話題株ピックアップ【夕刊】(2):安川電、三菱ケミG、住友鉱
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■グローリー <6457> 2,770円 +207.5 円 (+8.1%) 本日終値 グローリー<6457>が後場終盤になって急伸。午後3時ごろに上限を600万株(発行済み株数の10.38%)、または150億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これを好感した買いが入った。取得期間は5月14日から来年5月13日までで、取得した全自社株は26年6月30日付で消却するという。また、同時に発表した26年3月期連結業績予想で、売上高3400億円(前期比7.9%減)、営業利益215億円(同38.9%減)、純利益100億円(同37.7%減)と大幅減収減益を見込む一方、年間配当予想を前期比4円増の112円としたことも好材料視された。欧米でリテール・飲食市場向けの販売増加が見込まれるものの、国内では利益率の高い新紙幣発行対応(特需)などの反動により販売減少を見込む。なお、25年3月期決算は、売上高3690億1700万円(前の期比0.9%減)、営業利益351億7300万円(同31.2%減)、純利益160億5300万円(同45.7%減)だった。 ■山九 <9065> 6,966円 +446 円 (+6.8%) 本日終値 山九<9065>が9連騰し年初来高値を更新。12日の取引終了後に上限を500万株(発行済み株数の9.52%)、または200億円とする自社株買いを実施すると発表したことが好感された。取得期間は5月13日から来年2月27日まで。また、来年3月16日付で、発行済み株式数の5%を超える自社株全てを消却する。同時に発表した26年3月期連結業績予想は、売上高6180億円(前期比1.8%増)、営業利益410億円(同6.7%減)、純利益295億円(同4.1%減)を見込む。物流事業のコスト構造改革や中国事業のスリム化、適正単価の収受などに取り組むとしている。なお、25年3月期決算は、売上高6067億9100万円(前の期比7.7%増)、営業利益439億4500万円(同24.8%増)、純利益307億4700万円(同26.1%増)だった。 ■安川電機 <6506> 3,398円 +172 円 (+5.3%) 本日終値 安川電機<6506>が一時10%を超す上昇。12日の取引終了後、米国と中国の貿易協議の結果が明らかとなった。米国と中国の双方が追加関税について115%引き下げることで合意し、引き下げた関税の一部については90日間、適用を停止して協議を進める。これを受け、13日の東京市場では中国景気の影響を受けやすいFA(ファクトリーオートメーション)やロボット関連株を買い戻す動きが広がった。ファナック<6954>やSMC<6273>、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が大幅高となっている。 ■ソラコム <147A> 878円 +34 円 (+4.0%) 本日終値 ソラコム<147A>が4日続伸。12日の取引終了後、丸紅<8002>とのIoT領域における戦略的協業の一環として、丸紅I-DIGIOホールディングスと合弁会社設立に向けた契約をしたと発表しており、好材料視された。丸紅I-DIGIOホールディングスが、傘下の丸紅ネットワークソリューションズのMVNO(仮想移動体通信事業者)事業を分社化し、ソラコムが51%を出資する形でソラコムのグループ会社とする。新会社では、ソラコムのソフトウェアやクラウドの技術を生かしてMVNO事業のインフラ設備やサービスを進化させるとしており、まず回線管理コンソールの刷新を通じて、ユーザーの操作性向上を図る。また、次世代SIMであるiSIMなどの最新のSIMテクノロジーへの対応などにも取り組むとしている。 ■三菱ケミカルグループ <4188> 756.8円 +26.8 円 (+3.7%) 本日終値 三菱ケミカルグループ<4188>は大幅高で13日続伸。この日午後2時ごろ、26年3月期の見通しを発表。連結純利益は前期比3.2倍の1450億円、配当予想は前期比据え置きの32円とした。あわせて、取得上限1億株(自己株式を除く発行済み株数の7.0%)、または500億円とする自社株買いの実施を発表。期間は5月14日~来年5月13日。これを好感した買いが入った。