話題株ピックアップ【夕刊】(1):住信SBI銀、JCRファ、GMO-FG

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■住信SBIネット銀行 <7163>  4,685円   +700 円 (+17.6%) ストップ高   本日終値
 住信SBIネット銀行<7163>がストップ高。29日の取引終了後、NTT<9432>傘下のNTTドコモが住信SBI銀に対し、1株4900円でTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。TOBが成立した後、所定の手続きを経て、住信SBI銀は上場廃止となる見込み。住信SBI銀の株価はTOB価格にサヤ寄せする動きをみせている。買付予定数の上限と下限は設定しない。買付期間は5月30日から7月10日まで。三井住友トラストグループ<8309>傘下の三井住友信託銀行とSBIホールディングス<8473>はTOBには応募しない。NTTドコモは少数株主から住信SBI銀株を取得し、住信SBI銀の株主を三井住友信託銀、SBI、NTTドコモの3社とするための株式併合の手続きを取ったうえで、SBIは住信SBI銀の自社株買いに応じて保有株を売却。三井住友信託銀とNTTドコモの住信SBI銀に対する議決権比率はそれぞれ50%とする。住信SBI銀はTOBに賛同の意見を表明。東京証券取引所は5月29日、住信SBI銀株を監理銘柄(確認中)に指定した。NTTドコモは住信SBI銀を子会社化することで、銀行業に進出する。

■JCRファーマ <4552>  541円   +80 円 (+17.4%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率トップ
 JCRファーマ<4552>は急伸。バイオベンチャーのサンバイオ<4592>が29日、「アクーゴ脳内移植用注」を出荷するための承認条件に関わる第3回目の製造結果について、規格試験と特性解析ですべての基準値を満たし適合となったと発表した。これにより今後一部変更申請を行い、承認取得を目指すという。サンバイオはJCRファとの間で、「アクーゴ」の商用製造に向けた試製造に関する製造受委託契約を締結したと今年1月31日付で開示している。JCRファ株に思惑的な買いが向かった。

■GMO-FG <4051>  5,860円   +510 円 (+9.5%)  本日終値
 GMOフィナンシャルゲート<4051>が6連騰。29日の取引終了後、東京証券取引所の承認を受けて、6月5日付で東証グロース市場から東証プライム市場に変更されることになったと発表しており、指数連動ファンドなどによる買い需要発生を先取る形で買われた。同社は、GMOペイメントゲートウェイ<3769>子会社で、クレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済インフラを提供する企業。25年9月期連結業績予想は、売上高222億円(前期比18.7%増)、最終利益13億1600万円(同29.9%増)を見込む。

■キッセイ薬品工業 <4547>  4,290円   +330 円 (+8.3%)  本日終値  東証プライム 上昇率5位
 キッセイ薬品工業<4547>が急伸し、1994年以来の高値圏で推移している。同社は5月7日に中期経営計画を発表しているが、この内容を改めて評価する流れとなっている。同社は希少疾病・難病領域の製品ラインアップを3品目から6品目に拡充し、国内医薬品事業の拡大を図るほか、子宮筋腫などを適応症とする「リンザゴリクス」のグローバル展開に伴う海外ライセンス収入の拡大も狙う。あわせて30年3月期までの5年間で300億円の自社株買いを実施し、配当に合計で270億円を投じる方針を示している。新薬による業績拡大への期待と株主還元姿勢に対するポジティブな見方が広がるなか、この日は国内有力証券による目標株価の増額修正や、外資系証券による投資評価の引き上げの動きが刺激材料となり、投資資金を誘う結果となったようだ。

■Sansan <4443>  2,016円   +123 円 (+6.5%)  本日終値  東証プライム 上昇率9位
 Sansan<4443>が急動意。クラウド型名刺管理サービスを展開し、法人向けのパイオニアで国内トップシェアを誇る。業績はトップラインの急成長が続いていたが、利益面でも開花期に突入しており、24年5月期は営業利益が前の期比6.7倍となる13億3700万円と過去最高利益の大幅更新を達成、続く25年5月期については幅を持たせた予想で、調整後営業利益ベースで30億1200万円~44億400万円としているが、前期比倍増以上の高い伸びが有力視される状況だ。今週26日には、社員が渡す名刺の価値を最大化する「デジタル名刺ソリューション」を発表、紙の名刺の弱点をデジタルで補うサービスで企業のビジネス効率化に貢献することが期待されている。株価は1900円台後半を横に走る25日移動平均線を陽線でブレークした形となっており、大勢トレンド転換を示唆している。

