話題株ピックアップ【夕刊】(2):ルネサス、東京海上、GW

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■ルネサス <6723>  1,764.5円   -60.5 円 (-3.3%)  本日終値
 ルネサスエレクトロニクス<6723>が反落した。同社に対し、SiC(炭化ケイ素)ウェハーを供給するための契約を締結している米ウルフスピードが、数週間以内に破産申請を行う準備を進めていると、米紙ウォールストリート・ジャーナルが20日に報じた。これを受け、米国市場の時間外でウルフスピード株は急落。ルネサスに対しても売り圧力が加わった。ルネサスは2023年7月、ウルフスピードとの間で、10年間の長期供給契約を締結したと公表。ルネサスはウェハーの安定供給体制を確保し、25年にSiCパワー半導体の量産を始める予定としていた。加えて、20億ドルの預託金をウルフスピードに提供すると表明。預託金はウルフスピードの設備投資計画に用いられると明らかにしていた。

■東京海上 <8766>  5,649円   -151 円 (-2.6%)  本日終値
 東京海上ホールディングス<8766>が3日続落。20日の取引終了後に発表した26年3月期連結業績予想で、最終利益を9300億円(前期比11.9%減)と2ケタ減益予想としたことが嫌気された。前期は政策株式売却益が計画を上回ったものの、その反動から今期は政策株式売却益の減少を見込む。なお、年間配当予想は前期比38円増の210円を予定している。25年3月期の最終利益は1兆552億円(前の期比51.7%増)だった。政策株式の売却加速に伴い有価証券売却益が増加したことに加え、海外子会社において、好調な保険引受や円安の影響で正味収入保険料が増収した。あわせて上限を7000万株(発行済み株数の3.64%)、または1100億円とする自社株買いを実施すると発表した。取得期間は5月21日から10月31日までで、機動的な資本政策を遂行するためとしている。

■グローバルウェイ <3936>  187円   +50 円 (+36.5%) ストップ高   本日終値
 グローバルウェイ<3936>がストップ高。クラウド開発事業のほか、ハイクラス人材の転職情報プラットフォームなどの運営を行っている。20日取引終了後に発表した25年3月期決算は営業損益が2億6100万円の赤字となったが、これについては織り込み済みだった。続く26年3月期は同損益が1億4200万円の黒字予想と黒字転換を果たす見込みで、株価を強く刺激する格好となった。前週から既に動意含みだったが、株価が100円台と低位に位置し流動性にも富んでいることから、個人投資家など短期値幅取りを狙った資金の流入が加速している。

■レナサイエンス <4889>  1,853円   +271 円 (+17.1%)  本日終値
 レナサイエンス<4889>が続急騰、強烈な上昇波を形成しマーケットの視線を集めている。東北大発のバイオベンチャーで低分子化合物を活用した創薬を展開。人工知能(AI)技術を採り入れた医療ソリューションを強みとする。今月8日にストップ高に買われた後、いったん目先筋の利食いを吸収し13日から需給相場に突入した格好となっている。サンバイオ<4592>に続くグロース市場のバイオ株人気の先導役を担い、前日は商い急増のなか253円高に買われ一気にシンボルストック化した。きょうは既に900万株以上の売買高をこなし一時22.6%高の1940円まで買われる場面があった。直近は外資系証券の手口で貸株市場を経由した空売りが積み上がっていたことで、目先踏み上げ相場の様相を呈している。一方、買い残も120万株を超えるなど高水準で、買い戻し一巡後は反動も警戒されるところ。

■イオレ <2334>  1,030円   +150 円 (+17.1%) ストップ高   本日終値
 イオレ<2334>がストップ高。この日、GPUサーバーの販売事業を開始し、将来的なAIデータセンター事業への本格的な参入に向けた取り組みを加速させると発表しており、これを好感した買いが入った。パートナー企業であるデジタルダイナミック(東京都港区)からGPUの在庫を仕入れ、販売を行うとしており、GPUサーバー販売強化のための特設サイトも公開した。将来的にはGPUサーバーの販売に加え、販売後のGPUサーバーを活用した保管・運用サービスの提供や、AIデータセンターの構築・運営を視野に入れ、事業拡大を図るとしている。

