株価指数先物【寄り前】 +2σ突破を意識しつつ押し目狙いのロング対応に

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先物

大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 38370 +140 (+0.36%)
TOPIX先物 2793.0 +7.0 (+0.25%)
シカゴ日経平均先物 38375 +145
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 10日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。台湾積体電路製造(TSMC)が、2025年5月の売上高(速報値)が前年同月と比べ大幅に伸びたことが材料視され2.6%超の上昇となった。これが好感される形でエヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズなど半導体関連株全般へ買いが広がった。

 ロンドンで開催されている米中貿易協議の行方を見極めたいとのムードも強かったが、ラトニック米商務長官は「交渉は順調に進んでいる」と述べ、必要なら11日も継続と伝わった。双方が合意を目指し、貿易戦争の激化を回避したいとの表れと受け止められ、底堅さにつながった。

 S&P500業種別指数は、自動車・同部品、耐久消費財・アパレル、医薬品・バイオテクノロジーが上昇した。一方で、保険、資本財、消費者サービスが下落。NYダウ構成銘柄では、ナイキ、ウォルトディズニー、メルク、シェブロンが買われた半面、セールスフォース、マクドナルド、トラベラーズ、シスコシステムズの弱さが目立った。

 シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比145円高の3万8375円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比10円安の3万8220円で始まった。直後につけた3万8140円を安値に持ち直し、3万8200円~3万8250円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを上抜け、終盤にかけて3万8400円まで上げ幅を広げ、3万8370円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることになろう。ナイトセッションではボリンジャーバンドの+1σ(3万8080円)を上回っての推移となり、+2σ(3万8450円)とのレンジ内での値動きだった。3万8000円固めから+2σを捉えてくるようだと、短期的には+3σ(3万8820円)が射程に入ってくるため、5月13日につけた直近戻り高値の3万8790円をターゲットとしたショートカバーを誘う展開も意識されよう。

 米中通商協議の行方を見守るなかで、新しいニュースが伝わってくるようだと、アルゴリズム発動によってトレンドが出やすくなると考えられる。それまでは積極的な売買は手控えられ、スキャルピング中心の動きになりそうだ。ただ、ラトニック商務長官の発言からは、双方が合意を目指していると受け止められ、協議進展への期待から押し目待ち狙いのロング対応に向かわせそうである。

 日経225先物の25日移動平均線(3万7710円)と200日線(3万7680円)のゴールデンクロス示現により、上向きのトレンドが意識される。週末に6月の先物・オプション特別清算指数算出日(メジャーSQ)を控え、限月交代に伴うロールオーバーが中心となるなかでは、+1σと+2σによるレンジがコンセンサスとなるだろう。ただし、+2σを突破してくる局面ではヘッジ対応の動きが強まる可能性も考えられ、オプション権利行使価格の3万8125円から3万8875円のレンジを想定しておきたい。

 10日の米VIX指数は16.95(9日は17.16)に低下した。25日線(19.10)と200日線(19.62)とのデッドクロス示現により、下向きのトレンドは継続。3月26日の16.97を下回ってきたことで2月14日の14.74が射程に入っており、リスク選好に向かわせそうである。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で13.72倍に上昇した。一時13.74倍まで切り上がり、+1σ(13.73倍)を捉えてきた。いったんは達成感が意識されるものの、25日線、75日線が位置する13.65倍が支持線として意識されるほか、米半導体株が買われた流れを引き継ぐ形で日経平均型優位の展開になるとみられ、NTロングに振れやすいだろう。

株探ニュース

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