)をクラウド利用ではなく内蔵させるエッジAIが普及していく方向にあるなか、ノイズ耐性に優れる同社の差動出力発振器へのニーズが高まっており、今後収益環境に追い風が吹きそうだ。26年3月期は営業利益が前期比2.2倍の20億円を見込む一方、PBRが0.5倍に満たず会社解散価値の半値水準に株価が放置されており、5%前後の高配当利回りも注目されているようだ。

 物語コーポレーション<3097.T>=上げ足強め新値街道復帰。10日の取引終了後に発表した5月度の月次売上高(速報値)で、既存店売上高が前年同月比11.7%増となり、12カ月連続で前年実績を上回ったことが好感されている。主力の焼肉部門が同11.5%増と2カ月ぶりにプラスに転じたことに加えて、ラーメン部門が同12.1%増となったことが牽引役となった。なお、全店舗売上高は同21.1%増だった。

※未確認情報が含まれる場合があります。株式の売買は自己責任に基づいて、ご自身でご判断ください。

出所:MINKABU PRESS

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