株価指数先物【寄り前】 エヌビディア効果で+1σが支持線に変わるかを見極め(訂正)

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先物

大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 37940 +240 (+0.63%)
TOPIX先物 2785.5 +15.0 (+0.54%)
シカゴ日経平均先物 37870 +170
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 28日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。米連邦準備理事会(FRB)が公表した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、トランプ政権の関税政策の影響により経済を巡る不確実性が高まっているとして、金融政策の判断には慎重に取り組むのが適切とした。FRBの利下げに慎重な姿勢が改めて示されたことで、NYダウの下落幅は300ドルを超す場面もみられた。

 取引終了後にエヌビディアの決算を控え、持ち高調整の売りが主力株に広がった。トランプ政権が半導体設計ソフトを手掛ける企業に対し、中国への販売を停止するよう求める書簡を送付したと米メディアが報じたことも重荷になった。

 S&P500業種別指数は、不動産のみが上昇した一方で、耐久消費財・アパレル、自動車・同部品、公益事業、素材、エネルギーの弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、ユナイテッドヘルス・グループ、ボーイング、ビザ、アップルが買われた。半面、メルク、ナイキ、シェブロン、シャーウィン・ウィリアムズが下落。

 なお、取引終了後に2025年2~4月期決算を発表したエヌビディアは、人工知能(AI)関連の堅調な需要が引き続き追い風となり、売上高は市場予想を上回った。5~7月期見通しは輸出規制で中国売上高が約80億ドル落ち込むとして予想には届かなかったが、時間外取引で買われている。

 シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比170円高の3万7870円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比50円高の3万7750円で始まった。直後につけた3万7660円を安値にロング優勢の流れが強まり、米国市場の取引開始時には3万7990円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は膠着感が強まり、3万7790円~3万7940円辺りで保ち合い、3万7940円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになろう。エヌビディアは時間外取引で一時5%を超える上昇となり、安心感につながりそうである。日経225先物はナイトセッションで3万8000円を回復することはできず、ボリンジャーバンドの+1σ(3万7980円)水準での攻防となったが、エヌビディアの決算評価によって同水準を突破してくるかが注目される。

 3万8000円を回復して始まり、その後も+1σ水準で底堅さがみられるようだと、改めて+2σ(3万9020円)とのレンジが意識されるため、ショートカバーを誘い込みやすいだろう。一方で、+1σに抑えられる形になると次第に膠着感が強まるとみられるが、200日移動平均線(3万7510円)を上回っての推移により、同線が支持線として意識されやすい。+1σ水準での値動きを見極めつつ、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。

 そのため、オプション権利行使価格の3万8000円を中心とした上下の権利行使価格である3万7500円から3万8500円のレンジを想定する。週末には赤澤亮正経済再生相が3回目の通商協議で会談できなかったベッセント米財務長官と協議を行う予定であるほか、需給面では3月期決算企業の期末配当金の支払いが本格化することが下支えとなり、ショートを仕掛けづらくさせそうである。上値の重さにより短期的にショートが優勢になる局面では、売り一巡後のリバウンド狙いを意識しておきたい。

 28日の米VIX指数は19.31(27日は18.96)に上昇した。一時19.43まで上昇する場面もみられたが、200日線(19.54)が抵抗線として意識されており、判断の分かれ目となる20.00を下回っての値動きだった。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で13.60倍に低下した。一時13.66倍まで上げる場面もあったが、引き続き25日線(13.64倍)に上値を抑えられる形だった。-1σ(13.55倍)とのレンジが続きそうだが、エヌビディアの決算を受けて、指数インパクトの大きい値がさハイテク株に買いが入りやすく、ややNTロングに振れる可能性はあるだろう。ただし、25日線に上値を抑えられる状況が続くようだと、NTショートでのスプレッド狙いに向かいそうである。

株探ニュース

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