前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

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材料

■アネスト岩田 <6381>  1,403円 (+300円、+27.2%) ストップ高

 東証プライムの上昇率トップ。アネスト岩田 <6381> [東証P]がストップ高。前週末9日の取引終了後、26年3月期の業績・配当予想とともに新たな中期経営計画を公表した。今期の年間配当予想を前期比38円増配の83円としたうえで、中計期間のDOE(株主資本配当率)を7.0~7.5%に設定。今期の水準を下限として累進的な増配を行うほか、中計期間において30~35億円規模の自社株買いを実施する方針を示しており、株主還元姿勢を評価した買いが入った。中計期間の最終年度である28年3月期の売上高目標は620億円(26年3月期予想は580億円)、営業利益目標は61億7000万円(同55億5000万円)に設定した。

■クレスコ <4674>  1,516円 (+300円、+24.7%) ストップ高

 東証プライムの上昇率2位。クレスコ <4674> [東証P]がストップ高。前週末9日の取引終了後に発表した26年3月期連結業績予想で、売上高640億円(前期比8.9%増)、営業利益70億円(同17.0%増)、純利益49億円(同11.2%増)と2ケタ増益を見込み、年間配当予想を前期比16円増の58円としたことが好感された。企業のDX投資継続により、グループの受注も引き続き堅調に伸びると予想しており、連続営業最高益更新を見込む。なお、25年3月期決算は、売上高587億6000万円(前の期比11.4%増)、営業利益59億8300万円(同16.8%増)、純利益44億500万円(同18.2%増)だった。また、上限を100万株(発行済み株数の2.42%)、または15億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視された。取得期間は5月12日から11月28日までで、資本効率の向上を図ることが狙いとしている。

■ベネフィJ <3934>  1,594円 (+300円、+23.2%) ストップ高

 ベネフィットジャパン <3934> [東証S]がストップ高。同社は9日取引終了後、26年3月期通期の連結業績予想を公表し、営業利益の見通しは前期比19.3%増の14億5500万円とした。また、配当性向を50%(前期は30%)に引き上げることに伴い、期末一括配当計画を前期比36円増配の79円としていることも好材料視されたようだ。今期の売上高は同33.7%増の170億4200万円を見込む。主力のインターネット通信サービス事業では商品取扱店舗数の拡大に注力するとともに、取引先へのコスト削減商材の提案を積極的に行う構え。更に携帯ショップやテレマーケティング販路を活用し、モバイルWi-Fiの販売数を拡大することで、収益の安定化を図るとしている。

■サクサ <6675>  3,785円 (+700円、+22.7%) ストップ高

 サクサ <6675> [東証S]がストップ高。前週末9日の取引終了後、テリロジーホールディングス <5133> [東証S]と資本・業務提携したと発表したことを好感した買いが流入しており、テリロジHDも大幅続伸となった。テリロジHD株式を3億円相当(85万株を上限に発行済み株数の5.0%を超えない程度)取得する一方、テリロジHDはサクサ株式を3000万円相当(1万株程度、発行済み株数の0.16%程度)取得する。テリロジHDのサイバーセキュリティー商材をサクサグループに導入することで、グループの情報セキュリティーの強化を実現するほか、自らをケーススタディとして活用することで、サクサグループにおける製品化と市場への展開を行うとしている。同時に発表した25年3月期連結決算は、売上高439億7100万円(前の期比7.4%増)、営業利益32億4300万円(同3.0%減)だった。なお、26年3月期業績予想は5月21日に公表予定としている。また、神奈川県相模原市に保有する土地の売却に伴い、27年3月期に固定資産売却益約230億円を特別利益として計上すると発表した。これに伴う26年3月期業績予想への影響はないとしている。

■三十三FG <7322>  2,721円 (+500円、+22.5%) ストップ高

 東証プライムの上昇率3位。三十三フィナンシャルグループ <7322> [東証P]がストップ高。前週末9日の取引終了後、25年3月期の連結決算にあわせ、26年3月期の業績・配当予想を開示した。今期の純利益予想は前期比28.3%増の111億円を計画。また、3月31日を基準日とする前期の期末配当を従来の見通しから6円増額し63円(年間配当100円)としたうえで、今期の年間配当予想は前期比28円増配の128円とした。2ケタ最終増益で大幅増配の計画となり、発表内容を好感した買いが集まった。銀行単体で業務純益の拡大を見込み、配当性向30%の水準を維持しつつ利益の積み増しにあわせて配当を増額する方針。25年3月期の純利益は前の期比25.3%増の86億5300万円だった。

