話題株ピックアップ【夕刊】(2):塩野義、豊田通商、三菱ケミG
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■塩野義製薬 <4507> 2,408円 +20 円 (+0.8%) 本日終値 塩野義製薬<4507>が続伸。この日、オピオイド誘発性便秘症(OIC)治療薬ナルデメジントシル酸塩(以下「ナルデメジン」)について、中国での新薬承認申請が受理されたと発表しており、好材料視された。OICは、がんなどの疾患に伴う慢性疼痛を緩和する目的で投与されるオピオイド鎮痛薬を服用することで生じる便秘のこと。身体的負担が大きく、生活の質(QOL)に大きな影響を及ぼすことから、疼痛管理上の大きな課題となっており、より良い疼痛管理を実現するために新たな治療選択肢が求められていた。なお、ナルデメジンは既に日本、米国、欧州、台湾などの国と地域で発売されており、正大天晴が中国本土での販売を担当する。 ■豊田通商 <8015> 3,070円 +16 円 (+0.5%) 本日終値 豊田通商<8015>が朝安スタートもその後は底堅い動きを見せた。この日、ドローン機体及びセンシングデバイスの開発を行うamuse oneself(アミューズワンセルフ、大阪市北区)に出資したと発表しており、好材料視された。アミューズワンセルフ社は11年に設立され、ガソリンとバッテリーを併用することで長時間かつ長距離の飛行が可能なハイブリッドドローンや、測量データの分析・可視化を行うシステムの開発など、ドローン機体の開発・運用からデータ分析までを一貫して提供している。一方、豊田通商は21年にドローン事業子会社「そらいいな」を設立し、長崎県五島市で固定翼型ドローンによる医療用医薬品などの配送を行う物流事業を展開している。今回の出資は、「そらいいな」でのドローン物流事業に加え、アミューズワンセルフ社の技術やノウハウを導入することで、インフラ設備の点検・計測事業への領域の拡大を図ることが目的。「そらいいな」が主体となり、インフラ設備の点検・計測事業を日本全国及び海外へ展開するほか、豊田通商グループが運営している再生可能エネルギー事業における設備・機器の点検・計測や防災分野への進出も視野に入れているという。 ■三菱ケミカルグループ <4188> 770.6円 +3 円 (+0.4%) 本日終値 三菱ケミカルグループ<4188>はプラスに転じた。この日、傘下の三菱ケミカルがオキソ製品の一部を6月16日出荷分から値上げすると発表しており、好材料視された。値上げの対象となるのは2-エチルヘキサノールやノルマルブタノール、イソブタノールなどで、1キログラム15円以上値上げする。製造設備に関わる修繕費や保全投資を含む固定費が上昇していることや、助剤及び物流費のコストアップが続いており、今後も安定的な供給を継続するためには価格改定を実施せざるを得ないと判断した。 ■アストロHD <186A> 672円 +2 円 (+0.3%) 本日終値 アストロスケールホールディングス<186A>が反発。午前11時ごろ、子会社アストロスケールがホンダ<7267>子会社の本田技術研究所と衛星給油口接続システムを共同開発すると発表しており、好材料視された。同共同開発は、軌道上サービスの一つである衛星への燃料補給の実現に向けて行われるもので、アストロスケールは本田技術研究所と共同で給油口接続システムの開発に携わるとともに、これまで獲得してきたRPO(ランデブ・近傍運用)技術と宇宙機開発実績を土台に、同システムを低軌道での化学燃料補給実証に結びつける。なお、実証は29年ごろを予定している。 ■ソフトバンクグループ <9984> 7,614円 -304 円 (-3.8%) 本日終値 ソフトバンクグループ<9984>は反落。日米ともにAI関連株に資金が還流するなかで同社株も前日まで5日続伸し、この間に6%強の上昇をみせていたが、きょうは利食い急ぎの動きが出た。前日の米国株市場では同社傘下の英半導体設計アーム・ホールディングスが5.5%安と急落していることも売りを誘発している面もあるようだ。ソフトバンクGは直近週で信用買い残が再び増勢になっており、需給面では上値が重くなっている。テクニカル的には当面13週移動平均線を巡る攻防が意識されやすい。 ■ルネサス <6723> 1,783円 -66 円 (-3.6%) 本日終値 ルネサスエレクトロニクス<6723>が急落。日本経済新聞電子版が29日の取引終了後、「ルネサスエレクトロニクスが新素材を使った電気自動車(EV)用次世代パワー半導体の生産を断念した」と報じており、嫌気されたようだ。記事によると、EV販売の成長鈍化で市況が悪化したことを踏まえ、炭化ケイ素(SiC)の製品の生産を断念した。高崎工場(群馬県高崎市)で2025年初めにも生産を始める予定だったが、同工場の担当チームを解散したとしている。 ■アライドアーキテクツ <6081> 221円 +50 円 (+29.2%) ストップ高 本日終値 アライドアーキテクツ<6081>がストップ高。午前11時ごろ、ローンチが予定されている「TikTok Shop」に関する店舗開設・運用支援サービスの提供を開始すると発表しており、好材料視された。同サービスでは、アカウント開設からコンテンツ制作、クリエイターとの連携、LIVE配信の企画・運営までを一貫してサポートし、EC事業者がスムーズにTikTok Shopを活用できるよう、戦略立案から実行までをトータルで支援する。また、サービス開始にあわせて先行モニター企業の申し込み受け付けを開始するという。 ■売れるG <9235> 1,510円 +300 円 (+24.8%) ストップ高 本日終値 売れるネット広告社グループ<9235>がストップ高。同社はきょう午前11時30分ごろ、子会社の売れるネット広告社とネットプロテクションズホールディングス<7383>子会社のネットプロテクションズが戦略的業務連携を行い、D2C事業者向けの売り上げ最大化と収益構造改善を支援する新サービスの提供を開始したと発表。これが株価を刺激したようだ。国内後払い決済を手掛けるネットプロテクションズと、D2C特化型クラウド「売れるD2C つくーる」を提供する売れるネット広告社が連携することで、D2C事業者の成長を包括的に支援する新たなモデルを確立することが主な目的。D2C企業の「CPO(顧客獲得コスト)最適化」「ROAS(広告費用対効果)最大化」「LTV(顧客生涯価値)向上」を一気通貫で実現する支援体制の構築を進めるとともに、広告と決済を分断なく設計することにより、D2C業界全体の収益性と顧客体験の向上につなげるとしている。 ■アイズ <5242> 1,604円 +300 円 (+23.0%) ストップ高 本日終値 アイズ<5242>がストップ高。同社は29日取引終了後、「生成AIによる法令チェックツール」に関する技術の特許を出願したと発表。これが材料視されたようだ。この技術は、従来のチェックツールとは異なり、誤字・脱字や複雑な文章の表現を生成AIがチェックすることで、より精度の高い審査が可能。生成AIによる事前チェックにより、審査業務の体制における修正の工数の削減や属人化が解消され、効率化につながるという。 ■リバーエレテック <6666> 464円 +80 円 (+20.8%) ストップ高 本日終値 リバーエレテック<6666>がストップ高まで買われ、年初来高値を更新した。同社はきょう、業界トップクラスの低電圧駆動を実現する水晶発振器「FCXO‐07F」を開発し、出荷を開始したと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。この製品は、進化を続ける半導体微細プロセス技術に対応する水晶発振器として、わずか0.9ボルトから駆動可能という高度な省電力設計を実現。世界最小クラスのパッケージにより、実装面積の限られるモバイル機器やウェアラブルデバイスの省電力化につながるとしている。 株探ニュース