ドル高が強まり、ドル円は146円台まで一時回復=NY為替概況
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ドル高が強まり、ドル円は146円台まで一時回復=NY為替概況 きょうのNY為替市場はドル高が強まり、ドル円は146円台まで一時回復した。本日は一時144円台に下落する場面も見られていたが、NY時間に入って買い戻される展開。この日発表のミシガン大消費者信頼感指数がドル高を誘発したようで、全体指数は50.8と過去2番目に低い数字となったものの、1年先のインフレ期待が7.3%と記録的な水準に上昇したことから、市場も反応を余儀なくされたようだ。 FRBの年内利下げ期待もやや後退しており、短期金融市場では2回の利下げは100%織り込んでいるものの、3回についてはほぼ可能性無しという状況になっている。 ただ、市場のドル安への警戒は根強い。オプション市場では、ドル安を想定したポジションが増えており、ドル離れといった為替市場の構造変化を予想する動きがますます強まっている。米中協議の進展を受けたリスク選好も一巡し、市場も次の展開に備えている中、ドル離れへの警戒は根強くあるようだ。 ユーロドルは1.1130ドル付近まで一時下落。1.12ドル台での売り圧力は依然として強く、上値を抑えられている。4月下旬以降の下げトレンドは依然として続いているようだ。ただ、ユーロドルの上値期待も根強い。アナリストはレポートで、投機筋がドルに対する売りポジションを継続する中、ユーロが対ドルで現在の上昇を拡大する可能性はあると指摘。 市場とコンセンサス予想が年内のECBの2回の追加利下げの見通しで一致しつつあるが、リスクは依然としてドル安方向に偏っているという。ユーロドルの短期的な目安として、1.12ドルが依然有効と見ているが、ドルの戦略的売り圧力が残る中、1.13ドルを試す可能性は1.11ドルを試す可能性よりも高いという。 ポンドドルは売りに押され、一時1.32ドル台半ばに下落。本日の21日線が1.3310ドル付近に来ているが、その下での推移が続いており、強い上値抵抗となっている状況に変化はない。ただ、下放れる動きも見せていない状況。先週の英中銀の金融政策委員会(MPC)で利下げ期待が後退していることも、ポンドドルの下値をサポートしているようだ。 来週は4月の英消費者物価指数(CPI)が発表され、高い数字が見込まれている。全国最低賃金の引き上げや雇用者の国民保険負担の増加などの特殊要因で前月から加速すると予想されている。総合指数は前月比で1.1%、前年比で3.3%、コア前年比で3.6%が見込まれている。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美