来週の株式相場に向けて=防衛・造船株を中心に物色か、エヌビディア決算に注目

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 23日の東京市場は、日経平均株価が前日比174円高の3万7160円と3日ぶりに反発した。ただ、売買代金は3兆9000億円台と4兆円を割り込み、様子見姿勢も強い。「日米で金利が上昇基調となっており、今後の動向が気になる」(市場関係者)との声が出ている。週末には米国との3回目の関税交渉が予定されている。ただ、今回はベッセント米財務長官が欠席する見通しとも伝わっており、米国との交渉が妥結するまでにはなお時間がかかる可能性もある。

 株式市場の方向感が定まらないなか、この日は防衛関連株などを中心に買いが入った。防衛力強化の流れにトランプ米政権による原発増強の動きにも乗り、三菱重工業<7011.T>が上場来高値を更新。日本製鋼所<5631.T>が急伸したほか、造船関連の三井E&S<7003.T>や名村造船所<7014.T>などが買い人気を集めた。主力銘柄の三菱重は3月高値をつけた後、調整局面を続けていたが一気に3000円台での上放れに転じた格好だ。フジクラ<5803.T>や古河電気工業<5801.T>など電線株ともども再上昇波入りとなるかが、当面の焦点となりそうだ。

 更に、来週のポイントとなるのが28日のエヌビディア<NVDA>の決算だ。同社の決算内容は、日経平均株価への影響力が大きい半導体関連など値がさハイテク株の動向を左右するだけに、予想を上回る好決算となった場合、ハイテク株に物色の流れを引き寄せることも予想される。トランプ米大統領が中東を訪問し、AI半導体の投資拡大を呼びかけるなど、AI関連の堅調な需要は続くとみられている。台湾の台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>の4月売上高も好調だった。このなか、市場ではエヌビディアの好決算を期待する見方も多く、2~4月期の1株当たり利益は前年同期比44%増の0.88ドル、5~7月期は同49%増の1.01ドル前後との予想も出ている。この市場コンセンサスを打ち破ることができるかが注目されている。

 上記以外の来週のスケジュールでは、海外では26日はメモリアルデーで米国市場は休場、27日は米5月消費者信頼感指数、米4月耐久財受注、28日に5月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録、29日に米1~3月期GDP改定値、30日に米4月個人消費支出(PCE)物価指数、米5月ミシガン大学消費者マインド指数、31日に中国5月製造業PMIが発表される。28日にセールスフォース・ドット・コム<CRM>、シノプシス<SNPS>、29日にデル・テクノロジーズ<DELL>、コストコ・ホールセール<COST>、ギャップ<GPS>が決算発表を行う。

 国内では27日に4月企業向けサービス価格、30日に5月東京都区部消費者物価指数(CPI)、4月失業率・有効求人倍率、4月鉱工業生産が発表される。27日にダイドーグループホールディングス<2590.T>、30日にトリケミカル研究所<4369.T>、東和フードサービス<3329.T>が決算発表を行う。来週の日経平均株価の予想レンジは3万6700~3万7800円前後。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS

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