子会社の田辺三菱製薬を譲渡することによる影響を織り込んだ。自社株買いはこの譲渡により得られる資金を活用して行う。なお、同時に発表した25年3月期決算は純利益が前の期比62.4%減の450億2000万円だった。 ■東京エネシス <1945> 1,185円 +36 円 (+3.1%) 本日終値 東京エネシス<1945>が反発し、年初来高値を更新した。同社は12日取引終了後、26年3月期通期の連結業績予想を公表。営業利益の見通しを前期比46.3%増の39億円としていることや、年間配当計画を前期比5円増配の57円(中間配当28円、期末配当29円)としていることが好感されたようだ。売上高は同21.1%増の820億円となる見通し。電力需要増加に伴う新設・増設工事が見込まれる変電分野や、原子力発電所の再稼働に向けた工事が期待できる原子力分野に注力するとしている。 ■住友金属鉱山 <5713> 3,285円 +99 円 (+3.1%) 本日終値 住友金属鉱山<5713>が5日続伸。12日の取引終了後、上限を830万株(発行済み株数の3.02%)、または150億円とする自社株買いを実施すると発表したことが好感された。取得期間は5月13日から9月22日までで、株主還元の充実及び資本効率の向上を目的としているという。同時に、28年3月期に税引き前利益1400億円(25年3月期313億8300万円)を目指す中期経営計画を発表した。ケブラダ・ブランカ銅鉱山(チリ)とコテ金鉱山(カナダ)の戦力化や、製錬事業の競争力強化、電池材料事業の構造改革推進、機能性材料事業の成長などにより目標達成を目指す方針で、今後3年間で4370億円の設備投資・投融資を計画している。 ■森永乳業 <2264> 3,335円 +60 円 (+1.8%) 本日終値 森永乳業<2264>が後場急上昇。午後2時ごろに上限を380万株(発行済み株数の4.55%)、または100億円とする自社株買いを実施すると発表したことが好感された。取得期間は5月14日から来年3月31日までで、取得した自社株はすべて消却する予定としている。また、同時に発表した26年3月期連結業績予想で、売上高5800億円(前期比3.4%増)、営業利益320億円(同7.9%増)、純利益190億円(同3.5倍)を見込み、年間配当予想を前期比3円増の93円としたことも好材料視された。国内で成長領域のヨーグルトやアイスのほか、「マウントレーニア」中心に高付加価値品の拡大を見込み、海外でも成長領域である菌体の拡大や育児用ミルクの展開加速を狙う。また、原材料などのコストアップに対応した価格改定を適宜実行することで増収増益を確保する。25年3月期決算は、売上高5611億7300万円(前の期比2.6%増)、営業利益296億5800万円(同6.5%増)、純利益54億5900万円(同91.1%減)だった。 ■アイネス <9742> 1,665円 +22 円 (+1.3%) 本日終値 アイネス<9742>が続伸、大陽線で4月23日につけた戻り高値をクリアし1700円台に乗せてきた。自治体向けで実績の高いインテグレーターで、ネットワークの開発、構築、運用、保守まで一気通貫でサービスを提供する。旺盛な自治体のデジタルトランスフォーメーション(DX)需要の囲い込みによって業績を伸ばしている。25年3月期の営業利益は前の期比23%増の35億3600万円と回復色を鮮明としたが、続く26年3月期も同利益は前期比13%増の40億円見通しと2ケタ成長を継続する見通しにある。株価は75日移動平均線との下方カイ離をほぼ解消する局面にあり、更なる上値追いが継続できるかが注目される。 ■ディスコ <6146> 33,320円 +410 円 (+1.3%) 本日終値 ディスコ<6146>など半導体主力株に投資資金の攻勢が加速。ディスコは高性能半導体向けを軸とした後工程の半導体製造装置を手掛け、AI用半導体関連の象徴株として投資家の注目度が高い。前日の米国株市場ではハイテク株を中心にリスクオンの流れが加速したが、特にAI用半導体大手のエヌビディアが5.4%高に買われるなど戻り足を鮮明とし、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は7%超の急騰をみせた。米中間の関税協議では両国いずれも関税率を90日間115%引き下げることで合意しており、米中貿易摩擦の緩和が期待されている。半導体セクターはその恩恵を受けるとの見方が投資家心理を強気に傾けている。 株探ニュース