前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―
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■東京通信G <7359> 363円 (+65円、+21.8%) 一時ストップ高 東京通信グループ <7359> [東証G]が5日続急騰、一時ストップ高となった。20日正午ごろに、株主優待制度を導入すると発表しており、これを好感した買いが流入した。毎年6月末日及び12月末日時点で2500株以上を1年以上継続して保有(25年6月末日時点を初回として3回以上連続保有)する株主を対象に、デジタルギフト1万5000円分(年3万円分)を進呈する。 ■売れるG <9235> 1,261円 (+221円、+21.3%) 売れるネット広告社グループ <9235> [東証G]が急反騰。19日取引終了後、子会社の売れるネット広告社がAEO(AI Engine Optimization)最適化支援サービス「売れるAI最適化for ChatGPT ショッピング」をリリースしたと発表した。同サービスは、AIに選ばれなければ売れないという新時代のEC競争において、AIエージェントが商品の選定と購入を担う未来に完全対応したという。これが材料視されたようだ。 ■リミックス <3825> 501円 (+80円、+19.0%) ストップ高 リミックスポイント <3825> [東証S]がストップ高。20日、FIP転事業を開始したと発表しており、好感されたようだ。FIP転事業は既設の太陽光発電所に蓄電池を設置し、 再生可能エネルギーで発電した電力を電力会社が一定期間、固定価格で買い取ることを国が約束するFIT制度から、再生可能エネルギー発電事業者が電力を売電する際、売電価格に一定の補助額(プレミアム)を上乗せするFIP制度へ移行することで、発電事業者の収益向上を図るビジネスモデル。今回、FIP転事業における第1号機として、FIT制度を活用した既設の太陽光発電所を自社で保有し、将来的なFIP制度への移行を見据えて運用する方針で、7月ごろに着工し、26年度中の運転開始を目指すとしている。 ■サンバイオ <4592> 3,475円 (+486円、+16.3%) 一時ストップ高 サンバイオ <4592> [東証G]が続急騰、一時ストップ高となった。前日19日の米国株市場ではバイオ製薬のノババックスが15%高と急騰を演じるなどバイオセクターに買いが流入した。「トランプ米大統領が大統領令に署名した薬価引き下げ支持で医薬品セクターが大きく売られたが、空売り筋の仕掛けも入ったとみられ、目先その買い戻しが観測される」(中堅証券ストラテジスト)とし、東京市場でもその流れが波及していた。特に開発費先行で収益が伴わないバイオ関連株への貸株市場を通じての空売りが高水準とみられ、そのアンワインドの動きが流動性の高い銘柄を中心に観測されていたもようだ。ここグロース市場の堅調ぶりが際立っており、これも売買代金上位のバイオ関連株人気が株高の原動力となった。 ■メタプラ <3350> 783円 (+100円、+14.6%) ストップ高 メタプラネット <3350> [東証S]がストップ高。受け渡しベースで実質5月相場入りとなった4月28日以降、20日まで14営業日でマイナスだった日はわずか1営業日のみで13勝1敗と需給相場の様相を際立たせていた。ビットコインの購入に積極的な姿勢を貫いており、 ビットコイン関連株として注目度が高い。その保有枚数は世界でも屈指で、トランプ米政権の打ち出す政策がビットコイン価格上昇に強い追い風をもたらすなか、同社株も昨年来、仕手化様相を強めた経緯がある。直近はビットコイン価格の急動意が買いに拍車をかけ、20日は朝方9時20分を境に反落していたものの、週初からは大きく水準を切り上げた状況にあった。そうしたなか、同社は19日昼にビットコインの追加購入(1004ビットコイン)を発表、これが物色人気を増幅していた。 ■クレハ <4023> 3,350円 (+374円、+12.6%) 東証プライムの上昇率トップ。クレハ <4023> [東証P]が急反騰。前週13日に大きくマドを開けて急騰を演じ3200円台まで買われた後、利食い急ぎの動きが出て水準を切り下げていたが、改めて買い直される展開となった。前週12日に発表した26年3月期の業績予想は営業利益が前期比49%増の140億円予想と急回復を見込んでいるが、同日に配当政策としてDOE(連結株主資本配当率)の導入を発表し当面は5%をメドとする経営方針を打ち出していた。そうしたなか、週明け19日取引終了後に未定だった今期の配当について前期実績比129円30銭増配となる216円とすることを発表、これを材料視する買いを呼び込んでいた。配当利回りは前日終値換算で7.25%に急上昇することで株価に与えるインパクトも大きくなった。 ■Jテック・C <3446> 1,220円 (+132円、+12.1%) 東証プライムの上昇率2位。ジェイテックコーポレーション <3446> [東証P]が3日ぶり急反騰。20日付の日本経済新聞朝刊で「政府は次世代のクリーンエネルギーとして各国が開発を競っている核融合発電について2030年代に実証する方針だ」と報じられており、レーザー核融合ベンチャーのEX-Fusion(大阪府吹田市)と技術提携する同社に関連銘柄物色の動きが入ったようだ。また、核融合炉に必要とされる要素試験装置を手掛ける助川電気工業 <7711> [東証S]やレーザー核融合発電向けにレーザー発振媒体としてのセラミックスを手掛ける神島化学工業 <4026> [東証S]、核融合発電向け高温超電導線材を手掛けるフジクラ <5803> [東証P]なども買われた。 ■セブン銀 <8410> 277円 (+24円、+9.5%) 東証プライムの上昇率3位。セブン銀行 <8410> [東証P]が4日ぶり急反発。日本経済新聞電子版が20日午後2時ごろ、「セブン&アイ・ホールディングス(HD)が傘下のセブン銀行の一部株式を伊藤忠商事に売却する方針であることが20日、わかった」と報じた。