株価指数先物【寄り前】 米中協議進展で3月戻り高値が射程に

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先物

大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 37460 -60 (-0.15%)
TOPIX先物 2729.0 -7.0 (-0.25%)
シカゴ日経平均先物 37470 -50
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 9日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が下落した一方で、ナスダックは上昇。関税交渉の進展期待から買いが先行したものの、10日から始まる米中貿易協議を前に持ち高調整の売りが出て下落に転じた。トランプ米大統領が中国からの輸入品にかける累計145%の追加関税について「対中関税は80%が適切だろう」と自身のSNSに投稿したことも重荷になった。

 S&P500業種別指数は、自動車・同部品、エネルギー、不動産が上昇した半面、医薬品・バイオテクノロジー、耐久消費財・アパレル、食品・飲料・タバコが下げた。NYダウ構成銘柄では、ボーイング、シェブロン、スリーエム、アマゾン・ドット・コム、アップルが買われた。一方でアムジェン、メルク、IBM、セールスフォースが下落。

 シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比50円安の3万7470円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比30円高の3万7550円で始まり、3万7380円まで売られた後にロング優勢の流れとなり、3万7670円まで上昇。買い一巡後は軟化し中盤にかけて3万7310円まで売られる場面もみられた。ただし、終盤にかけて持ち直し3万7400円~3万7500円辺りでの保ち合いを継続。3万7460円でナイトセッションの取引を終えた。

 10日、11日にスイスで行われた米中閣僚級協議では、貿易協議の枠組みを設置することで合意したと明らかにした。両国とも具体的な点を明らかにしていないが、12日に共同声明を発表するとしており、東京市場が初動反応として注目される。為替市場ではドル円が一時1ドル=146円台と急速に円安に振れており、日経225先物は買い先行で始まることが期待される。

 日経225先物は先週の上昇で75日移動平均線を突破し、200日線(3万7600円)を捉えてきた。9日の取引終了後のナイトセッションでは同線に上値を抑えられる形だったが、米中協議の進展を受け、200日線突破から3月26日の戻り高値である3万7970円を意識したスタンスに向かわせそうだ。

 トランプ大統領は11日、「まもなく重大発表」と自信のSNSで予告した。具体的な発表の内容には触れておらず、貿易に関する話ではなさそうだが、ショートカバーを誘う可能性がある。足もとで海外勢は買い越し基調が継続しているとみられ、3月の戻り高値を捉えてくるトレンド形成をみせてくるようだと、ショートカバーが本格化しそうである。そのため、200日線水準での攻防が続く局面では、押し目狙いのロングで対応したい。

 一方で、トランプ政権は海外から輸入する航空機やエンジン、部品などを対象に追加関税の導入に向け、国家安全保障に与える影響について調査を始めたことを明らかにした。三菱重工業<7011>[東証P]など関連する企業が不安定な値動きをみせてくるようだと、慎重姿勢が強まる可能性はありそうだ。国内企業の決算発表がピークを迎え、結果を見極めたいとするムードも強まりやすく、買い一巡後は次第に膠着感が強まる展開も意識されよう。

 そのため、オプション権利行使価格の3万7500から3万8000円のレンジを想定する。200日線での底堅さがみられる局面では、ボリンジャーバンドの+2σ(3万8150円)が射程に入ってくる。週足では26週線(3万7640円)、52週線(3万7870円)、+1σ(3万7820円)を明確に突破してくると、次のターゲットは+2σの3万9260円になるとみておきたい。

 9日の米VIX指数は21.90(8日は22.48)に低下した。直近で支持線として機能していた25日線を割り込んだことで、200日線が位置する19.71が射程に入ってきている。判断の分かれ目となる20.00割れが意識されてきたことで、リスク選好に向かわせそうだ。

 先週末のNT倍率は先物中心限月で13.71倍に低下しており、+2σ(13.72倍)に抑えられる形になった。ただし、一時13.67倍まで下げる場面もみられたが、+1σ(13.66倍)が支持線として機能しているため、+1σと+2σによるレンジを継続。バンドが緩やかながら上向きで推移していることもあり、NTロングに振れやすいとみておきたい。

株探ニュース

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