今期活躍期待の【連続最高益】銘柄リスト〔第1弾〕40社選出 <成長株特集>

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コラム

 3月期決算企業の本決算発表がほぼ出そろった。本特集では、25年3月期に経常利益ベースで過去最高益を達成し、26年3月期も成長継続を見込んでいる連続最高益銘柄を探った。

 下表では、今回は第1弾として時価総額4000億円以上の3月期決算企業を対象に、26年3月期に経常利益が連続で最高益を見込み、かつ同利益が前期と比べて5%以上伸びる見通しを示している40社を選び出し、増益率が大きい順に記した。

 増益率トップとなったのは、トヨタ系自動車部品大手のデンソー <6902> [東証P]。26年3月期は為替の円高進行や部材費のさらなる高騰が逆風となるものの、合理化努力や対応力強化などで吸収し、税引き前利益は前期比28.5%増の7430億円と2期連続で過去最高益を更新する見通しだ。前提為替レートは1ドル=145円(前期は152.6円)に設定した。なお、関税政策については不透明な要素が多く、通期業績には織り込んでいない。

 2位に入った楽天銀行 <5838> [東証P]の26年3月期は経常利益が前期比27.5%増の912億円と6期連続の最高益更新を見込む。日銀の政策金利が現状の0.5%が続くとの前提で、貸出金利息や買入金銭債権利息など金利収益が伸びる。選出リストには金利上昇が追い風となる銀行が多く、楽天銀のほか、めぶきフィナンシャルグループ <7167> [東証P]、コンコルディア・フィナンシャルグループ <7186> [東証P]、八十二銀行 <8359> [東証P]、千葉銀行 <8331> [東証P]など8社が入った。

 3位にはエレベーター専業大手のフジテック <6406> [東証P]が入った。26年3月期は日本が好調な受注と価格改定を反映して拡大するほか、東アジアで昨年実施した人員削減や米国での保守価格改定の効果なども寄与し、経常利益は前期比26.2%増の238億円と3期連続で最高益を更新する計画だ。業績好調に伴い、配当は前期比10円増の175円に増配する方針としている。

 4位のSCSK <9719> [東証P]は昨年12月に買収したネットワンシステムズの業績が通期フル寄与するほか、旺盛なIT投資需要を取り込み、26年3月期の税引き前利益は前期比24.3%増の815億円と6期連続の最高益更新を目指す。配当も前期比23円増の94円に増配する計画だ。積極的な株主還元姿勢も好感され、株価は12日に上場来高値4484円まで上値を伸ばしている。

 12位のニデック <6594> [東証P]はトランプ米政権の関税政策など外的要因の悪影響を最小化する取り組みを徹底するほか、事業再編、拠点統合、人員削減など収益構造の抜本的な転換を進める方針とし、26年3月期の税引き前利益は2700億円(前期比14.2%増)と3期連続で過去最高益を更新する見通しだ。前提為替レートは1ドル=140円、1ユーロ=155円に設定した。同時に発表した中期経営計画では、最終年度の28年3月期に営業利益3500億円(前期実績は2402億円)の目標を掲げる。

 15位にリスト入りしたサンリオ <8136> [東証P]の前期業績は「ハローキティ」50周年関連の施策や複数キャラクター戦略が奏功し、経常利益534億円(前の期比89.1%増)と大幅増益を達成した。続く26年3月期は北米や中国を中心にライセンス事業を拡大させ、3期連続の最高益更新を狙う。売上高は1622億円(前期比11.9%増)と1999年3月期に記録した過去最高を27期ぶりに塗り替える計画だ。併せて、中期経営計画の最終年度である27年3月期の営業利益目標を従来の400億円以上→650億円以上に上方修正している。

 選出リストには銀行のほか、SCSKを筆頭にITサービス大手も目立つ。野村総合研究所 <4307> [東証P](18位)、日鉄ソリューションズ <2327> [東証P](20位)、BIPROGY <8056> [東証P](23位)、オービックビジネスコンサルタント <4733> [東証P](26位)、オービック <4684> [東証P](28位)がリスト入りし、野村総研とビプロジーの株価は青空圏を舞う展開となっている。そのほか、きんでん <1944> [東証P](27位)と関電工 <1942> [東証P](34位)の電気設備工事大手2社も決算発表後に上場来高値を更新した。トランプ関税の影響を受けにくい内需系の好決算銘柄として注目を集めているようだ。

           ┌─── 経常利益 ───┐  最高益  予想
コード 銘柄名     増益率 26年3月期 25年3月期 連続期数  PER
<6902> デンソー    28.5  743000  578005    2  10.3 *
<5838> 楽天銀     27.5   91221   71524    6  18.1
<6406> フジテック   26.2   23800   18866    3  26.4
<9719> SCSK    24.3   81500   65547    6  22.9 *
<9072> ニッコンHD  22.7   29400   23969    3  19.4
<7167> めぶきFG   20.8  100000   82801    2   9.8
<7186> コンコルディ  18.1  145000  122764    2  11.2
<8359> 八十二     17.5   75000   63838    2  10.6
<8331> 千葉銀     15.6  124300  107506    4  10.8
<3774> IIJ     15.5   33700   29184    7  20.3 *

<2871> ニチレイ    14.9   45800   39878    3  15.6
<6594> ニデック    14.2  270000  236528    3  15.5 *
<5844> 京都FG    14.1   58100   50915    2  17.7
<2181> パーソルHD  13.7   65000   57156    3  14.5 *
<8136> サンリオ    13.6   60700   53453    2  36.0
<8354> ふくおかFG  12.9  117000  103594    2   9.2
<8334> 群馬銀     12.9   70000   62029    3   9.3
<4307> 野村総研    12.6  151000  134161    5  31.9 *
<8795> T&D     12.3  223000  198595    2  13.9
<2327> NSSOL   11.8   43700   39076    4  24.0 *

<6367> ダイキン    10.5  405000  366446    2  17.0
<5233> 太平洋セメ   10.1   83000   75374    2   6.8
<8056> ビプロジー    9.8   42600   38789    5  19.1 *
<4088> エアウォータ   9.5   81000   73975    3   8.6 *
<1969> 高砂熱      8.7   38000   34970    3  15.2
<4733> OBC      8.5   25000   23044    3  33.3
<1944> きんでん     8.4   70000   64546    2  14.4
<4684> オービック    8.4   97300   89770   14  32.8
<6501> 日立       8.0  1040000  962733    2  24.5 *
<6869> シスメックス   7.9   85500   79221    5  26.6 *

<9706> 日本空港ビル   7.8   38500   35723    3  16.7
<7550> ゼンショHD   7.7   77400   71890    5  29.7
<3092> ZOZO     7.6   69800   64888    6  28.5
<1942> 関電工      7.6   64000   59498    3  13.0
<6503> 三菱電      7.5  470000  437265    3  18.2 *
<7012> 川重       7.0  115000  107518    2  18.7 *
<7011> 三菱重      6.8  400000  374531    3  41.4 *
<6857> アドテスト    6.8  240000  224774    2  27.9 *
<9697> カプコン     6.7   70000   65635    9  34.1
<5947> リンナイ     6.3   53500   50323    4  15.3

<4204> 積水化      5.1  116600  110958    5  12.6

※経常利益の単位は百万円。
※連続期数は同一会計基準における期数。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。

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