■小糸製作所 <7276>  1,827.5円   +62 円 (+3.5%)  本日終値
 小糸製作所<7276>は4日続伸。29日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を3700万株(自己株式を除く発行済み株数の13.04%)、または500億円としており、取得期間は6月2日から来年5月29日まで。27年3月期までの3カ年累計で2000億円以上の株主還元を実施することを掲げており、この方針に基づき自社株取得枠を設定した。

■三井化学 <4183>  3,285円   +110 円 (+3.5%)  本日終値
 三井化学<4183>が続伸。この日、石油化学事業を主体とするベーシック&グリーン・マテリアルズ(B&GM)事業について、他社との提携推進及び統合・再編に向けて、分社化の検討を開始すると発表しており、好材料視された。B&GM事業は、石化製品や基礎化学品を製造・販売する同社の根幹部門。同社では、長期経営計画の基本戦略における事業ポートフォリオ変革加速のため、同事業については再構築・高機能化・グリーン化により、日本の産業を支える強靱なグリーンケミカル事業を目指すとしており、そのためには他社との提携を推進し、更には経営資源を統合することにより、人財・技術・競争力・事業基盤などの面でともに強靱な事業体を実現する必要があると判断したという。

■レスター <3156>  2,482円   +82 円 (+3.4%)  本日終値
 レスター<3156>が6日続伸。この日、同社と子会社PCIホールディングス<3918>傘下のプリバテックが、ミネベアミツミ<6479>グループのエイブリック及び東芝デジタルソリューションズ(川崎市幸区)と協業し、巡回型漏水検知ソリューションの販売を開始したと発表しており、好材料視された。同ソリューションは、エイブリックの「バッテリレス漏水センサ」が発する無線信号を、東芝デジタルソリューションズの「ifLinkプラットフォーム」で受信し漏水を検知。それらをプリバテックが巡回型漏水検知ソリューションとしてシステムパッケージ化し、レスターが販売するもので、給電が必要な従来型の漏水センサや据置型の受信機器に伴うネットワーク工事が不要で、導入・設置がより簡便となり初期コストを低減することができる。

■日本電信電話 <9432>  160.4円   +4.5 円 (+2.9%)  本日終値
 NTT<9432>が堅調推移。同社は29日の取引終了後、子会社のNTTドコモによる住信SBIネット銀行<7163>へのTOB(株式公開買い付け)とともに、SBIホールディングス<8473>との資本・業務提携を発表した。NTTはSBIが実施する第三者割当増資を引き受ける形で、約1108億円を投じて同社に対して約8.18%出資する。NTTとSBIの両グループはデジタル技術と金融サービスを融合し、相互の強みを発揮していく。株式市場ではNTTが持つ顧客基盤に対し、住宅ローンを含む金融関連のサービスを提供する体制を構築することは、NTTにとっては競争力の更なる強化につながるとの期待感があるようだ。全体相場が調整色を強めるなかで、業績面での安定感も意識され、NTT株への資金流入を誘う格好となった。

■M&Aキャピ <6080>  2,750円   +24 円 (+0.9%)  本日終値
 M&Aキャピタルパートナーズ<6080>が続伸。29日の取引終了後、全国の新聞などと「事業承継・事業成長の選択肢」を広める「地域共創プロジェクト」の一環として、静岡新聞社(静岡市駿河区)及び静岡放送(同)と業務提携契約を締結し、静岡県内における「地域共創プロジェクト」を始動したと発表。同時に、西日本新聞社(福岡市中央区)と業務提携し福岡県内における「地域共創プロジェクト」を始動したと発表しており、両県における事業拡大への期待から買われたようだ。

株探ニュース

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