この報道を受け、セブン銀株は上昇で反応していた。 ■豊田織 <6201> 17,940円 (+1,420円、+8.6%) 東証プライムの上昇率6位。豊田自動織機 <6201> [東証P]が続急伸。共同通信が19日の取引終了後、「トヨタ自動車の源流企業である豊田自動織機が、トヨタグループによる買収提案を受け入れる方針であることが19日、分かった」と報じた。トヨタ自動車 <7203> [東証P]やトヨタの豊田章男会長らが出資する特定目的会社(SPC)がTOB(株式公開買い付け)を実施し、非公開化を目指すとし、買収総額は6兆円規模に達するとみられると伝えた。豊田織株を巡ってはTOB価格を巡る思惑が広がる形となり、買いが集まったようだ。記事によると、トヨタグループは買収に際しメガバンクなど金融機関からの融資も活用する方針。資金確保に一定のメドが付いたもようだとしている。 ■リベラウェア <218A> 1,012円 (+72円、+7.7%) Liberaware <218A> [東証G]が6日ぶり急反発。同社は20日午後2時ごろ、インフラ点検分野での事業機会の共創及び市場拡大を目的に、韓国のSierra BASEと戦略的業務提携に関する基本合意書(MOU)を締結したと発表。これが材料視されたようだ。今回のMOU締結は、両社の先端技術及び営業ネットワークを融合し、韓国国内で ドローンやソフトウェアを用いたソリューションを展開することや、次世代の設備点検ソリューションの創出とその社会実装を目指すことが目的。主な提携内容は「ドローン及びデジタル基盤を用いた設備点検ソリューションの共同事業化及び相互技術支援」「点検ソリューション事業拡大のための設備、人材及び運営に関する協業」「マーケティング、セールス、広報などの共同活動」などとなっている。 ■エムアップ <3661> 1,958円 (+132円、+7.2%) 東証プライムの上昇率8位。エムアップホールディングス <3661> [東証P]が続急伸。19日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表。上限を20万株(発行済み株数の0.56%)、または3億円としており、取得期間は5月20日から30日まで。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を可能とすることや株主還元の拡充、資本効率の向上を図ることが目的という。 ■インテM <7072> 966円 (+60円、+6.6%) インティメート・マージャー <7072> [東証G]が続急伸。19日取引終了後、26万1800株(自己株式を除く発行済み株数の7.85%)を上限に20日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で自社株を取得すると発表。これが好感された。買い付け価格は19日終値の906円。東証の自己株式立会外買付取引情報によると、インテMは20日に予定通り買い付けを実施し、23万8000株を取得した。 ■gumi <3903> 505円 (+27円、+5.7%) gumi <3903> [東証P]が急反発。同社は20日、ディベロッパーとして参画しているクリプトエンターテイメントプロジェクト「TOKYO BEAST」の基軸通貨として活用ができるトークン「TOKYO GAMES TOKEN(TGT)」が21日に、暗号資産取引所「Bybit」をはじめとする海外大手4取引所に同時上場すると発表。世界中のユーザーがアクセスできる複数プラットフォームで取引が可能になり、グローバルな認知度拡大や流動性向上が期待できるとしており、これが株価を刺激したようだ。 ■ククレブ <276A> 4,375円 (+220円、+5.3%) ククレブ・アドバイザーズ <276A> [東証G]が4日ぶり急反発。同社は昨年11月に東証グロース市場に新規上場したニューフェースで、企業不動産(CRE)に関するソリューションを提供。上場企業が保有する遊休・低利用不動産の活用プロジェクト推進や、CREファンドの組成なども手掛ける。日産自動車 <7201> [東証P]が今年5月13日に経営再建計画を発表し、このなかで国内外の7工場を削減する方針が示された。ククレブ株を巡っては、不動産のパイプラインの増加と収益機会の拡大を巡る思惑から14日に大幅高となった後、利益確定目的の売りに上値を抑えられる格好となったが、17日には更に、日産自が主力の追浜工場や子会社の日産車体 <7222> [東証S]の湘南工場に関し閉鎖を検討していると報じられた。日産自にとどまらず、上場企業全般に効率的な経営を実現するため、遊休不動産の売却・有効活用を加速させるとの期待感が高まるなか、ククレブ株については過熱感が台頭しながらも成長性を見込んだ買いが続き、これを支えに売り物をこなして一段高となった。 ■ファンペップ <4881> 111円 (+5円、+4.7%) ファンペップ <4881> [東証G]が大幅高で3日続伸。19日の取引終了後、花粉症を対象疾患として開発中のアレルギーワクチン、抗体誘導ペプチド「FPP004X」の物質特許が日本で成立したと発表しており、これを好感した買いが流入した。抗体誘導ペプチドFPP004Xは、体内に入った異物を排除する働きを持つ抗体の一種で、花粉などの原因物質(アレルゲン)に結合するとアレルギー反応を引き起こすIgEに対する抗体産生を誘導することで治療効果を期待するアレルギーワクチン。24年3月に塩野義製薬 <4507> [東証P]との間でオプション契約を締結し、塩野義は全世界での全疾患に対する独占的研究開発・商業化権の取得に関するオプション権を保有している。なお、今回の特許成立は、25年12月期業績に影響を与えるものではないとしている。 ※20日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。 株探ニュース