株価指数先物【寄り前】 +1σ突破でショートカバーが強まる可能性
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大阪6月限ナイトセッション 日経225先物 38300 +480 (+1.26%) TOPIX先物 2817.5 +40.0 (+1.44%) シカゴ日経平均先物 38350 +530 (注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比) 27日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が大幅に上昇。トランプ米大統領が欧州からの輸入品に50%の関税を課す計画を後退させ、欧州連合(EU)との交渉期限を7月9日に延長したことを受けて、欧米貿易摩擦への過度な警戒感が後退したことが好感された。朝方発表の5月の米消費者信頼感指数は98.0と、市場予想を大きく上回り、4年ぶりの大幅上昇となったことも買いを後押しした。 S&P500業種別指数は、すべてのセクターが上昇しており、自動車・同部品、耐久消費財・アパレル、半導体・同製造装置、メディア、テクノロジー・ハード・機器の上げが目立った。NYダウ構成銘柄では、ナイキ、エヌビディア 、アメリカン・エキスプレス 、ゴールドマン・サックス・グループ 、アムジェン 、アップル 、アマゾン・ドット・コム が買われた。半面、ボーイング 、ユナイテッドヘルス・グループ が小幅に下落。 シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比530円高の3万8350円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比70円高の3万7890円で始まった。直後につけた3万7860円を安値にロング優勢の流れが強まり、米国市場の取引開始時には節目の3万8000円を回復。米国株の上昇を追い風に終盤にかけて上げ幅を広げ、3万8380円まで買われる場面もみられた。引け間際に利食いが入ったものの、3万8300円でナイトセッションの取引を終えた。 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになろう。米国市場の上昇の要因は織り込まれているものの、節目の3万8000円を明確に上抜けてきたことで、ショートカバーを誘う流れに向かわせそうだ。前日の上昇で200日移動平均線(3万7510円)を支持線に変え、ナイトセッションでボリンジャーバンドの+1σ(3万7990円)を突破している。 買い一巡後は3万8000円での底堅さを見極める動きが見込まれるが、+1σでの底堅さが意識されてくるようであれば、+2σ(3万9160円)とのレンジに移行することになりそうだ。5月13日につけた戻り高値の3万8790円が射程に入ってくることで、ショートカバーのほか、押し目待ち狙いのロングにおいても、エントリータイミングを引き上げてくることになりそうである。トランプ大統領の発言に振らされやすい状況により慎重姿勢は崩せないものの、レンジが切り上がってきたことでヘッジ対応のロングも入りやすくなった。 28日に決算発表を控えたエヌビディアは3.2%高だった。中国向けの新しい人工知能(AI)半導体の発売を計画していると伝わったことが材料視されている。これについても織り込まれているが、調整が続いているアドバンテスト<6857>[東証P]や東京エレクトロン<8035>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株には、エヌビディアの決算発表を前に買い戻しの動きが意識され、日経平均型を牽引する形になろう。 週末には赤澤亮正経済再生相が3回目の通商協議で会談できなかったベッセント米財務長官と協議を行う予定のほか、需給面では3月期決算企業の期末配当金の支払いが本格化することが下支えになると考えられ、ショートを仕掛けづらくさせよう。底堅さを見極めつつ、ロング優勢の相場展開になりそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万8000円から3万9000円でのレンジを想定する。 27日の米VIX指数は18.96(26日は20.57)に低下した。再び200日線(19.52)を割り込み、判断の分かれ目となる20.00を下回ったことで、リスク選好に向かわせよう。エヌビディアの決算を受けた、一段の低下が期待されそうだ。 昨日のNT倍率は先物中心限月で13.61倍に低下した。一時13.65倍まで上げる場面もあったが、25日線(13.64倍)が抵抗線として意識されていた。しかし、その後13.59倍まで低下したものの、後場半ばからのソフトバンクグループ<9984>[東証P]の強い上昇が日経平均型を牽引する形で下げ幅を縮めていた。本日はインデックスに絡んで幅広い銘柄が買われることでスプレッドは狙いにくいだろうが、ハイテク株次第ではNTロングに振れる可能性はあるだろう。 株探ニュース