【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─親子上場問題で注目すべき4銘柄!

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コラム

「親子上場問題で注目すべき4銘柄!」

●トランプ・イレギュラー・インパクトは和らぐ

 足もとで大きなネガティブ材料が新たに出現しない一方で、大きな買い材料にも欠ける。こんな状況が続いており、日経平均株価は軟調な動きをみせている。5月13日の3万8494円を高値として下落に転じてしまったのだが、週末23日はようやく174円高で終わってくれた。週明けに続伸してくれるのなら、その後についても期待が持てるが、上がらなければ25日移動平均線の3万6378円前後までの下落も計算に入れておきたい。

 現在、日米市場が気にしているのは、国債入札の不人気だ。ともに財政赤字の拡大懸念が背景にあるが、日本の場合、消費税のうち食料品に対する税率をゼロにする案などに、自民党は否定的な姿勢を示した。これにより財政赤字の拡大懸念は当面、東京市場のネガティブ材料にはならないと見てよい。国債入札は今後正常化が見込めることから、株式市場も反発力を取り戻すと考えてよいだろう。

 それを邪魔するものがあるとすれば、それはもちろんトランプ米大統領のイレギュラーな言動となる。しかし、最近はその衝撃度はかなり和らいでおり、たとえ想定外の発言があったとしても、「これで株が下げたら拾っておくか……」くらいの気持ちで受け止めればよい。

●弊害解消への動きが本格化する親子上場問題

 こんな状況下、市場が落ち着くにつれて関心の度合いが高まりそうなのが、 親子上場の問題だ。東京証券取引所は親子上場企業に対し、子会社の上場廃止を含めて改善を求めている。いまなぜこんなことをするのか。親会社は通常、子会社の株式の半数以上を保有する。子会社に対する支配権を行使し、実質的に子会社の経営を左右できる。その弊害としてガバナンスの緩みや利益相反の問題などが指摘されており、これら弊害を排除するために親子上場の解消が不可欠との判断から、東証は本腰を入れて改善を求めているのだが、該当する企業は非常に多い。

 そのため、私はそれらの株価の動きを日々チェックするために、簡易的な親子上場銘柄のリストを作っているので(といっても親会社と代表的な子会社1社を記入してあるだけ)、まずはそれを紹介しておこう。

(1)イオン <8267> [東証P]とミニストップ <9946> [東証P]他
(2)伊藤忠商事 <8001> [東証P]と伊藤忠食品 <2692> [東証P]他
(3)キヤノン <7751> [東証P]とキヤノン電子 <7739> [東証P]他
(4)キリンホールディングス <2503> [東証P]と協和キリン <4151> [東証P]
(5)コロワイド <7616> [東証P]と大戸屋ホールディングス <2705> [東証S]他
(6)ホンダ <7267> [東証P]とユタカ技研 <7229> [東証S]他
(7)住友電気工業 <5802> [東証P]と住友理工 <5191> [東証P]他
(8)ソフトバンク <9434> [東証P]とLINEヤフー <4689> [東証P]他
(9)大日本印刷 <7912> [東証P]と丸善CHIホールディングス <3159> [東証S]他
(10)日本製鉄 <5401> [東証P]と日鉄ソリューションズ <2327> [東証P]他
(11)三菱商事 <8058> [東証P]と日本食品化工 <2892> [東証S]他
(12)三菱重工業 <7011> [東証P]と三菱ロジスネクスト <7105> [東証S]

 私のリストは以上になるが、具体的な投資対象としては、親会社ではなく子会社へ投資した方が儲かりやすいので、次の4銘柄がお勧めだ。

(1)キヤノン電子
キヤノンの製造子会社で、カメラのシャッター、レーザースキャナーなどを製造している。
 (2)住友理工
 自動車用防振ゴム大手で、トヨタ自動車への納入が多く、株価は自動車関連株として動く。
 (3)伊藤忠食品
伊藤忠グループ向け食品卸大手。ファミリーマート、セブン&アイ・ホールディングス <3382> [東証P]傘下のセブンイレブンなどへの販売が多い。
 (4)ユタカ技研
 ホンダ系の排気・駆動系部品メーカー。二輪用も製造しており、ホンダにとって不可欠ともいえる存在だ。株価はすでに高値圏ながら、PER8.9倍、PBR0.37倍と依然として割安感が強く、理論的には評価が低すぎる。

2025年5月23日 記

株探ニュース

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