■キャンバス <4575>  1,402円   +167 円 (+13.5%)  本日終値
 キャンバス<4575>が4連騰、連日の年初来高値更新と気を吐いている。独自の薬剤スクリーニング手法などを駆使して抗がん剤を開発する創薬ベンチャー。業績面は苦戦が続いており、継続疑義注記銘柄でもあるが、株価は流動性に富みボラティリティが高いことで、個人投資家など短期筋の注目度が高い。ここグロース市場を中心とするバイオ関連セクターに投機性の強い資金が流入しており、同社株にも物色の矛先が向いている。

■IMV <7760>  1,744円   +147 円 (+9.2%)  本日終値
 IMV<7760>が大幅に3日続伸し、上場来高値を更新した。同社は20日、「日本高度信頼性評価試験センター(e-TCJ)」のEMC試験設備増強について、このほどすべての主要設備の設置を完了し、6月2日から本格稼働を開始すると発表。これが材料視されたようだ。同社は、同設備の拡充で航空宇宙・防衛・自動車業界向けのEMC試験における対応力が飛躍的に向上し、従来以上に幅広い製品・規格への試験受託が可能になるとしている。

■フーバーブレイン <3927>  813円   +63 円 (+8.4%)  本日終値
 フーバーブレイン<3927>が急動意。中小企業を主要顧客に情報セキュリティー対策支援を展開するが、マルウェアなどの感染プログラムは対策の遅れている中小企業をターゲットとした攻撃も頻繁化していることで、同社のセキュリティー支援ビジネスの伸びしろは大きい。業績は目覚ましい伸びを示しており、25年3月期は営業利益が前の期比8.5倍の1億8700万円、26年3月期も前期比36%増の2億5500万円と急成長が続く見通し。テクニカル的にも25日・75日移動平均線のゴールデンクロスを示現しており、週明け19日に上ヒゲでつけた年初来高値825円払拭から新値圏突入が視野に入っている。

■グラッドキューブ <9561>  894円   +60 円 (+7.2%)  本日終値
 グラッドキューブ<9561>が後場上げ幅を拡大。正午ごろ、米国デラウェア州に海外子会社を設立すると発表しており、好材料視された。今回設立する海外子会社は、競馬予想AIの海外ホースレーシング対応版を開発し、世界中の競馬ファンに提供するのが目的。まずは米国のホースレーシング市場に参入し、その後、香港、オーストラリアをはじめとするグローバル市場への展開を計画している。なお、設立時点は非連結子会社を予定しているため、25年12月期業績への影響は軽微としている。

■ABEJA <5574>  3,075円   +200 円 (+7.0%)  本日終値
 ABEJA<5574>が3連騰。20日の取引終了後、JAXA(宇宙航空研究開発機構)から委託を受けて、国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟内に搭載された自律飛行型カメラロボットの最新モデルInternal Ball Camera2(以下Int-Ball2)において、音声で操作できる音声認識システムを構築したと発表しており、これを好感した買いが入った。現在使用されているInt-Ball2は、地上からの通信を用いた遠隔操作を想定して設計されているが、JAXAでは通信の途絶や遅延による影響を受けずに作業効率を向上させるため、宇宙船内のエッジデバイスで宇宙飛行士自らがハンズフリーで操作できるシステムの構築を検討。ABEJAではJAXAから委託を受け、文字起こしやリアル対話、タスク抽出などの技術を組み合わせ、宇宙船内のシミュレーションの環境下で宇宙飛行士がハンズフリーで即時にInt-Ball2を移動させられることを目的とした、精度の高い音声認識システムを構築したという。

株探ニュース

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