富田隆弥の【CHART CLUB】 6月は「高値圏もみ合い」か
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「6月は『高値圏もみ合い』か」 ◆前回の本コラムで、日経平均株価は「反転を探る段階」と述べた。その想定通り、5月13日高値の3万8494円からの下げは、75日移動平均線に差し掛かった22日安値の3万6855円で底を打ち上昇に転じた。そして、29日は日本時間早朝に米半導体大手エヌビディアが市場予想を上回る好決算を発表したこともあり、710円高と大きく上昇した。 ◆反転の要因としては、短期テクニカル指標の底値到達や裁定買い残の整理進展があった。さらに、IMM通貨先物で積み上がった「円買い」ポジションの解消売り(円安)が加わるなら、日本株は上昇に弾みをつける可能性もあると見ていた。 ◆その為替(ドル円)は、28日に1ドル=144円近辺だったものが、29日前場に146.28円まで円安に振れた。それを追い風に、ハイテク・輸出関連株が買われ、同時に裁定買いも連動して日経225採用の主力株が上昇して指数を押し上げた。だが、29日の夜になると再び144円付近に押し戻され、為替は「往って来い」となっている。 ◆順調に切り返した日経平均株価。この先「4万円」大台を目指すことも十分に想定される。ただし、チャート的には節目の3万8000円台に差し掛かり、短期テクニカル指標が再び高値圏に近づくこともあり、目先的には「もみ合い」によるスピード調整を挟んでもおかしくない。 ◆カギを握る米国市場では、NYダウが高値圏でもみ合っている。個人消費支出(5月30日)、ISM製造業景気指数(6月2日)、雇用統計(同6日)など、重要経済指標の発表が続き、金利や為替を含めて米国市場も一進一退となりやすく、目が離せない。日米貿易交渉もまだ解決していない。それを踏まえて、6月の日本株は「高値圏でのもみ合い」を想定し、個別株は「押し目買い、吹き値売り」の姿勢で挑みたい。 (5月29日 記、毎週土曜日に更新) 情報提供:富田隆弥のチャートクラブ 株探ニュース