■ユトリ <5892>  2,751円 (+500円、+22.2%) ストップ高

 yutori <5892> [東証G]がストップ高。前週末9日取引終了後に月次KPIを発表。4月の売上高は前年同月比2.7倍と前月までの高い伸びを維持した。気温の上昇と共に春夏物の販売が好調に推移したため。14日に通期決算の発表を予定しており、業績期待の高まりから買いが集まったようだ。

■高速 <7504>  2,555円 (+460円、+22.0%)

 東証プライムの上昇率4位。高速 <7504> [東証P]が3日続急騰。前週末9日の取引終了後に発表した26年3月期連結業績予想で、売上高1240億円(前期比7.0%増)、営業利益48億5000万円(同7.0%増)、純利益36億5000万円(同5.3%増)と連続営業最高益更新を見込み、年間配当予想を前期比62円増の116円としたことが好感された。前期に行った価格改定効果や取引拡大の影響が継続して業績に寄与する見通し。なお、26年2月に創立60周年を迎えることを記念して、記念配当年60円を実施する。同時に発表した25年3月期決算は、売上高1159億1500万円(前の期比9.1%増)、営業利益45億3200万円(同7.2%増)、純利益34億6500万円(同11.3%増)だった。また、創立60周年記念株主優待を実施するとあわせて発表しており、これも好材料視された。25年6月末、9月末及び12月末時点で100株以上を3回連続して保有する株主を対象に、オリジナルQUOカード3000円分を贈呈する。

■秋田銀 <8343>  2,902円 (+500円、+20.8%) ストップ高

 東証プライムの上昇率5位。秋田銀行 <8343> [東証P]がストップ高。ストップ高の水準となる前営業日9日比500円高の2902円に買われ、2018年以来の高値圏に浮上した。12日午後2時、25年3月期の連結決算発表にあわせ、26年3月期の業績・配当予想を開示。今期の純利益は前期比14.8%増の65億円を見込む。年間配当予想は同45円増配の150円を計画。業況と株主還元姿勢を好感した買いが集まったようだ。同社は株主還元方針の変更も決議し、配当性向の目標については40%以上(従来は30%以上)とし、自社株買いを機動的に実施する方針を示した。25年3月期の純利益は前の期比24.6%増の56億6200万円だった。

■ゲンキGDC <9828>  4,055円 (+645円、+18.9%)

 Genki Global Dining Concepts <9828> [東証S]が続急騰。同社は旧元気寿司。前週末9日取引終了後、株主優待制度を拡充すると発表。保有株数に応じて配布される食事券の額を増やすほか、これまで3年未満・3年以上で区分していた継続保有期間の条件を1年未満・1年以上に短縮する。今年9月分から変更を適用する。これを好感した買いが入った。あわせて発表した25年3月期連結決算は売上高が前の期比9.1%増の674億7200万円、営業利益が同38.1%増の67億9200万円だった。テレビ番組で紹介されたことが奏功。また、高品質・高付加価値商品の訴求や販売価格の適正化も寄与した。続く26年3月期の売上高は前期比7.2%増の723億円、営業利益は同3.1%増の70億円の見通し。配当予想は前期比同額の70円とした。

■日新 <9066>  6,350円 (+1,000円、+18.7%) ストップ高

 東証プライムの上昇率7位。日新 <9066> [東証P]がストップ高。前週末9日の取引終了後、米ブルームバーグ通信が「総合物流の日新が、経営陣が参加する買収(MBO)で株式を非公開化することが9日、分かった」と報じた。米投資ファンドのベインキャピタルが参画し、買収総額は1000億円超となる見込みで、12日にも発表すると伝えている。日新は同日、報道を受けて「企業価値の向上に資する様々な選択肢を常に検討しており、非公開化を検討しているのは事実」とするコメントを開示した。日新株に対してはMBOに向けたTOB(株式公開買い付け)価格を巡る思惑から、買い注文が集まった。報道では、独占禁止法関連などの手続きに相応の期間がかかるため、TOBの開始は数ヵ月後になる可能性があるとしている。

■平田機工 <6258>  1,826円 (+275円、+17.7%)

 東証プライムの上昇率9位。平田機工 <6258> [東証P]が続急騰。前週末9日の取引終了後、25年3月期の連結決算を発表。利益は計画を上回り、最終利益は前の期比10.0%増の47億7800万円と減益予想から一転して2ケタの増益で着地した。26年3月期の最終利益は前期比19.3%増の57億円と堅調な伸びを計画しており、評価されたようだ。今期の売上高は前期比8.5%増の960億円を見込む。 半導体関連では増収を計画。生成AI関連の半導体需要に期待を示すとともに、新製品開発や供給能力の増強により、シェアアップに臨む。米国の関税政策の影響は業績予想には織り込んでいない。年間配当予想は65円。前期の年間配当は株式分割を考慮したベースで40円となっており、実質増配となる見通し。中期経営計画も公表し、28年3月期に営業利益を100億円以上(26年3月期予想は84億円)に伸ばす目標を設定。連結配当性向の目安を20%から35%に引き上げた。

