株価指数先物【寄り前】 海外投資家のショートカバーが本格化
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大阪6月限ナイトセッション 日経225先物 38730 +1030 (+2.73%) TOPIX先物 2813.0 +68.0 (+2.47%) シカゴ日経平均先物 38760 +1060 (注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比) 12日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が大幅に上昇。米中両政府が互いに課した追加関税を大幅に引き下げることで合意したと発表。米国は中国に対する関税率を145%から30%に、中国は米国産品に対する関税率を125%から10%に引き下げ、90日間の交渉期間に入る。米中貿易摩擦の緩和に向けた動きを好感した買いが幅広い銘柄に広がった。 トランプ米大統領は今回の合意を受け、今週中に習近平国家主席と話す可能性が高いとの認識を示した。今後90日間で合意できなかったとしても、関税を再び145%に引き上げることはないと述べたことも好感された。 S&P500業種別指数は、自動車・同部品、小売、運輸、半導体・同製造装置が上昇した一方で、電気通信サービス、食品・飲料・タバコ、公益事業が下げた。NYダウ構成銘柄では、アマゾン・ドット・コム、ナイキ 、アップル 、メルク 、エヌビディア が買われた半面、コカ・コーラ 、ベライゾン・コミュニケーションズ 、トラベラーズ が下落。 シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比1060円高の3万8760円だった。米中の共同声明は日本時間12日午後4時に発表されたことで、日経225先物(6月限)のナイトセッションはギャップアップとなり、日中比500円高の3万8200円で始まった。直後につけた3万8150円を安値にショートカバーが強まり、一気に3万8600円台を回復。その後は3万8370円まで上げ幅を縮めたものの、米国市場の取引開始後に上へのバイアスが強まった。終盤にかけて3万8790円まで上げ幅を広げる場面もみられ、3万8730円でナイトセッションの取引を終えた。 日経225先物はナイトセッションで200日移動平均線(3万7590円)、3月26日の戻り高値3万7970円を上抜けた。ボリンジャーバンドの+2σ(3万8670円)を上回ってきており、短期的な過熱感が警戒されやすいが、バンドが上向きで推移しているため、買い一巡後の戻り待ち狙いのショートは避けておきたい。週足では26週線(3万7680円)、52週線(3万7890円)、+1σ(3万8030円)を明確に突破している。週足の+1σが支持線として意識されやすく、+2σ(3万9580円)とのレンジに移行することになろう。 3月の戻り高値を上抜いてきたことで、次のターゲットは1月27日につけた4万0380円になる。5月第1週(4月28日-5月2日)の投資部門別売買動向では、海外投資家が現物と先物合計で3週連続の買い越しだった。海外投資家の買い戻しが一段と強まると考えられ、買い一巡後に過熱を冷ます動きがあれば、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。 12日の米VIX指数は18.39(9日は21.90)に低下した。200日線(19.72)を下抜け、判断の分かれ目となる20.00を割り込んできたことで、リスク選好に向かわせそうだ。3月26日につけた16.97が射程に入ってきている。 昨日のNT倍率は先物中心限月で13.73倍に上昇。医薬品株や鉄鋼株の弱い値動きがTOPIX型の重荷になっており、相対的に日経平均型が優位の状況。ただし、+2σ(13.74倍)水準では上値を抑えられる形だった。本日は全面高のなかで指数インパクトの大きい値がさハイテク株のインパクトが強まりやすく、同バンドを上回ってくることが見込まれる。 株探ニュース