株価指数先物 【週間展望】―G7サミットを前にショートポジションを圧縮する動き

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先物

 今週の日経225先物は、ロング優勢の相場展開が見込まれる。赤沢亮生経済再生相は6日、5回目の日米関税交渉でベッセント米財務長官、米ラトニック商務長官と個別に交渉を行った。赤沢大臣は会見で双方の主張には依然として隔たりがあるとの認識を示しているが、6月15日~17日の主要7カ国首脳会議(G7サミット)での合意を視野に入れており、交渉進展への思惑がショートを手控えさせそうだ。

 週末13日は6月の先物・オプション特別清算指数算出日(メジャーSQ)となる。そのため、週半ば以降は限月交代に伴うロールオーバーが中心になり、基本的には大きなトレンドは出にくい需給状況である。ただし、積極的な売買は手控えられるものの、G7サミットを前にショートポジションを圧縮する動きが意識されて、上へのバイアスが強まる可能性はあるだろう。

 日経225先物は5月13日につけた3万8790円をピークに調整を継続するなかで、5月26日の3万6450円を直近安値に、75日移動平均線を支持線とする形でリバウンドをみせた。その後は200日線を突破したが、同線を支持線とした3万7500円~3万8500円辺りでの推移となった。先週は3万7250円~3万7850円処の狭いレンジで推移しており、煮詰まり感が意識されている。

 先週は200日線を挟んでの値動きが続き、方向感の定まらない状況であったが、上向きで推移する25日線が支持線として機能している。この25日線(3万7580円)と200日線(3万7640円)との乖離はナイトセッションで60円程度まで縮小してきた。今週にも両線がゴールデンクロスを示現する可能性があり、25日線を支持線としたトレンドが継続するようだと、リバウンド基調の強まりも期待されよう。

 SQ週のためロールオーバーが中心になるが、トレンドが出てくるとヘッジ対応の動きが活発になり、バイアスが強まる可能性がある。ボリンジャーバンドは収斂しており、ナイトセッションで+1σ(3万7980円)を上回ってきた。そのため、-1σ(3万7180円)から+2σ(3万8380円)のレンジを想定。上へのバイアスが強まった場合、+3σ(3万8780円)辺りまでのブレイクがありそうだが、ピーク形成には注意しておきたい。

 6日の米国市場では、主要な株価指数が上昇した。前日までに発表された5月の米ADP雇用統計や新規失業保険申請件数が労働市場の伸びの鈍化を示す内容だったため、米景気の先行きに不透明感が強まっていた。ただし、注目された5月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比13万9000人増と、市場予想(12万6000人増程度)を上回った。4月(14万7000人増)からは減速したものの、予想を上回ったことで労働市場の底堅さを示したと受け止められ、雇用悪化を巡る過度な懸念が後退。NYダウは足もとで上値を抑えられていた200日線を突破した。

 トランプ米大統領は5日、中国の習近平国家主席と電話で協議し、近く閣僚級による通商協議を開くことで合意した。これにより米中貿易摩擦を巡る警戒感が後退する形となったが、トランプ大統領は6日、習主席がレアアースの供給再開に同意したと自身のSNSに投稿した。さらに、米中の通商交渉担当者がロンドンで9日に再開する通商協議の準備を進めていると伝えられている。米中貿易摩擦が和らぐとの期待が支援材料となろう。

 6日の米VIX指数は16.77(5日は18.48)に低下した。週間(5月30日は18.57)でも調整をみせている。25日線を抵抗に200日線での攻防が続くなか、両線から下放れる形状となり、5月16日の直近安値(17.15)と3月26日につけた16.97を割り込んだ。これにより相互関税が警戒されて急伸する前の水準まで下がってきた。目先的には下向きで推移する25日線が抵抗線として意識されてくるとみられ、リスク選好に向かわせやすいだろう。

 先週のNT倍率は先物中心限月で13.61倍に低下した。先週は6月2日の13.49倍から上昇が続き、5日には一時13.64倍まで上げた。抵抗線として意識される25日線を捉えてきたことで、いったんはNTロングを巻き戻す形でのリバランスが入りやすいところだった。ただし、25日線(13.65倍)や75日線(13.66倍)を明確に上抜けてくるようだと、NTロングでのスプレッド狙いの動きが強まりそうだ。