■IBJ <6071>  773円 (+100円、+14.9%) ストップ高

 IBJ <6071> [東証P]がストップ高。前週末9日の取引終了後に発表した第1四半期(1-3月)連結決算が、売上高48億1500万円(前年同期比13.2%増)、営業利益10億600万円(同51.7%増)、純利益6億1400万円(同27.7%増)と大幅増収増益となり、営業利益の上期予想に対する進捗率が74%となったことが好感された。加盟店事業で結婚相談所数・会員数ともに増加したことに加えて、直営店事業でお見合い件数が増加し、それに伴い成婚数も増加したことなどが牽引した。また、韓国語学校運営のK Village事業の拡大も寄与した。なお、25年12月期通期業績予想は、売上高194億500万円(前期比9.4%増)、営業利益31億2400万円(同21.1%増)、純利益19億8900万円(同30.6%増)の従来見通しを据え置いている。

■アイスペース <9348>  1,297円 (+162円、+14.3%)

 ispace <9348> [東証G]が3日続急騰。同社は5月9日大引け後(15:45)に決算を発表、25年3月期の連結最終損益は119億円の赤字(前の期は23.6億円の赤字)に赤字幅が拡大したが、26年3月期は83億円の赤字に赤字幅が縮小する見通しとなったことで交換されたようだ。8期連続赤字になる。

■ULSグルプ <3798>  5,860円 (+720円、+14.0%)

 ULSグループ <3798> [東証S]が続急騰。同社は5月9日大引け後(15:30)に決算を発表、25年3月期の連結経常利益は前の期比50.1%増の26.3億円に拡大し、従来予想の22億円を上回って着地。26年3月期も前期比17.5%増の31億円に伸びを見込み、14期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが好感されたようだ。これで9期連続の増収、14期連続増益になる。同時に、前期の年間配当を52円→60円(前の期は45円)に増額し、今期も前期比11円増の71円に増配する方針とした。

■丸一管 <5463>  3,677円 (+424円、+13.0%)

 丸一鋼管 <5463> [東証P]が7日ぶり急反騰。前週末9日の取引終了後に発表した26年3月期連結業績予想で、売上高2639億円(前期比0.9%増)、営業利益336億円(同46.6%増)と大幅増益を見込み、年間配当予想を前期比3円増の134円としたことが好感された。国内の販売状況は引き続き厳しいものの、コスト上昇分の製品販価への転嫁と値下がり分の値戻しに継続して取り組むほか、営業・生産・間接部門の効率化などの生産性向上に取り組むことで単独事業の収益改善を見込む。また、米国4社の販売数量2ケタ伸長を見込んでおり、レビット社を中心に増益に寄与する見通し。なお、純利益は前期に計上した有価証券売却益が剥落することから234億円(同13.4%減)を見込む。25年3月期決算は、売上高2616億4900万円(前の期比3.6%減)、営業利益229億1800万円(同34.2%減)、純利益270億3300万円(同3.5%増)だった。丸一管単独の販売数量の減少やコストアップによるトン当たり製造コストの負担増、更に米国の販売数量減少やスプレッドの悪化などが利益を圧迫した。同時に、上限を300万株(発行済み株数の3.92%)、または120億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視された。取得期間は6月23日から来年3月31日までで、市場買い付けのほか、東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNet-3)による買い付けを行うとしている。

■ミツウロコG <8131>  2,090円 (+223円、+11.9%)

 ミツウロコグループホールディングス <8131> [東証S]が4日続急騰。同社は5月9日大引け後(16:00)に決算を発表、25年3月期の連結経常利益は前の期比24.8%減の100億円になったが、26年3月期は前期比24.9%増の125億円に伸びる見通しとなったことで好感されたようだ。同時に、前期の年間配当を41円→56円(前の期は41円)に増額し、今期も56円を継続する方針とした。

■栃木銀 <8550>  357円 (+38円、+11.9%)

 栃木銀行 <8550> [東証P]が続急騰。同社は5月9日大引け後(15:30)に決算を発表。25年3月期の連結経常損益は236億円の赤字(前の期は42.3億円の黒字)に転落したが、26年3月期は83億円の黒字に急浮上する見通しとなった。

※12日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

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