来週の為替相場見通し=ドルは上値の重い展開か
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来週のドル円相場は、米財政悪化の懸念と円安是正の思惑がくすぶるなか上値の重い展開となりそうだ。予想レンジは1ドル=141円50銭~145円50銭。 米連邦議会下院は22日、トランプ減税の延長を含む大型法案を可決した。共和党の議会指導部は上院での修正協議を経て7月の成立を目指しており、米財政を巡る不透明感は依然として強い。同法案が成立すれば米国の政府債務は大きく膨らむとみられ、財政悪化への警戒感が高まっていることから積極的にはドルを買いにくい。 また、日本が米国から円安是正を求められるとの思惑もドル円相場の重荷となりそうだ。今週に行われた日米財務相会談では「為替水準について議論しなかった」と伝えられたが、赤沢亮正経済再生担当相は23日に米関税措置を巡る3回目の閣僚級協議に臨むため米ワシントンに向けて出発しており警戒感は消えていない。なお、日米関税交渉を巡っては一部で、赤沢氏が30日を軸に再訪米してベッセント米財務長官と協議を行う方針を固めたと報じられている。 米経済指標も注目で、27日に4月の耐久財受注と5月の消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)、28日に5月のリッチモンド連銀製造業指数、29日に1~3月期の実質国内総生産(GDP)改定値と4月の住宅販売保留指数、30日に4月の個人消費支出(PCE)と5月のシカゴ購買部協会景気指数が発表される予定。国内では30日に5月の東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)と4月の鉱工業生産が公表される。 出所:MINKABU PRESS