 5月第5週(5月26日-30日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では7週連続の買い越しであり、買い越し額は6360億円(5月第4週は1093億円の買い越し)だった。なお、現物は6165億円の買い越し(同2850億円の買い越し)と9週連続の買い越しであり、先物は195億円の買い越し(同1756億円の売り越し)と2週ぶりの買い越し。個人は現物と先物の合算で3037億円の売り越しと8週連続の売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で1744億円の売り越しとなり、6週連続の売り越しだった。

 主要スケジュールでは、9日に1-3月期GDP改定値、4月国際収支、5月景気ウォッチャー調査、中国5月消費者物価指数、中国5月生産者物価指数、中国5月貿易収支、11日に5月国内企業物価、米国5月消費者物価指数、12日に4-6月期法人企業景気予測調査、米国5月生産者物価指数、13日にメジャーSQ、4月鉱工業生産確報値、米国6月ミシガン大学消費者信頼感指数などが予定されている。

――プレイバック・マーケット――

●SQ値
06月限 日経225 38535.35  TOPIX  2714.56
07月限 日経225 41531.26  TOPIX  2893.54
08月限 日経225 35661.68  TOPIX  2510.68
09月限 日経225 36906.92  TOPIX  2585.41
10月限 日経225 39701.93  TOPIX  2721.72
11月限 日経225 39901.35  TOPIX  2765.26
12月限 日経225 39434.85  TOPIX  2738.68
01月限 日経225 39343.19  TOPIX  2726.70
02月限 日経225 39432.64  TOPIX  2775.06
02月限 日経225 39432.64  TOPIX  2775.06
03月限 日経225 36483.79  TOPIX  2684.98
04月限 日経225 32737.29  TOPIX  2418.70
05月限 日経225 37572.13  TOPIX  2733.00

◆日経225先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
25/06 06月06日  37640  37800  37310  37770  +250
25/06 06月05日  37850  37860  37480  37520  -260
25/06 06月04日  37450  37870  37390  37780  +270
25/06 06月03日  37390  37840  37280  37510  +20
25/06 06月02日  38000  38040  37330  37490  -470

◇TOPIX先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
25/06 06月06日  2759.5  2775.5  2741.5  2773.5  +20.0
25/06 06月05日  2792.5  2794.0  2753.0  2753.5  -33.0
25/06 06月04日  2769.5  2793.5  2765.5  2786.5  +13.5
25/06 06月03日  2770.0  2797.5  2763.5  2773.0  -5.5
25/06 06月02日  2801.5  2803.0  2763.0  2778.5  -19.0

●シカゴ日経平均 円建て
          清算値  前日大阪比
06月06日(06月限) 37990  +220
06月05日(06月限) 37485  -35
06月04日(06月限) 37580  -200
06月03日(06月限) 37760  +250
06月02日(06月限) 37805  +315
 ※前日比は大阪取引所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
        売り   前週末比   買い    前週末比
05月30日    535億円  +170億円 1兆7475億円  +9億円
05月23日    364億円  -214億円 1兆7465億円  +3625億円
05月16日    579億円  +431億円 1兆3840億円  -2266億円
05月09日    148億円  -321億円 1兆6106億円  +162億円
05月02日    469億円  +108億円 1兆5944億円  +511億円
04月25日    361億円  -275億円 1兆5432億円  +752億円
04月18日    637億円  -197億円 1兆4680億円  -3997億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
        売り      前日比  買い       前日比
06月04日    2256万株   +532万株  7億2896万株   +474万株
06月03日    1724万株    +18万株  7億2422万株   -3583万株
06月02日    1705万株   +187万株  7億6006万株   -2398万株
05月30日    1518万株   -194万株  7億8404万株   -1317万株
05月29日    1712万株   -162万株  7億9721万株   +3033万株
05月28日    1875万株   +145万株  7億6688万株   +230万株
05月27日    1729万株   +705万株  7億6458万株   -1906万株
05月26日    1024万株    -32万株  7億8364万株   -463万株
05月23日    1056万株   -254万株  7億8827万株   +9318万株
05月22日    1311万株   -3099万株  6億9508万株   +9825万株
05月21日    4321万株   +2281万株  5億9683万株   -2765万株
05月20日    2039万株   +325万株  6億2448万株   -1157万株
05月19日    1714万株    +43万株  6億3606万株   +3933万株
05月16日    1670万株    +48万株  5億9672万株   -1398万株
05月15日    1621万株   -183万株  6億1070万株   -6579万株
05月14日    1805万株   +306万株  6億7650万株   -1233万株
05月13日    1499万株   +415万株  6億8883万株   -794万株
05月12日    1084万株   +644万株  6億9678万株   -474万株

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