明日の株式相場に向けて=6月相場を左右する「任天堂」と「アイスペース」
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4日の東京市場で日経平均株価は朝方には一時400円を超える上昇となった。しかし、後場に入り買いが手控えられ結局、前日比300円高で取引を終えた。前日の米株式市場でエヌビディア<NVDA>が買われ、時価総額トップ企業に返り咲いたことから東京市場ではアドバンテスト<6857.T>など半導体関連株が買われた。一方、前日発表されたTOB価格にサヤ寄せする格好で豊田自動織機<6201.T>が大幅安となったことが波紋を呼んだ。 日経平均株価は3万8000円ラインを挟んだ一進一退が続く。「トランプ関税による不透明感がなお拭い切れない」(市場関係者)なか腰の入った買いは期待しにくい状況が続く。そんななか、6月相場に入り個別企業によるビッグイベントが予定されており、その結果に相場の方向性は左右される可能性がある。 まずは、明日発売の任天堂<7974.T>の「Nintendo Switch 2(ニンテンドースイッチ・ツー)」に投資家の視線が集まっている。新ゲーム機の発売を機に5月2日につけた1万2540円の最高値を抜けるか、あるいは材料出尽くし感から利食い先行となるか。スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684.T>やコナミグループ<9766.T>といったゲーム株のほか、ホシデン<6804.T>やメガチップス<6875.T>などの動向も注目される。 更に、宇宙関連のビッグイベントが迫っている。日本時間6日未明にispace<9348.T>が月面着陸に挑む。同日の午前4時17分、月の「氷の海」の中央付近に着陸する計画だ。23年4月に挑んだ月面着陸は失敗しており、2年越しの再チャレンジとなる。成功となれば、アイスペースはもちろんQPS研究所<5595.T>やSynspective<290A.T>、アストロスケールホールディングス<186A.T>など宇宙関連株の人気化が予想される。また、アイスペースの宇宙船に関連しているシチズン時計<7762.T>やスズキ<7269.T>、高砂熱学工業<1969.T>なども注目されている。加えて佳境を迎えている日本製鉄<5401.T>のUSスチール<X>買収の結果も近く判明するとみられており、当面は個別銘柄のイベントに注目する展開が続きそうだ。 今晩は米5月ADP雇用統計、米5月ISM非製造業景況感指数、ベージュブック(米地区連銀経済報告)が発表される。ダラー・ツリー<DLTR>が決算を発表する。5日は国内では4月毎月勤労統計調査が発表され、30年国債入札が実施される。積水ハウス<1928.T>が決算発表を行う。明晩は海外では欧州中央銀行(ECB)理事会が開催され、0.25%利下げが予想されている。米4月貿易収支が発表される。ブロードコム<AVGO>が決算発表を行う。 出所:MINKABU PRESS